共働きの平均年収は?FPが教える!意外な家計の落とし穴と対策 | リクルートの保険比較サイト【保険チャンネル】

共働きの平均年収は?FPが教える!意外な家計の落とし穴と対策

「共働きをしているけれど、我が家の年収は他の世帯と比べて多いの?少ないの?」なんて考えたことはありませんか?世帯年収1,000万円なんて聞こうものなら、貯金もしっかりできて老後も安泰だろうと考えがちですが、実はそうでない夫婦もいるようです。

目次

共働き夫婦の年収はいくら?

総務省が公表している「家計調査(2018年)」によると、共働き世帯の1カ月当たりの収入額は62万6,500円。そのうち社会保障給付などの収入が1万9,835円ですから、労働・事業活動による収入は60万6,665円と考えられます。なお、この金額にはボーナスなどの臨時収入も含まれていますから、単純に12をかけて年収ベースの金額に直すと、727万9,980円になる計算です。

勤労者世帯全体の平均を同様に計算してみると、労働・事業活動による収入は52万5,095円、年収ベースでは630万1,140円になりますから、月額で8万1,570円、年額で97万8,840円、共働き夫婦の収入が多いことになります。

仮に、お互い定年になるまで共働きを続け、共働きの期間が30年間だとして考えてみましょう。単純に、毎年97万円分多く貯金できると考えれば、30年間では2,910万円より多い貯金ができている計算になります。共働き世帯は老後が安泰だろうと考えてしまうのも頷けそうですね。

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共働きの就業スタイルはさまざま

これを見て、「うちも共働きだけど、収入はもっと低め……」と思われるご家庭も多いのではないでしょうか。

総務省の「労働力調査(2018年)」をみると、働く女性のうちで配偶者のある人は約59%。とはいえ、専業主夫のご家庭もあるかもしれませんから、59%のうちのすべての世帯が共働きだとは限りません。でも、半分以上の家庭が共働きの世の中になってきたと考えられそうですね。

しかし、ひとくちに共働きと言っても、家庭によって共働きをする理由や就業スタイルはさまざま。前述調査データによると、配偶者のある働く女性のうち、正社員として働いてる人は約32%。パート、アルバイトなどの非正規社員が最も多く、約45%という状況です。

 

・収入が少ない共働き世帯もある?!
冒頭で見た共働き世帯の平均年収は約730万円でした。しかし、共働きの就労形態の状況を見る限りでは、実際に多くの共働き世帯が700万円を超える収入を得ているとは考えにくいものです。というのも、一般的に、非正規社員は正社員よりも収入が少ない場合がほとんどです。とくにパートやアルバイトをしている人のなかには、配偶者の扶養に入るために、あえて収入制限をしている女性も多いのが実情ですね。

配偶者控除を受けるためには給与収入者の場合、年収を103万円までに抑えることが必要ですから、夫の年収は630万円程度ということになります。共働きの約45%の家庭のうちでも夫の年収が630万円より低いという方々もいらっしゃるでしょう。

これには実は数字のカラクリもあるのです。平均額というのは調査した全員の貯蓄額を合計して、その人数で割って算出された値です。少数でも高い(あるいは少ない)年収の人がいると、平均額はその数値に引きずられてしまい、計算値も大きく(あるいは少なく)なってしまうことを知っておきましょう。

極端な例として、1世帯が年収1,500万円、1世帯が600万円、1世帯が400万円とします。この3世帯の平均年収は約833万円となりますが、すべての世帯の実際の年収とは大きく異なる数字です。強いて言えば、真ん中の位置にある600万円世帯の年収が平均値に最も近いことがわかります。

このような、実態により近い統計上の数字を「中央値」といいますが、世間と比べて自分あるいは世帯がどうなのかを知りたいときには平均値よりも中央値を見るのが良いでしょう。ただし、統計データによっては中央値が表示されていないこともあります。

共働き世帯の家計の落とし穴

筆者も仕事上でさまざまな統計やデータを参考にすることはよくありますが、マネープランに大切なことは統計上の数字と比較することだけではありません。本当に大切なのは、自分たちの収入や暮らしぶりから現在の生活や老後の安泰が得られるかどうかということです。

冒頭で見たように、数字上では共働き世帯は勤労者世帯全体に比べて収入が多くなっているのは確かです。しかしながら、共働き夫婦は支出が増えがちだとか、妻がパートに出た途端に支出が増えて、あまり家計が改善されないという話を聞いたことがある人もいるでしょう。

・収入が増えると支出が増える
共働き世帯に限らず一般的に言えることですが、多くの場合、収入が増えるとその分支出も増える傾向にあるようです。総務省の「家計調査(2018年)」で年収別の消費状況を見るとその傾向がわかります。

世帯の消費支出のうち、食費の占める割合を示す「エンゲル係数」というのがありますが、年間収入600万円~650万円の勤労者世帯のエンゲル係数は約26%。1,000万円~1,250万円の世帯では約23%と3%の差があります。ちなみに食べることは生命維持に必要不可欠なことですから、所得水準が低くても一定以上の食費は必要です。そのため、所得水準が低いほどエンゲル係数は高くなる傾向にあります。

一方で、たとえば教育や教養娯楽関連への支出を見てみると、収入に対してこれらにかける支出は600万円~650万円世帯では約18%。対して1,000万円~1,250万円世帯のそれでは約25%となっていて、後者のほうが7%多い状況です。食費の差よりも教育や教養娯楽関連への支出に対する収入差のほうが大きいことがわかりますね。

この結果から収入がより多い世帯では、収入から生活に必要不可欠な出費を除いた、いわゆる余剰分を他の費目により多くのお金をかけていることがおわかりでしょうか。とくに共働きになると、洋服や美容代、交際費など、夫婦ともに支出が増える傾向にあります。つまり、収入が増えれば1つ1つの費目にお金をかけることができるかもしれないけれども、それが決して貯金や老後の安泰な暮らしには繋がらない、ということになるのです。

・家計状況を共有していない
夫婦共に収入があるのに貯金ができていない夫婦では、家計状況の共有ができていないケースが多いようです。なぜ共有できないのかは家庭の事情にもよりますが、多くの場合は次のような理由があります。


・お互い忙しくて家計についてゆっくり話をする時間がない
・お互いに各自の収入で買い物などできるため、とくに話し合わなくても生活に困らない
・相手はきちんと貯金しているだろうとお互いに思い込んでいる


このように、それぞれ自分のお財布事情は知っていても、世帯としての家計状況がわかっていないケースでは支出が膨らみやすくなってしまいます。たとえば、スーパーやコンビニに立ち寄った時に子どものおやつや洋服を買ってみたり、お互いに日用品など「もう無いだろう」と思ってダブル買いをしてしまったり……。ついつい余分なものまで買ってしまいがちになることがあるようです。

両者共に忙しい共働き夫婦ですからお互いを気遣っての買い物とも言えますが、先の収入があることによる気持ちの余裕が手伝って、「不足するものを買い足す」ことを確認せずに「不要なものまで買ってしまう」とムダ遣いになってしまいます。

「我が家もそうかも」と思われた方は、今一度、共働きをしている理由を思い出してみてはいかがでしょうか。おそらく、多くの家庭では子どもにかかるお金や住宅ローンの返済が重い家計を助けるためなど、夫婦で協力し合って家計を守ることを目的とされているのではないかと思います。そのことがお互いの頭にしっかりあれば、お互いに忙しい日々を過ごしながらも家計状況の共有に少し時間を取れるのではないでしょうか。

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共稼ぎは年収アップを狙うだけじゃない!資産作りも共同作業で

老後の暮らしが安泰かどうかは、共稼ぎをして収入を増やすことよりも、いかにお互いに協力し合って資産を形成していけるかによるところが大きいものです。世帯収入を上げることに協力し合えるのですから、節約を心がけたり、資産作りをすることも夫婦の共同作業として取り組むことはできるのではないでしょうか。お互いに収入がある共働き夫婦だからこその資産作りのコツをお教えします。

・家計予算を決め、見える化する
出勤のために衣服代・化粧品代がかかったり、疲れたからと外食や惣菜に頼って食費が高くなるのは仕方がないところもありますが、家計のルールを決めておかないままではズルズルと支出が増えるだけになります。

家計状況を共有することが大切ということは前述しましたが、食費や交際費、被服代等々、家計費目ごとに予算を決めて共有しておきたいものです。お互いがそれぞれ買い物をすることはあれ、世帯としての予算を把握していれば予算以上に使わないように協力し合うことが可能になりますよ。

そのためのコツの1つとして、クレジットカードの家族カードを利用するのもいいですね。クレジットカードは月ごとの明細書が作成されるのを待たなくても、オンラインで随時利用した状況をチェックできます。食材や日用品のなど、具体的な買い物の内容はわからなくても、どんな店でいくらお金を使ったのかは確認できますから、使い過ぎ防止には役立ちます。家族カードなら家族全員の利用状況がまとめて確認できますから、情報を共有するのも楽になります。

・共有口座(財布)を作る
共働き夫婦に筆者がよくおすすめする方法のひとつですが、夫婦の共有財布を作るというのがあります。これは、毎月決められた金額をひとつの箇所に入れ、食費や日々の買い物、外食などの家族共有の生活費としてそのお金を使うようにするというものです。日々の生活費だけでなく、旅行などのまとまった金額の出費も分担できればより良いでしょう。たとえば旅行なら旅行用口座を作って旅行費用はそこから出すなど、夫婦で起こりそうなイベントを予想して専用の財布を作り、お互いに毎月定額を入れていくようにできるのが理想です。

ただし、諸外国では夫婦連名で口座を開設できる国もありますが、日本では夫婦共同の名義で口座を開設することはできません。そのため、共有口座といっても実際にはどちらか一方の名義になり、口座利用の状況によっては贈与税なども発生しかねない場合もあることには注意してください。

もちろん共有財布(口座)を作らず家計負担の分担をきちんと決めておくのでも構いません。各自が自分の口座を管理しながらでも、定期的に相手に情報は共有するように努めましょう。

・資産形成はお互いの強みを活かす
夫婦共に会社員であれば、資産づくり方法の選択肢も広がることが考えられます。たとえば、夫の会社では財形制度があるけど、妻の会社では取り扱っていない。でも妻の会社では会社型の確定拠出年金制度が導入されている、etc……。

効率よく資産形成をしていくためには、資産づくりの目的ごとに優遇税制や会社の福利厚生制度などを上手く活用することも大切です。その点、共働き夫婦で使える制度の幅が広がれば、世帯全体の目的に合わせてより良い選択肢を選ぶことも可能になりますね。たとえば、夫はiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入し老後資金の準備に力を入れ、妻は老後資金用に会社がお金を出してくれている分、自分は子どもの教育資金づくりに力を入れるなど、お互いが働いているメリットを活用しながら資産づくりを補強し合えれば老後の安泰にも効率よく近づけられそうです。

目的に合わせた資産づくりの方法や、優遇税制を活用しながら効率的に資金準備をする方法がよくわからないという人は、ファイナンシャルプランナーなどお金の専門家に相談してみてくださいね。


※本ページに記載されている情報は2019年6月3日時点のものです


【参考文献】
総務省:家計調査・家計収支編/二人以上の世帯/2018年
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&result_back=1&second2=1

総務省:労働力調査/2018年
https://www.stat.go.jp/data/roudou/report/2018/index.html

續 恵美子

エフピーウーマン

女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー(CFP®) 生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。 エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/)