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2019版!住宅ローン控除の制度とは?条件や確定申告手続き等

住宅ローンを組んだら所得税や住民税が軽減される住宅ローン控除。2019年10月からは控除期間が10年から13年に延長されます。わが家はいくら税が軽減される?確定申告は必要? 住宅ローン控除のしくみと手続きについて、FPが解説します。

目次

■住宅ローン控除とは?2019年からの変更点は?

住宅ローン控除は、住宅ローンを借りている人がその残高に応じて所得税や住民税の税額を軽減できる制度です。一般的には「住宅ローン減税」とも呼ばれます。

●住宅ローン控除でいくら税が少なくなる?
軽減できるのは、毎年末の住宅ローンの残高最大4,000万円(長期優良住宅などは5,000万円)の1%分です。これを10年間にわたって所得税の税額から差し引くことができます。

図表1住宅ローン控除の概要


たとえば、住宅ローンの残高が年末時点で4,000万円あるときには、その1%分である40万円を、その年の所得税の税額から差し引きます。ローン残高が5,000万円であっても、省エネ性能にすぐれた長期優良住宅などを除くと控除の対象になるのは最大4,000万円までですので、同じく40万円分が、住宅ローン控除で差し引ける控除額になります。

もし、その年に納めるべき所得税が45万円なら、ここから住宅ローン控除の40万円を差し引き、所得税はのこり5万円を納めればよいことになります。

図表2住宅ローン控除のしくみ
住宅ローン控除のしくみ

住宅ローン控除は1回限りではなく、最長で10年にわたって適用できます。ローンの返済が進めば年末時点での残債の金額は少なくなっていきますが、ローン残高が4,000万円(長期優良住宅などは5,000万円)以上あれば、最大で40万円(長期優良住宅などは50万円)を10年間、毎年控除することができます。つまり、最大で400万円(長期優良住宅などは500万円)、税額が少なくなるしくみです。

図表3住宅ローン減税の控除額のイメージ


●2019年10月から、控除期間は13年に延長される
さらに、2019年10月からは控除期間が延長されます。これまで10年間だったものが、13年間になります。これは消費税率が10%に増税されることをうけて、家計の負担を軽減するための措置です。

図表4 住宅ローン控除の控除期間と控除額(2019年10月~2020年12月までに居住開始した場合)

出典:国土交通省「すまい給付金」

13年間の控除を受けられるのは、消費税率10%で住宅を新築または購入して、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に入居した場合です。1年目から10年目までの控除額はこれまでと変わりませんが、11年目からは以下(1)と(2)のうちいずれか少ない方の金額を、所得税の税額から差し引きます。

(1)住宅ローン残高 または 住宅の取得対価(上限4,000万円)のうちいずれか少ない方の金額の1%
(2)建物の取得価格(上限4,000万円)の2%÷3

たとえば、5,000万円で住宅を購入したとき、建物部分が4,000万円、土地部分が1,000万円だったとすると、(2)は4,000万円×2%÷3=約26.6万円になります。もしこの年の年末の住宅ローンの残高が4,000万円ならば(1)は4,000万円×1%=40万円ですが、この年に軽減できる住宅ローン控除額は26.6万円になります。

●所得税で控除しきれないときには住民税も軽減される
住宅ローン控除で軽減できるのは、その年の所得税の税額分までです。かりに住宅ローン控除の控除額は最大限の40万円でも、そもそもの所得税の税額がそれほど大きくなければ、所得税からはその税額分までしか差し引けません。

そんなときには、住民税からも一部を差し引くことができます。前年度の課税所得×7%、または13.65万円まで、所得税で引き切れなかった住宅ローン控除額の分が軽減されます。

図表5住宅ローン控除のしくみ 住民税からも差し引く場合



もし、住宅ローン控除額が40万円で、所得税が30万円だったときには、残りの住宅ローン控除10万円分を住民税から差し引けるのです。

なお住民税は、前年の所得に対して課税されます。2019年の所得に対して課税される住民税は2020年に納税します。2019年の所得税で住宅ローン控除を適用して控除額が余ったら、2020年に納める住民税から差し引かれます。

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■住宅ローン控除の要件

住宅ローン控除を受けるには、所得税の軽減を受ける人と、対象になる住宅などに対して要件があります。

●新築の場合
まず、新築住宅に住む人は、新築または購入した日から6カ月以内に住み始め、住宅ローン控除の適用を受ける年の12月31日まで住み続けることが要件です。また、住宅ローン控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であることも要件です。

図表6 住宅ローン控除のおもな要件(新築の場合)

出典:国税庁「No.1213住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」より筆者作成
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm

住宅は、床面積が50平方メートル以上で自宅用のものが対象です。自宅と事務所を併用している場合などは、床面積の1/2以上の部分が住居用であることとされています。また、セカンドハウスを持っている場合も、住宅ローン控除を受けられるのは1つのみです。メインで住んでいる自宅のみが対象になります。

床面積が50平方メートル以上であるかどうかは、登記簿上の面積で判断します。マンションの場合は階段や通路などの共有部分を除く専有部分のみで判断します。バルコニーは共有部分のため含みません。またマンションの専有面積は、登記簿上には「内法(うちのり)面積」といって、壁の内側の部分の面積が記載されています。住宅ローン控除の要件を満たすかどうかは、この内法面積で判断します。

なお、マンションの販売時のチラシやパンフレットなどには、おもに建築基準法にもとづいた「壁芯(へきしん)面積」が記載されています。壁の厚みを含めて計測するため、実際に居住する空間よりも広く表記されます。これで50平方メートル以上であっても、内法面積が50平方メートル未満であれば住宅ローン控除は受けられません。

また、住宅ローンの借り方でも要件があります。借入期間が10年以上あることが必要です。短期間の借り入れでは住宅ローン控除を受けられません。当初は10年以上の借入期間であっても、返済が進んで残期間が10年を切ると、その年以降は控除を受けられなくなります。

加えて、住宅ローンは銀行や信用金庫などの金融機関から借り入れるもの、住宅金融支援機構のフラット35や財形住宅融資、会社が従業員向けに貸し付けるものなどが対象です。親族や知人からの個人的な借り入れは対象になりません。

●中古の場合
中古住宅を購入する場合でも、住宅ローン控除は適用できます。新築での要件に加えて、一戸建てなら築20年、マンションなど耐火建築物なら築25年以上であることが必要です。

図表7 住宅ローン控除のおもな要件(中古の場合)
出典:国税庁「No.1214中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」より筆者作成
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1214.htm

耐火建築物には、鉄骨造(軽量鉄骨造を除く)、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などがあたります。耐火建築物でない場合には、所定の耐震基準を満たし、購入前2年以内にその証明を受けているか、購入するまでに耐震改修をして基準を満たすことなどが要件です。

また、生計が同じ親族などから購入したり、贈与でもらったりした住宅は対象外です。

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■リフォームにも住宅ローン控除が使える

住宅ローン控除は、要件を満たせば自宅のリフォームや改修工事をしたときにも適用できます。すでに住んでいる自宅のリフォームをするときはもちろん、中古住宅を購入するときに、先にリフォームや改修工事をしてから住むようなケースも対象になります。

リフォームで住宅ローン控除を適用できるのは、上述の新築の要件に加えて、工事費用が100万円を超える一定規模以上の増築や改築、修繕をするときです。おもに、リビングやキッチン、お風呂やトイレを修繕、改修するケースや、バリアフリー化や省エネ、耐震改修のためのリフォームが対象です。

図表8 住宅ローン控除のおもな要件(リフォームの場合)

出典:国税庁「No.1216増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」より筆者作成
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1216.htm

これらに該当すれば、改修のためにリフォームローンを借りたときにも、住宅ローン控除を適用できます。

また、中古物件を購入してリフォームをしてから住み始めるようなケースでは、購入のための住宅ローンとリフォームのための住宅ローンの両方について、住宅ローン控除を併用できます。

控除額の計算は、中古住宅の購入にかかわるローンと、リフォームのためのローンそれぞれで行います。そして、2つの控除額を合計した金額を、その年の所得税から差し引くことができます。ただし、一般的な住宅なら4,000万円、長期優良住宅などなら5,000万円の限度額の範囲内です。

リフォームは入居前に行っても、入居後に行ってもかまいません。ただ、住宅を購入した後にリフォームを行う場合で、住宅ローン控除の要件を満たさない軽微な修繕程度のときには、入居前に工事をした場合に限って、リフォーム費用を住宅の取得費に含めて控除額を計算できることになっています。軽微な修繕を入居後にした場合には、住宅ローン控除の対象にはなりません。

■住宅ローン控除の手続き方法

住宅ローン控除で所得税の軽減を受けるためには、最初の年に確定申告が必要です。会社員などでいつもは年末調整で納税している人も、住宅ローン控除を受けようとする1年目だけは確定申告しなくては、税が軽減されません。

●1年目は確定申告が必要
確定申告は、おもに以下の書類をそろえて、住所地の税務署に申告します。
(1)確定申告書
住宅ローン控除を反映した税額を計算し、申告するための書類です。税務署や国税庁のホームページから取得して、自分で記入します。

(2)(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
適用を受ける控除額を計算するための書類です。税務署や国税庁のホームページから取得して、自分で記入します。住宅の面積や購入金額、ローンの借入額などを記入します。

(3)住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2か所以上から交付を受けている場合は、その全ての証明書)
住宅ローンの残高証明書です。ローンを借り入れている金融機関に発行してもらいます。多くの金融機関では、毎年10月頃からローンの契約者に発送しています。

(4)土地・建物の登記事項証明書
住宅を新築、購入したときに登記した事項の証明書です。法務局で発行してもらいます。土地、建物それぞれについて、新築または購入した年月日、金額、建物については床面積が50平方メートル以上であることがわかる内容が記載されているものを用意します。

(5)請負契約書の写し・売買契約書の写し
住宅を建築、購入したときに、建築会社や不動産会社と契約した内容がわかる請負契約書や売買契約書のコピーです。新築、購入時に調印した控えが手元にあるはずですので、そのコピーをとりましょう。

(6)本人確認書類
運転免許証やマイナンバーカードなど

(7)耐震基準適合証明書 または 住宅性能評価書の写し(中古の場合)
中古住宅で、築20年(マンションの場合は25年)以上で耐震基準を満たすことを証明する必要がある場合に添付します。不動産会社や建築会社に発行してもらいます。

(8)認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の認定通知書の写し(優良住宅などの場合)
長期優良住宅や低炭素住宅の認定をうけて、住宅ローン控除額を最大50万円としたい場合に必要です。不動産会社や建築会社に発行してもらいます。

(9)源泉徴収票(会社員・公務員の場合)
勤務先から発行されます。

これらの書類をそろえ、年末時点でのローン残高から住宅ローン控除額を計算し、これを給与などの所得に対して計算した所得税額から差し引きます。会社員の場合には毎月の給与を受け取るときにすでに所得税が源泉徴収されていますが、住宅ローン控除を反映することで、1年分として納めるべき所得税が軽減され、税が戻ってきます。これを還付といいます。

確定申告をする際には、還付される税金を入金してもらう銀行口座を指定します。すると、確定申告をした後の3~4月頃に入金されます。

確定申告は電子申告もできます。国税庁のホームページで必要事項を入力して申告書を作ったり、住宅ローン控除の適用に必要な書類をPDFでアップロードして提出したりすることもできます。

もし自分で計算や記入が難しいときには、税務署で相談するか、税理士に代行を依頼することもできます。毎年2~3月の確定申告の時期になると、各地の税務署では相談コーナーや申告書作成コーナーを設置します。税の申告に関わる相談や質問にも対応してもらえますよ。

●2年目以降は年末調整でも住宅ローン控除を受けられる
住宅ローン控除は最長10年間にわたって適用できます。2年目以後の分は、必要事項を記載した確定申告書に、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書やローンの年末残高等証明書を添付すればよいことになっています。必要書類が大幅に少なくなるので、確定申告の手間は少なくなります。

また、会社員や公務員など給与所得者は、2年目以後の住宅ローン控除は年末調整で適用できます。1年目に確定申告をすると、2年目には税務署から「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」と「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が送られてきます。

これを、金融機関から発行される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」と一緒に勤務先に提出すると、年末調整で住宅ローン控除を反映してくれます。

住宅ローン控除は、さまざまな所得税の軽減措置の中でも税の軽減効果が大きいものです。消費増税によって毎日の家計には負担が増したことで、適用できる期間が長くなりましたし、マイホームを新築、購入したときにはぜひ上手に活用したいものですね。

とはいえ、住宅は大きな買い物です。住宅ローン控除で軽減できる税額だけでなく、長期間にわたるローンをきちんと返済していけるか、毎月の家計収支に影響はないか、返済しながら教育や老後などほかのお金を工面できるかなど、総合的に検討したうえで新築や購入を決めることが大切です。ファイナンシャル・プランナー(FP)は、中長期的なライフプランを考慮しながら住宅の購入に関わるアドバイスをしてくれるでしょう。

※本ページに記載されている情報は2019年8月31日時点のものです。

【参考文献】
国税庁「No.1213住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm
国税庁「No.1214中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1214.htm
国税庁「No.1216増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1216.htm
国税庁「新たに取得する中古住宅に増改築を行う場合」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213_qa.htm#q10
国税庁「イメージデータで提出可能な添付書類(所得税確定申告等)」
http://www.e-tax.nta.go.jp/tetsuzuki/imagedata/shinkoku01.pdf

加藤 梨里(かとう りり)

マネーステップオフィス株式会社

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー マネーステップオフィス株式会社代表取締役 保険会社、信託銀行、ファイナンシャル・プランナー会社を経て独立。 専門は保険、ライフプラン、節約、健康経営など。マネーに関する記事のほか、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方や企業向け健康経営など健康とお金に関する執筆実績が豊富。