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住宅ローン金利は固定と変動どっちがいい?FPと考える住宅購入

住宅ローンを選ぶ際には、変動金利か固定金利かを迷う人が多いもの。どちらを選ぶかによって、毎月の返済額も完済までの総返済額にも関わります。変動金利の方が低いので有利?固定金利は金利が変わらないので安全?どのように金利を選べばよいか解説します。

目次

住宅ローンの金利の種類

住宅ローンの金利には3種類あります。市中の金利変動に合わせて金利水準が変わる「変動金利」、借入時から返済完了までにわたって金利水準が一定の「全期間固定金利」、両方をミックスした「固定金利期間選択型」です。

それぞれの特徴を知っておきましょう。

(1)変動金利タイプ
変動金利タイプは、借入後に半年ごとに金利水準が見直されて変動するタイプの金利です。

図表01 変動金利のイメージ

図表01 変動金利のイメージ

銀行が、業績や財務状況が良好な企業に資金を貸し出す際の金利を「プライムレート」といいますが、住宅ローンの変動金利はこのうち、1年以内の貸し出しで採用する「短期プライムレート」を基準にして決まります。

一般的には短期プライムレート+1%を、住宅ローンの変動金利に採用している銀行が多いのですが、なかには独自のルールで上乗せ部分を設定している金融機関もあります。

短期プライムレートは、資金を借りたい人と貸したい人の需給バランスや経済状況に応じて常に変動しています。このため、住宅ローンの変動金利も合わせて半年ごとに見直されるしくみになっています。

金利が見直されると、返済額のうち利息をいくら支払うかも変わります。したがって、変動金利で住宅ローンを借り入れると、借り入れ直後の毎月の返済額はわかりますが、完済までの間に毎月の返済額が変わることがあります。また、完済までに支払う利息の総額も変わります。つまり、借りてから返し終わるまでに全部でいくら支払うことになるのか、返済総額をあらかじめ知ることはできません。

●変動金利の金利上昇時には、返済額は5年間変わらない、変わっても125%まで
ただ、住宅ローンの借入額は数千万円規模のことがほとんどで、個人が借り入れるには高額です。借入金利が大幅に上がって、毎月の返済額が高額になると大きな負担になってしまいます。

そこで多くの金融機関では、元利均等返済という返済方法の場合には、金利が変動した際も5年間は毎月の返済額が変わらないようになっています。これは「5年ルール」とも呼ばれています。5年を経過すると、金利の変動に合わせて毎月の返済額を見直します。ただしこのときにも、元の返済額の125%までを上限とする「125%ルール」を採用しているところが多いようです。

しかしながら、5年ルールや125%ルールがあっても、変動した金利に相当する利息を払わなくてよいわけではありません。借り入れから半年後に金利が上がれば、利息そのものは見直されています。そして返済額の範囲内で、利息額が変更されます。

たとえばそれまでは返済額10万円のうち元金返済部分が9万円、利息部分が1万円だったものが、金利が上がって利息が2万円になると、返済額10万円は変わらないものの、そのうち元金返済部分が8万円になります。

ですから、金利が短期間で大幅に上がれば、毎月返済をしていても利息部分ばかりを支払っていて、元金の返済が進まないこともあります。また、もしも金利が大幅に上がって利息の金額が返済額以上になってしまったら、未払利息として残ります。5年後に返済額を再計算するさいには、未払い利息を含めて毎月の返済額が決まるしくみになっています。

このように金利変動によって利息の負担が変わるリスクがあることから、変動金利タイプの住宅ローンは、同じタイミング・条件で借り入れるなら固定金利に比べて金利水準が低い傾向があります。

(2)全期間固定金利タイプ
住宅ローンの借り入れから返済終了まで、ずっと同じ金利水準が続くのが全期間固定金利タイプです。単純に「固定金利」と呼ばれることもあります。

金融機関によって異なりますが、一般的には10年満期の国債の利回り(長期金利)を基準に決められています。住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して取り扱っている「フラット35」も、全期間固定金利タイプのひとつです。

図表02全期間固定金利タイプのイメージ

図表02全期間固定金利タイプのイメージ

新規に借り入れるときの金利水準は、この基準をもとに変動するため、どのタイミングで借り入れるかによって借入金利は異なりますが、一度ローンの契約をすれば、借り入れに適用される金利水準が変わることはありません。

したがって、借り入れ当初の時点で完済までに支払うべき利息の金額が決まりますので、元金と合わせて全部でいくら返済すればよいのか、返済総額も決まります。3つの金利タイプのなかで、もっとも返済計画を立てやすいといえます。

このため、同じタイミングで比較すると3種類の金利タイプの中で金利水準は最も高くなる場合が多いです。

(3)固定金利期間選択タイプ
全期間固定金利と変動金利の両方の特徴を併せ持ったのが、固定金利期間選択タイプです。「当初固定金利」「固定特約」と呼ばれることもあります。

変動金利に期間限定の固定金利を特約で付加するしくみで、借入当初は3年、5年、10年など一定期間の固定金利で借りて、その期間が過ぎると、再度一定期間の固定金利を続けるか、変動金利に変えるかを選ぶことができます。

金利水準は変動金利に近い水準が採用されていることが多いようです。また、固定期間が短いほど金利水準が低く、長いほど水準が高い傾向があります。固定期間が終了したときには、その時点の金利水準で、変動金利を選べば変動金利の金利が、固定金利を選べば一定期間の固定金利が改めて適用されます。

図表03固定金利期間選択タイプのイメージ

図表03固定金利期間選択タイプのイメージ

変動金利と固定金利のメリットとデメリット

これらの金利タイプの特徴をメリットとデメリットでまとめたものが図表04です。

変動金利タイプは、借入金利がほかの金利タイプに比べて低い水準であることのほか、基準になる金利が低下局面になれば、借り入れている適用金利も合わせて下がる可能性があることがメリットです。

また金融機関によって条件が異なりますが、借り入れ後にはいつでも固定金利(期間選択型)へ変更できるものもあります。

反面、完済までに負担する利息や、返済すべき金額の総額があらかじめ決まらないことはデメリットです。基準になる金利の上昇局面では合わせて借入金利も上昇し、利息や返済総額が増えてしまう恐れがあります。5%ルールや125%ルールがあっても、利息の負担が過大になるリスクがあります。

全期間固定金利タイプは借入金利がずっと変わらないので、返済額も完済まで変わらず、返済計画が立てやすいのがメリットです。

反面でデメリットは、他の2つのタイプと比べると借入時の金利水準が高めなこと、世の中の金利が低下局面になっても借入金利は下がらないこと、一度借り入れると金利タイプの変更が自由にできないことが挙げられます。もし、借り入れているよりも低い金利に変更したい場合には、借入先の金融機関に交渉するか、他の金融機関へ借り換えしなければなりません。

固定金利期間選択タイプのメリットは、借入時の金利が全期間固定金利タイプと比べて低いこと、固定期間中は金利水準が変わらないので、毎月の返済額も変わらず、返済計画を立てやすいことがあります。

反面、固定期間終了時にはその時点での変動金利か一定期間の固定金利の水準に見直されるため、借り入れている全期間での利息額や返済総額を見通すことはできません。また、固定期間中は変動金利に変更することができないのもデメリットです。

図表04:金利タイプのメリットとデメリット

図表04:金利タイプのメリットとデメリット

変動金利と固定金利のどちらが人気?

では、実際に住宅ローンを借りている人は、変動金利と固定金利のどちらを選んでいるのでしょうか?

住宅金融支援機構の調査(2018年)によると、変動金利タイプを選んだ人は60.3%、固定金利期間選択タイプを選んだ人は25.1%、全期間固定金利タイプを選んだ人は14.6%です。変動金利を選んでいる人が6割以上いることがわかります。特にこの数年では、全期間固定金利タイプは減少傾向のようです。

近年はマイナス金利政策によって金利水準が低いため、いずれの金利タイプでも過去に比べれば低い水準が続いていますが、中でも変動金利は最も水準が低いことから、住宅ローンを借りたい人にとって選びやすいのかもしれません。

図表05住宅ローン利用者が利用した金利タイプ

図表05住宅ローン利用者が利用した金利タイプ

出典:住宅金融支援機構 2018年度民間住宅ローン利用者の実態調査
https://www.jhf.go.jp/files/400350237.pdf

●現在の金利はどれくらい?優遇金利にも注目
実際に適用される住宅ローンの金利は金融機関によって異なりますが、2019年8月現在の適用金利(新規借り入れの場合)は変動金利で0.4~0.8%台、固定金利期間選択で0.4~1.4%台(固定期間の長さによっても異なります)、全期間固定金利で1.1~1.6%台が目安です。

これは、銀行の窓口などに表示されている「店頭金利」とは異なることが多いです。ほとんどの金融機関は、店頭の基準金利から「優遇金利」を差し引いてローンを貸し出しています。たとえば「基準金利2.4%・優遇金利1.4%」であれば、適用される借り入れ金利は1.0%になります。

優遇金利には、おもに「全期間優遇」と「当初(一定期間)優遇」の2種類があります。全期間優遇は返済完了時までずっと優遇条件が続きます。当初(一定期間)優遇は、「当初3年間1.5%優遇、3年経過後は0.5%優遇」のように、一定の期間のみ優遇金利が適用されたり、優遇金利の条件が途中で変わったりするものです。

金利の優遇は、変動金利でも固定金利でも適用されることが多いですが、当初優遇は固定金利期間選択タイプに多くみられるなど、金利のタイプによってどんな優遇を受けられるかは異なります。一般的には変動金利タイプの優遇幅が最も大きく、全期間固定金利タイプの優遇幅が最も小さい傾向があります。

また、優遇幅や適用条件は金融機関によって異なります。優遇を受けられるかどうかは審査によって変わることもありますから、優遇の条件も考慮しながら金利選びの参考にするとよいでしょう。

変動金利に向いている人、固定金利に向いている人

ただ、ローンの金利動向の先行きを見通すことは難しく、優遇金利を考慮しても、将来にわたってどの金利タイプを選ぶのが有利かを一概に判断することはできません。なにより、住宅ローンを選ぶときには金利の低さだけではなく、それぞれの金利のもつリスクに合わせて、自分がどのように返済していけるかを、ライフプランとも照らし合わせて検討することが大切です。

そこで、たとえば次のような点に注目して検討してはいかがでしょうか。

●借入額が少ない、繰り上げ返済を積極的にできそうなら、変動金利タイプのリスクに対応できそう
借入期間中に適用金利が見直される変動金利は、毎月の返済額や利息の額、総返済額が変わるリスクがあります。金利が低下していく局面ではそれほど問題ではありませんが、現在のように超低金利局面で借り入れると、今後金利が上昇したときのことを考慮しておくことが大切です。

変動金利の住宅ローンの適用金利は毎月見直されています。借り入れるローンには半年ごとに適用されますが、短期的には少しずつ上がったり下がったりするため、今が上昇局面なのか、低下局面なのかをそのときに判断するのは難しいものです。金利が上がったら固定金利に変更しようと思っていても、実際にはなかなか判断しづらいのが現実です。

そんなとき、もしも金利が上昇して返済額が上がっても、借入額が少ないケースや借入期間が短いケースなら、急激な金利上昇でなければ負担する利息額はそれほど大きく増えません。短期間で返せる程度の借り入れ額ならば、変動金利を選んでもそれほどリスクに影響されずに返済できるかもしれません。

あるいは、貯蓄が十分にあって計画的に繰り上げ返済をできれば、借入額の残債を減らしたり、返済期間を短くしたりできます。無理な繰り上げ返済は禁物ですが、金利上昇によるリスクを抑えることができるでしょう。

●返済額をあらかじめ確定させたいなら、全期間固定金利タイプが安心
全期間固定金利タイプは、借り入れる時点で毎月の返済額はもちろん、将来にわたって返済する総額や利息額が決まります。同じ時期に借り入れるほかの金利タイプに比べて金利水準は高めになる傾向がありますが、住宅ローンの返済計画を明確に立てたいときに安心でしょう。

たとえば、子どもの教育費にお金がかかりそう、収入に変動があり安定しないなど、住宅ローン以外の面で出費が不透明なときには、住宅ローンの返済に左右されずにお金の計画を立てられるようにしておくとよいのではないでしょうか。また、老後など将来のために計画的に貯蓄をしておきたいときに、住宅ローンにかかる出費の見込みがつけば、毎年いくら貯蓄をできるか検討しやすいかもしれません。

●5~10年など中期の返済の見通しをつけるなら、固定金利期間選択タイプが便利
固定金利期間選択型の住宅ローンは、3年や5年、または10年や20年など、限定した期間の金利水準は変わりません。たとえばこの期間に子どもの進学があるなどで、住宅ローンの返済額が変わるリスクをとりたくないときには、その時期に合わせて住宅ローンの固定期間を設定するような使い方ができます。

一定期間は金利が変わるリスクをとらずに、かつ全期間固定金利タイプよりは低い金利水準で借り入れることができます。固定期間が長いほど借入金利は高めになる傾向があるので、いつまでを固定金利にしたいのか、できるだけライフプランを明確にして検討したいところです。

固定期間終了後には、再度固定金利にするか、変動金利にするかを検討することになりますが、その際にはその時点での金利水準に見直されます。固定期間が終わった後のことも意識して返済すると安心です。固定金利期間の間にゆとりがあれば、繰り上げ返済を進めて金利変動リスクに備えておくなども有効かもしれません。

いずれの金利タイプでも、住宅ローンの返済は中長期的にきちんと返済できるかどうかが大切です。住宅のことだけでなく、毎月の家計の収支や教育、老後、介護など、ライフプラン全体でのお金の流れを考慮しながら検討しましょう。ファイナンシャル・プランナー(FP)は、これらのお金について総合的な観点で検証し、ご自身に合った住宅ローン選びのサポートをしています。

借り入れる前に、一度FPに相談してみると、より納得のいく住宅ローンを選べるのではないでしょうか。

※本ページに記載されている情報は2019年8月20日時点のものです

【参考文献】
■住宅金融支援機構 2018年度民間住宅ローン利用者の実態調査
https://www.jhf.go.jp/files/400350237.pdf

加藤梨里

マネーステップオフィス株式会社

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー マネーステップオフィス株式会社代表取締役 保険会社、信託銀行、ファイナンシャル・プランナー会社を経て独立。 専門は保険、ライフプラン、節約、健康経営など。マネーに関する記事のほか、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方や企業向け健康経営など健康とお金に関する執筆実績が豊富。