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同棲カップルの生活費 将来を見据えた管理法をFPが教えます!

付き合っている彼・彼女と同棲したいと思いながら、生活費の分担や、金銭感覚の違いなどで喧嘩になるのを心配する人は多いようです。しかし将来的に結婚することになれば、否応なく二人分の家計管理が必要です。同棲中に二人のお金のルールを決めておきましょう。

目次

生活費として必要な費目を知っておく

新たな生活を始めるときには、生活費のことを考える必要がありますね。これまで一人暮らしをしている人には知っているのが当たり前のことでも、一人暮らし未経験者には、生活費がどれぐらい必要なのか、どんなものにお金が必要かなどということは案外わからないものです。いままで実家で暮らしていた人は、いきなり同棲を始める前に、生活費として必要な費目や金額の相場を知っておきましょう。

・生活費の内容
生活費として必要となる費目には次のようなものがあります。もちろん、細かく分けるともっと多くの費目になりますが、実家暮らしの人はいま自分が使っているお金と比べてみましょう。

おそらく、実家暮らしの人の多くは、これらの全部をいま自分自身で払っていないはず。家賃代わりに毎月一定額を親に渡しているという人もいるとは思いますが、家賃や光熱費、水道代、新聞代などを合わせた金額には満たないかもしれませんね。

・二人の生活費の相場
次に、これらの金額がいくらぐらい必要なのかを知りたいところですが、実は生活費としてかかる金額は人それぞれ。地域の物価や、生活者の嗜好・考え方によっても異なります。あくまでも参考として、総務省の「家計調査(2018年)」で二人暮らし世帯の消費支出の平均額を項目別に見てみましょう。

※注:「家計調査」では洗剤などの日用消耗品は「家具・家事用品」に分類されているため、必ず必要なものの費目中に「家具・家事用品」の平均額を記載。

今回参考にした家計調査のデータでは、「世帯人員二人」というだけで、男女の同棲に限られているわけではありません。また、世帯主が「60歳未満」の勤労者世帯の平均ですから、年代を絞ってみれば金額が異なる可能性はあります。

また、「住居費」は賃貸・持ち家に関係なく、対象となるすべての人の平均です。社宅暮らしや勤務先の家賃補助などがある人も含まれています。地域や物件によっても家賃相場の幅は広いですが、二人暮らしの家賃相場が3万円弱というのは一般的には考えにくいことです。同棲を機に賃貸物件を借りようと考える人は、数万円程度上乗せして生活費を検討するようにしましょう。

それでも、毎月必ず必要な生活費として、13万円+αの金額を見積もっておかなければならないことがわかります。なかには手取り給料とそんなに変わらない……と呆然とされた人もいるかもしれませんね。

ところが、後述しますが、同棲では一人でこれらの金額を負担するわけではないのが通常です。二人にかかるお金を、二人で共同して負担する――これが同棲生活のいいところではないでしょうか。

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同棲生活は一人暮らしより割安になる?

では次に、一人暮らしの生活費がどのくらいか見てみましょう。同じく総務省の「家計調査(2018年)」から、単身世帯の生活費の状況を男女別にまとめたのが次の表です。

※注:「家計調査」では洗剤などの日用消耗品は「家具・家事用品」に分類されているため、必ず必要なものの費目中に「家具・家事用品」の平均額を記載。


先に見た二人以上世帯との比較をしやすいように、単身世帯でも60歳未満の勤労者世帯の平均支出額を記載しています。毎月必ず必要な生活費として、男性では約10万2,000円、女性では約8万4,000円に家賃をプラスα加えたものがかかっている計算になります。二人暮らしの平均生活費に比べると、3万円~5万円程度少ないことがわかりますね。

では、仮に、この男女が同棲し、二人暮らしをする場合、生活費がどのように変わるか見てみましょう。

ほとんどの費目で支出額が少なくなっていることがわかりますね。一人暮らしをしていた二人が同棲をすることで、生活費合計で約7万5,000円、毎月必ず必要な費目でも約5万4,000円の節約に繋がると考えていいでしょう。今まで実家暮らしで初めて家を出て生活するという人も、一人暮らしをするよりは負担は少なくて済みそうだと考えていいのではないでしょうか。

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同棲カップルの家計分担は? 管理は誰がする?

生活費の相場がわかって安心した人は、同棲を前向きに考えられそうですね。しかしながら、ここで気になるのが「どう分担するか?」ということではないでしょうか。結婚している夫婦でもそうですが、よくある喧嘩の原因がお金のことです。せっかく一緒に住み始めたのにお金のことで喧嘩になって同棲解消……なんてことにならないように対策を取っておきたいですね。

まずは先に見た生活費として必要な項目のうち、二人が共同して分担すべき費目をピックアップしてみましょう。多くの場合は結婚前の共同生活として、好き合う二人が一緒に住むことになりますが、同棲はあくまで結婚とは別です。自分のための消費は各自で支払い、二人が共同で利用する住居や電気・水道代などの共用費目を分担するのが通常です。先に見た生活費のなかで分担すべき費目を赤字で示しました。

駐車場代や交通費、レジャー代などは、あくまで二人で共同で車を利用したり、お出かけする場合。それぞれ友人や家族と出かけるようなときには各自で支払うと心がけておきましょう。

生活費の分担の方法に絶対という決まりはありませんが、それぞれのカップルに合った方法で、二人のルール作りをしておきましょう。たとえば次のような分担方法が考えられます。


・費目ごとに担当を決めて分担
住居費、水道・光熱費、食費など、費目ごとにどちらが払うか分担を決めておく方法があります。お互い自分の担当分をきちんと払うように決めておけば、家計の管理が難しくならずに済みそうです。ただし、多くの場合は家賃を担当する方の負担が大きくなるため、もう一方はその他の負担をするなど、どちらか一方に負担が偏りすぎないように工夫するのが揉めにくくするコツです。


・共用財布を作ってそれぞれ一定額を入れる
生活費用の共用の財布または口座をつくり、お互いが毎月決まった金額を入れていく方法です。家賃や水道・光熱費、食費などの生活費はすべてそこから支払う方法です。家計の管理がしやすいメリットがあります。入れる金額は折半でもいいですし、収入に合わせて差をつけても構いません。

しかし、この方法で気をつけたいのは、共用財布の中身を赤字にしないこと。もしも不足することになれば、それぞれが追加で負担する、もしくは一方が追加で負担することになります。多くの場合は、キャッシュカードや財布を管理している方が不足に気づいて追加で出すことになるようです。一度や二度なら許せても、それがずっと続くと喧嘩になることもありますから気をつけておきたいですね。

また、携帯代や医療費など、各人が払うべき費目を共用財布から支出するのは喧嘩の元です。それぞれが責任を持って支払いましょう。


・ひと月交代で支払を分担する
家賃や水道・光熱費など、二人共用の固定費は1カ月ずつ交代で支払う方法もあります。その都度折半にする面倒もなく、また費目を分担することによる金額の不公平感がないなどのメリットがあります。この方法で気をつけたいのは自分の担当月を忘れないようにすることです。

交代で払うということは、毎月払うわけではない、不定期の支払になります。お互い仕事をしていて忙しくしているとうっかり忘れてしまうこともあるものです。以前ご相談を受けた方のなかには、相手が支払う月だったので払っているだろうと思っていたら、督促状が届いてビックリ。管理のルーズさに喧嘩になってしまった……という方もいましたから注意したいですね。

ほかにも支払いの都度、折半にする方法もありますが、お金のやりとりを煩雑に感じることもあります。たとえば、家賃の支払い日前に半分を相手に請求したくても、タイミングが合わずにもう一方が立替えざるを得ないというケースなど。立替えせずに済んでいたら、その分を貯金に回せていたのに……なんて不満が発生しないとも限りません。

お互いの給料日はもちろん、共用で支払う家賃や公共料金の支払い日、各自で支払うカードの引き落とし日等々、あらゆる収支のタイミングを考えながらやりくりをするように、お互いに不満が発生しないように分担方法を決めるようにしてください。


・分担方法以上に大切なのはお金の使い方!
生活費の分担ルールをきちんと定めることは同棲暮らしを円滑に行うために大切なことです。しかし、お金の面で考えると、それ以上に大切なことがあると筆者は考えます。

同棲に限らず、これまで多くのカップルを見てきて常に感じることは「お金に対する価値観」の大切さ。価値観が近いほどお金の揉め事は少ないように感じます。ここで言うお金に対する価値観とは、「お金の使い方」に対する考え方のこと。

たとえば、一方はティーバッグから煮出した麦茶を冷蔵庫で冷やして飲むようにすれば家計の節約に繋がると考えているのに対し、もう一方は大して高いものではないからペットボトルの麦茶を買えばいいと考えているようなケースがあります。

筆者がこれまで接したカップルを見る限りで言うと、このような場合でも、お互いにきちんとその理由を話し合って、お互いに納得できる答えを見つけるような歩み寄りができるカップルはその後の家計管理が上手くいく傾向にあります。そうでないカップルは、残念ながら逆のパターンに陥る傾向があるようです。

特に共用財布を利用している場合、お互いの考え方が違っていると、思った以上にお金が減っているようなときに相手への不信感を感じやすくなります。ざっくりでもいいので家計簿をつけて、何にいくらお金を使ったかを確認できるようにしておくと良いでしょう。


・お互いを尊重する気配りを忘れずに
支出の状況を確認できるようにすれば円滑になるとは限らないのが共同生活の悩ましいところで、多くの人から相手に対する不満を聞くことがよくあります。

たとえば、「値段を良く見比べないで買うから出費が多い」「冷蔵庫にまだあるものを買ってきてムダなことをした」「(割引クーポンを利用するため)昨日買い物を頼んだのに、今日になったらクーポンが使えなかった。昨日行ってと言ったのに」、etc……。恥ずかしながら筆者もパートナーのお金の使い方に対して不満を感じ、同じような文句を言っていた一人です。

しかしよく考えてみると、こちらが忙しい事情をわかってサポートしてくれている行為に対し、文句を言うのは自分の価値観を押しつけるだけで、相手を尊重していないと言えるかもしれません。仮に買い物サービスをしてくれる業者があるとして、こちらが求めるままに節約志向で買い物をしてくれるとしても、その業者に対してはサービス料を支払うのが通常です。それを思うとトータルの支出の額の損得は判断できません。

許容範囲の支出増ならまずは相手のサポートを尊重し、二人の価値観を近づけることができるようしっかり話し合いをするなどの歩み寄りに努めましょう。

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結婚への近道は同棲生活のお金の管理

厚生労働白書(2013年版)のなかで若者の結婚に対する意識に関する調査データがあります。そのなかで、結婚するのに「適当な相手」がいるにもかかわらず、結婚できない障害となっているものは何かという調べに対し、男女ともに4割程度と最も多くの人が回答しているのが「結婚資金」です。5年ごとに行っている当調査、どの回においても他の理由より突出して挙げられています。

生活費や家事を分担し合う同棲は、それぞれに一人暮らしをするよりは、金銭的にはメリットがあることがおわかりいただけたと思います。将来的に結婚のことも考えて同棲している二人なら、このメリットを上手く利用して浮いたお金を結婚資金として貯金していくことで結婚への障壁が低くなるのではないでしょうか。

共用の費目だけの分割でも、結婚すればお互いの収入はもちろん、家計全体を二人で共有することになります。筆者も家計管理のアドバイスをするときには、お金の使い方や節約への考え方、将来に向けた貯金など、すべてを二人で話し合い、資産を築いていくことを常にお伝えしています。同棲はまだ結婚をしているわけではないものの、結婚に向けての予行演習の期間。同棲中から協力し合って二人の資産を築いていきたいものです。

結婚に向けて資産を築いていくためには二人の目的を同じにし、繰り返しになりますが、お金の使い方や節約について考え方を近づける工夫をすることがなにより大切なことです。


※本ページに記載されている情報は2019年7月7日時点のものです


【参考文献】
厚生労働省:厚生労働白書/2013年
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/13/dl/1-02-2.pdf

ほか

續 恵美子

生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。 エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/)