自己負担になる差額ベッド代は医療保険でカバーできる? | リクルートの保険比較サイト【保険チャンネル】

自己負担になる差額ベッド代は医療保険でカバーできる?


病院が差額ベッド代を請求するには、患者さんの同意が必要なのをご存じですか。さらに、差額ベッド室に入室しても支払い義務がないケースもあるなど、差額ベッド代にはさまざまな決まりごとがたくさんあります。「差額ベッド代」は、医療保険を比較していると出てくる重要なキーワード。この機会に疑問を解決しておきましょう。
掲載日:2017年06月14日

差額ベッド代とは

「にぎやかな大部屋ではなく、個室など静かな環境でゆっくり療養をしたい…」、そのように考える人もいるかと思います。そこで病院には、よりよい医療を受けるために特別な設備や環境の整った「特別療養環境室(差額ベッド室・特別室)」があり、患者さんが希望すれば入室できます。このときにかかるのが「差額ベッド代」です。差額ベッド代は公的医療保険や高額療養費の対象にはならないため、全額が自己負担となります。

差額ベッド代が必要になるのは、以下のような要件を備えた病室です。
(1)病室のベッド数が4床以下であること
(2)病室の面積は1人あたり6.4平方メートル以上であること
(3)ベッドごとにプライバシーを確保するための設備があること
(4)個人用の私物の収納設備や照明、小机や椅子などの設備があること

差額ベッド代の金額は、病院や病室の規模によって異なります。厚生労働省の中央社会保険医療協議会によると、平成25年7月1日現在の差額ベッド代は以下のようになっています。

1日あたりの差額ベッド代の平均金額(出典:厚生労働省)

また、差額ベッド代の最低額は100円ですが、最高額は36万7,500円などとなっており、病院によって差額ベッド代の金額には大きな開きがあります。

差額ベッド代を払わなくていいケースもある

差額ベッド室に入ったからといって、差額ベッド代を必ず支払わなくてはならないというわけではありません。
病院が患者に差額ベッド代を請求できるのは、入室前に差額ベッド室の設備や構造、料金などについて説明し、患者さんの同意を得た後となります。
さらに、以下のようなケースでは差額ベッド代を請求してはならないと定められています。
(1)患者さんの治療上必要で、差額ベッド室に入院した場合
・救急患者や手術後の患者など、病状が重篤なため安静を必要とする場合
・免疫力が低下しており、感染症にかかる可能性が高い場合
・後天性免疫不全症候群(エイズ)に感染している場合 など

(2)病院の都合により入院した場合で、患者さんの選択によらない場合
・MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などに感染し、ほかの入院患者の院内感染を防止するために個室に移った場合など

このように、差額ベッド代を請求するにはさまざまな要件がありますので、入院時に差額ベッド室を勧められた場合には「経済的な余裕がありません」「大部屋を希望します」など、はっきり断ることも必要です。
ただし、病室がいっぱいの場合には、退院や転院を勧められる可能性もないとはいい切れません。通い慣れた病院で治療に専念したい場合には、差額ベッド代の支払いに同意しなくてはならないケースもあるようです。

差額ベッド代への備え、医療保険の入院保障は必要?

差額ベッド代は、高額療養費の対象ではありません。また、健康保険の付加給付には差額ベッド代も給付対象にしている健康保険組合もあるようですが、一部に限られています。
ゆっくり療養したいと考えたり、やむを得ず差額ベッド代の支払いが必要になるケースを考えたりすると、入院時の医療費に備えておく必要があるといえそうです。
そのとき、選択肢のひとつとなるのが医療保険です。医療保険には入院日数に応じて給付される「入院給付金」や、手術をしたときに一時金を受け取れる「手術給付金」がありますので、公的医療保険の対象とならない差額ベッド代などの支払いにあてることができます。
ご自身の治療のやり方にあわせ、無理のない範囲で医療保険を検討しておくとよいでしょう。

斉藤 勇

ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士。保険や不動産取引のアドバイスを中心に活動しています。モットーは「常に感謝の気持ちを忘れずに…」。趣味はマリンスポーツ。

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