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2000万円貯金する方法をFPが教えます!

「老後資金が2000万円不足する」との報告が話題になりましたね。2000万円という大きな金額を貯金できている人の割合はどれくらい?どうすれば2000万円を貯めることができるの?この記事では、その貯め方を運用方法も交えてFPが教えます!

目次

2000万円貯金できている人って、どれくらいいるのでしょうか?

2019年6月、金融審議会の市場ワーキンググループが発表した報告書(以下、報告書)の中に、「老後資金が約2,000万円不足する」という趣旨の内容が含まれていたことから、世間は大騒ぎになりました。2,000万円という金額は、そう簡単に貯められる金額ではありません。
実際に2,000万円貯めることができている人は、どれくらいいるのでしょうか。

総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)2018年第8-30表 各種世帯属性、貯蓄現在高、貯蓄・負債現在高の差額階級別世帯分布によると、2人以上世帯の貯蓄額は、以下のようになっています。

 

・500万円以下:32.68%
 ・500~1,000万円:18.74%
 ・1,000~2,000万円:20.53%
 ・2,000万円以上:28.05%

上記のように、貯蓄額が2,000万円以上ある世帯は全体の4分の1以上を占める割合であることが分かりました。

では、どのような人が2,000万円貯めることができているのか、年齢別の貯蓄額を確認しましょう。

総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)2018年第8-5表 世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高によると、2人以上世帯のうち勤労者世帯年齢別の平均貯蓄額は以下の通りです。

・29歳以下:390万円
・30歳代:628万円
・40歳代:983万円
・50歳代:1,676万円
と、現役世代では、2,000万円には届いていません。

・60歳代:2,074万円
・70歳以上:1,840万円
60歳代でようやく2,000万円の壁を超える結果となっています。

次に収入別の貯蓄額を確認しましょう。




総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)2018年第8-2表 年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高によると、2人以上世帯のうち勤労者世帯収入別の平均貯蓄額は以下の通りです。(一部抜粋)

・年収300~350万円:697万円
・年収500~550万円:918万円
・年収700~750万円:1,295万円
・年収900~1,000万円:1,601万円
・年収1,000~1,250万円:1,973万円
・年収1,250~1,500万円:2,458万円
・年収1,500万円以上:3,693万円
年収が約1,000万円以上になると、ほとんどの貯蓄額の平均額は2,000万円を超えてきます。

上記3つの調査結果をご覧になり、
・4分の1以上の世帯が2,000万円も貯めているのか!
・50歳代の貯蓄額が急激に増えているということは、教育費のピークが過ぎれば貯蓄額を増やせるのかな?
・自分の貯蓄額は、平均よりずいぶん少ないけれど、老後のお金は足りるのか心配!
など、様々な感想を持たれたことでしょう。

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そもそも、老後資金が2,000万円不足するというのは本当なのでしょうか?

老後資金が2000万円不足する?

「老後資金が約2,000万円不足する」という報告書の数字は、どのような根拠で出されたものなのでしょうか。
報告書では、家計調査報告(家計収支編)2017年のデータが使用されています。

総務省家計調査報告(家計収支編)2017年平均結果の概要によると、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯の家計の収支は以下の通りです。(100円未満四捨五入)

【収入】
年金収入191,900円とその他の収入17,300円を合わせ、実収入は209,200円
【支出】
一方、支出は、食費や住居費などの消費支出235,500円と税金や社会保険料などの非消費支出28,200円を合わせ263,700円
【不足分】
実収入209,200円から、支出263,700円を差し引いた分の54,500円が月々不足していることが分かります。

つまり、「1ヵ月の不足額が約5万円ということは、1年間の不足額は約60万円。その後の人生20~30年分の不足額は1,300~2,000万円になりますよ」 という計算のもとに発表されたものでした。

最新のデータを使って、もう少し詳しく試算してみましょう。


○前提
夫:現在65歳無職・65歳の平均余命85歳まで20年間生存するとして試算
妻:現在62歳無職・62歳の平均余命89歳まで27年間生存するとして試算
収支は、総務省家計調査報告(家計収支編)2018年平均結果の概要データを使用します

◇夫婦2人の期間
【収入】
年金収入203,800円とその他の収入19,000円を合わせ、実収入は222,800円
【支出】
一方、支出は、食費や住居費などの消費支出235,600円と税金や社会保険料などの非消費支出29,000円を合わせ264,600円
【不足分】
実収入222,800円から、支出264,600円を差し引いた分の41,800円が月々不足していることが分かります。


◇妻1人の期間
【収入】
年金収入115,000円とその他の収入8,300円を合わせ、実収入は123,300円
【支出】
一方、支出は、食費や住居費などの消費支出149,600円と税金や社会保険料などの非消費支出12,400円を合わせ162,000円
【不足分】
実収入123,300円から、支出162,000円を差し引いた分の38,700円が月々不足していることが分かります。


夫、妻、それぞれ平均余命まで長生きした場合に必要な資金は

夫婦2人の期間の不足額が、41,800円×12ヵ月×20年=約1,003万円
妻1人の期間の不足額が、38,700円×12ヵ月×7年=約325万円

トータルで約1,328万円というシミュレーション結果となりました。

2,000万円不足すると言われているのに、随分違いますね。その理由は大きく2つあります。

1つは、2018年調査結果の家計収支不足額が2017年調査結果のものより約13,000円減っていることが挙げられます。これにより、夫婦2人の期間で312万円(13,000円×12か月×20年)、妻1人の期間で約109万円、合計で約421万円違いが生じています。

2つめは、何歳まで長生きするかの前提条件が違っているからです。高齢社会が加速し、人生100年時代ともいわれる昨今、夫婦ともに100歳まで生存するとして計算すると、

夫婦2人の期間の不足額が、41,800円×12ヵ月×35年=約1,756万円
妻1人の期間の不足額が、38,700円×12ヵ月×3年=約139万円

トータル約1,895万円が必要ということになります。この結果をみると、老後までに2,000万円貯めておいたほうがよいと思う人は増えるかもしれませんね。

使用するデータやリタイア後の生存年数などにより、老後に必要と言われる金額が異なることがお分かりいただけましたでしょうか。

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あなたがリタイアまでに貯めなければいけない金額はいくら?

調査書の「不足額2,000万円」のあとに、「平均値から試算したものであり、それぞれの家庭の収支の状態やライフスタイルによって大きく異なる」旨の記載があります。同じ金額の年金を受給しても、どのような暮らし方をするのかにより、不足する金額は大きく異なってきます。また、平均値と言っても、どのデータを使用するかによって結果が異なることは、先ほど確認しましたね。

「老後資金は○○○○万円必要」「○○歳までに○○○○万円貯めよう!」という数字にとらわれず、「私」にはいくら必要なのかを把握して、粛々と準備をすることが大切です。

・「私」のリタイア後の生活に必要な金額を計算しよう!
(1)基本生活費
毎月いくらくらいかかりそうか、リタイア後の生活を想像しながら決めましょう。一般的には現役時より2割程度少なくなる人が多いようです。
(2)お楽しみ費
旅行や趣味、お孫さんにかける費用など、生活費以外の金額を想定しましょう。
(3)予備資金
リタイア時点での住宅ローン残債、介護費用、家のリフォーム、自動車の買替費用など、比較的大きな支出を見込みましょう。


--- (例)Aさんご夫妻で試算してみましょう ---
夫:65歳でリタイア予定・85歳まで生存するとして試算します
妻:夫より3歳年下・90歳まで生存するとして試算します

(1)基本生活費
現在35万円なので15%下げて、月30万円とします
30万円×12ヵ月×28年=10,080万円
(2)お楽しみ費
年間50万円
50万円×28年=1,400万円
(3)予備資金
1,000万円

合計:1億2,480万円
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なんと、リタイア後の生活に必要な金額は1億円を超えました!
しかし、焦らなくても大丈夫です。公的年金や退職金など、リタイア後に入ってくるお金や、いまからコツコツ準備しているお金があるはずです。


・「私」のリタイア後に入ってくる金額を計算しよう!
(4)老齢基礎年金
日本年金機構の「ねんきんネット」に利用登録することで、これまでの記録や将来受け取る年金見込み額などをパソコンやスマートフォンで、いつでも確認することができます。また、誕生月に送付されてくる「ねんきん定期便」でも確認することができます。

50歳以上であれば、「見込額(60歳まで現在の加入条件が継続する仮定での見込額)」が記載されています。50歳未満であれば、「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されていますので、現在以降の加入期間相当の年金額をプラスしないとなりません。

計算式は、780,100円×現在から60歳になるまでの月数÷480月となります。


(5)老齢厚生年金
日本年金機構の「ねんきんネット」に利用登録することで、これまでの記録や将来受け取る年金見込み額などをパソコンやスマートフォンで、いつでも確認することができます。また、誕生月に送付されてくる「ねんきん定期便」でも確認することができます。

50歳以上であれば、「見込額(60歳まで現在の加入条件が継続する仮定での見込額)」が記載されています。50歳未満であれば、「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されていますので、現在以降の加入期間相当の年金額をプラスしないとなりません。

計算式は、平均標準報酬額の今後の見込み平均×5.481÷1,000×退職までの月数です。この計算をする際の注意点は、標準報酬月額のランクには上限があるということです。上限は、月給で62万円、賞与で月間150万円となります。月給で62万円以上、賞与1回150万円以上もらっている人は、この上限額で計算しましょう。

そんな計算は面倒、もっと簡単な方法はない?という人は、現在65歳以上の人が受給している平均額を利用してはいかがでしょうか。厚生労働省年金局が発表している「2017年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上男性が受給している老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額の平均が、月額174,535円、女性が108,776円です。


(6)退職金・企業年金
企業の制度を確認してください。わからない場合は平均値を利用しましょう。
厚生労働省発表「2018年就労条件総合調査の概況」によると、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の退職一時金および退職年金を含めた退職金の平均額は、大卒・大学院卒で1,983万円、高校卒の管理・事務・技術職で1,618万円、高校卒の現業職で1,159万円となっています。


(7)その他、年金受取できるもの
個人年金保険など


(8)その他、一括受取できるものや老後用の貯金
老後用に確保してある預貯金や有価証券、iDeCo(個人型確定拠出年金)、養老保険など


--- (例)Aさんご夫妻で試算してみましょう ---
夫:65歳でリタイア予定・85歳まで生存するとして試算します
妻:夫より3歳年下・90歳まで生存するとして試算します

(4)老齢基礎年金(5)老齢厚生年金
「ねんきんネット」にアクセスできず、ねんきん定期便も見当たらないので、「2017年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータを利用します。
夫:月額174,535円×12ヵ月×20年=約4,188万円
妻:月額108,776円×12ヵ月×28年=約3,654万円

(6)退職金・企業年金
夫:1,700万円と仮定
妻:65歳までパート勤務の予定のため退職金なしとします。

(7)その他、リタイア後に年金受取できるもの
夫名義の個人年金 年60万円×10年=600万円 を加えます。

(8)その他、一括受取できるものや預貯金のうち老後用のもの
妻名義の養老保険300万円、老後資金用定期預金100万円を加えます。

合計:1億542万円
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老後の生活に必要な金額が1億円を超えて驚かれた人も多いかと思いますが、入ってくるお金も1億円を超える見込みです。Aさんご夫妻の場合は、必要なお金1億2,480万円から、入ってくるお金1億542万円を差し引いた1,938万円の貯金が必要となります。

Aさんご夫妻は、たまたま2,000万円に近い数字になりました。しかし、ライフスタイルが異なれば、必要な金額が大きく異なります。例えば、生活費が3万円違えば、28年で約1,000万円もの違いが出ますね。

あなたの老後生活に不足する金額はいくらになるか、あなたも1度計算してみるといいですよ。

FPが教える「幸せな老後の一人暮らし」に必要な備えとは?

次は、不足する金額の貯め方を伝授します。

こうすれば、あなたも2000万円貯金できる!

・上手な貯金のセオリー
貯金が必要だと思っても、なかなか貯めることができない人もいます。貯金が上手な人とそうでない人の違いはどこにあるのでしょうか。それは、順番です。

★貯金が上手にできない人…収入ー支出=貯金
☆貯金が上手にできる人…収入ー貯金=支出

余ったお金を貯金しようと思っても、使えるお金が目の前にあればつい使ってしまって、なかなか貯金にまわせない人が多いのも事実です。そのような人は、順番を変えてみてはいかがでしょう。何のために・いつまでに・いくら貯金するべきなのか目標をきちんと定め、毎月貯めなければいけない金額を決めます。そして、その金額を「使えないお金」として、目の前から隠してしまうのです。

・最強の味方「給与天引き」「自動引き落とし」
貯金する金額を目の前から隠してしまう最強の味方は「給与天引き」と「自動引き落とし」です。給与が振り込まれる口座には、毎月引き落とされる固定費と「使っても良い金額」だけ残すようにします。貯めるお金は「給与天引き」で社内制度を利用したり、「自動引き落とし」で別の金融機関の制度を利用したりして確実に貯めていきましょう。

普段、クレジットカードやモバイル決済を利用する人も多いと思いますが、この「使ってよい金額」をオーバーしないように気を付けましょう。

・2,000万円の貯め方
前述のAさんご夫妻が不足する老後資金は約2,000万円となりました。Aさんが現在40歳と仮定すると、65歳でリタイアするまで25年あります。25年間で2,000万円を貯めるためには、毎月いくらずつの積立が必要なのかを金利別(半年複利)の表にしてみました。

タンス預金など全く増えない場所で貯めた場合、毎月6万7,000円ずつの積立が必要になります。年利3%(半年複利)で増える場所で貯めた場合、毎月4万5,000円の積立が必要になります。このように、どこに預けるかにより、目標額に到達するための毎月の積立額が変わります。逆の見方をすれば、同じ金額を積み立てても、預入先によって将来受け取る金額が異なるということです。

残念ながら、現在のような低金利では、預貯金でお金を増やすことはできません。年利3%や5%を目指すのであれば、投資信託などの資産運用が不可欠になります。目標額すべてを資産運用で準備するのではなく、半分だけ利用するなどでも良いですね。

資産運用する際は、NISA・つみたてNISA・iDeCoのように、運用益が非課税になる制度を利用すると良いでしょう。

・必要となる金額を減らすことも考えよう!
もちろん、全ての人が資産運用に向いているわけではありません。向いていない人は、積立額を増やすために、現在の支出を減らすことに注力しましょう。
例えばAさんご夫妻が、現在の生活費を月2万円削減することに成功したとします。するとリタイア後も2万円少ない金額で生活できる可能性が高いので、2万円×12ヵ月×28年=672万円ほど、老後に必要となる金額が少なくなります。削減できた2万円を貯金に回すことも忘れずに!

支出を減らすカギは、固定費にあります。住宅ローンの借り換え、通信費の見直し、保険の見直しなど、家計の見直しには、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーにご相談くださいね。
きっと、あなたに合う貯金方法や支出の削減方法をアドバイスしてもらえますよ。


※本ページに記載されている情報は2019年7月21日時点のものです

【参考文献】
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2018年」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1

中垣 香代子

株式会社FPフローリスト

大手損害保険会社に約10年勤務後、夫の転勤に伴い転居を重ねながら3人の子育てに専念。教育費を「仕組みづくり」で無理なく準備した実績から、「ストレスを溜めずにお金が貯まる家計管理」を提唱。<br> また、自らの経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが1人でも減ることを願って、就学支援制度を広める活動にも力を入れている。