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【収入別】共働き夫婦の理想の貯金額はいくら?お金が貯まる家計になる、はじめの一歩

共働きは収入が多い代わりに支出も多く、あまり貯蓄ができない…という夫婦もいるのではないでしょうか。年間の貯金額はいくらが理想なのでしょうか。そこで、統計データも参考にして、お金が貯まる家計にする方法をお伝えします。

最終更新日:2021年6月23日

この記事の早わかり要約 読了目安時間:

これから貯金を始めるなら、年収の10%~15%を貯金することを目標に

共働きの場合、収入が多い分支出も多くなりがちなので注意!

お互いの収入や貯金額、貯金の目的などを話し合い共有することが大切

目次

共働き夫婦の平均貯金額は?

共働きで働いていると、専業主婦の家庭より貯金ができていて当たり前…そんな風に思う人も多いのではないでしょうか。

最近では、正社員やパートによる共働きの家庭が増えてきています。

内閣府男女共同参画局の年次報告書「男女共同参画白書」2020年版によると、共働き世帯が年々増加していて、1980年に614万世帯だった共働き世帯が2019年には1,245万世帯となり、同じく2017年の専業主婦世帯の582万世帯を大きく上回っています。

共働きといっても、正社員かパートかによって収入が違いますし、また子どもがいるかいないかによっても貯金ができる金額は変わってきます。

まずは、共働きや専業主婦にかかわらず、2人以上世帯の平均貯金額を参考程度にみていきましょう。

下の表は、2019年調査「家計の金融行動に関する世論調査」の結果です。20歳代から70歳代の年代別の平均貯金額を表しています。

(出典:金融広報中央委員会2019年度「家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作表)

この結果を見てみると、2019年度の2人以上世帯の平均貯蓄額は、全国の平均値が1,139万円、中央値が419万円となっています。

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最初に、平均値と中央値の違いについて説明します。

平均値とは、合計金額を人数で割った金額です。そして中央値は金額が小さい順に並べていった場合、ちょうど中央に位置する金額です。

この2つの数字を比べてみると大きく差があるのがわかります。

平均値の場合、例えば貯金が0の人が多数いると数字が下がる場合がありますし、また多額の金融資産がある人がいたら数字がはね上がる場合があります。

平均値、中央値ともにそのときの回答者の状況や人数によって、現実からかけ離れた数字がでることがあります。もし、自分の家庭の貯金額と比較するのであれば、中央値のほうを参考にするほうが、リアリティがあるでしょう。

共働きなのに、自分の家庭はほとんど貯金ができていないという場合は、まずは中央値に近づくことを目標に貯金をしていきましょう。

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年収別の適正な貯金額。いくらが理想?

共働き夫婦は年収のどれくらいを貯金しているのでしょうか。

金融広報中央委員会2019年度「家計の金融行動に関する世論調査」によると、世帯主が20歳代の場合、年収の10~15%未満が24.3%、30歳代の場合年収の5~10%未満が19.4%、40歳代の場合、年収の10~15%未満が23.8%とそれぞれトップになっています。

どの年代でも年収のおよそ10%前後の貯金をしているようです。まずは、年収の10%~15%を貯金することを目標に頑張ってみましょう。

ここではわかりやすいように年収の約80%が手取り金額としてイメージしてください。

<年収400万円の場合>
年収400万円の世帯の場合、手取りは320万円として考えます。目標貯蓄額は年収の10%なら40万円、15%なら60万円になります。

<年収500万円の場合>
年収500万円の世帯の場合、手取りは400万円として考えます。目標貯蓄額は年収の10%なら50万円、15%なら75万円になります。

<年収600万円の場合>
年収600万円の世帯の場合、手取りは480万円として考えます。目標貯蓄額は年収の10%なら60万円、15%なら90万円になります。

<年収700万円の場合>
年収700万円の世帯の場合、手取りは560万円として考えます。目標貯蓄額は年収の10%なら70万円、15%なら105万円になります。

どの年収でも、毎月の手取りの1割は先取り貯蓄で積み立て、夏と冬のボーナスのときにそれぞれ20万円程度を貯金することで、目標とする貯金ができるのではないでしょうか。

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共働きなのに貯金ができない…その原因は?

一般的に、働き手が1人の世帯よりも共働き世帯のほうが世帯年収の多い分だけ貯金ができそうな気がします。でも、実はなぜか貯金ができていないという人がいるようです。

お互い危機感がない

共働き世帯は収入が2つある代わりに、支出の窓口も2つになってしまうことがあります。

収入が多い分、夫婦ともに「自分の収入は多少使っても大丈夫」と思ったり、「相手が貯めてくれているはず」と思い込んでいたりすることがあるようです。夫婦ともにお金を使っても、現実に生活が成り立っているということから、「お金を貯めないといけない」という危機感が少なくなる傾向があるようです。

家計の見える化ができていない

先ほど、収入の窓口が2つあるとお伝えしました。共働きでお金が貯まらない世帯の特徴の1つに、お互いの収入を知らないことが挙げられます。

例えば妻が自分の収入内で、美容院やエステに行ったり、洋服やバッグを自由に購入したりしていて、夫に自分の収入や使い道を知られたくない場合。夫が週末にゴルフに行ったり、やたらと飲み会が多かったりしても、妻も、夫の収入や使い道を聞くことができないということがあるようです。

つまり、家計の見える化ができていないということです。お互いに収入を知らなくても実際毎月生活ができているので、お互いに今更聞けない…という気持ちがあるのでしょう。

家事が負担

共働きだと、帰宅してから家事をするのが億劫になることがあるでしょう。

仕事帰りにデパートの地下でお惣菜を購入したり、休日は疲れが溜まって外食が増えたりすることもあるかと思います。また、定期的に家事代行サービスを利用する世帯もあると思います。

1度や2度ならそんなに家計にとって負担にはならないでしょうが、回数が重なってくると、家計の負担になってくる場合があるでしょう。

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貯金ができる共働き夫婦になる方法

このように、共働きでもお金が貯まらないという原因はいくつかありますが、いずれにしても収入が多い分、支出も多いということが言えそうです。

夫婦で共働きの間は特に気にすることがなかった貯金の金額も、子どもができて学費のことを考え出したときやマイホームを購入しようとしたときに、思った以上にお金が貯まっていない現実に直面して慌てるということになりがちです。

そして、お互いに「相手が貯めていると思っていた」などと、夫婦喧嘩になってしまっては困ります。「もしかしたら我が家のこと?」とドキッとした人は、ぜひ少しでも早いうちにお金が貯まる仕組みを作っていきましょう。

ここでは共働き夫婦の家計管理のパターン別に、貯まる家計にする方法をお伝えします。

費目分担タイプ

夫と妻がそれぞれ費目を分担するタイプです。

例えば、夫の収入から光熱費や家賃、携帯電話代など口座引き落とし分を負担し、妻の収入は食費や雑費などの生活費を現金で管理するというように、支出の費目ごとに負担をする人を決めているというタイプが該当します。

このタイプの場合は、誰が何の費目を負担するかが明確になるので、毎月の支出の管理はしやすいでしょう。ただし、残ったお金は自由に使っていいと思ってしまうため、支出が嵩んでしまいがちです。

費目分担タイプが貯蓄をしていくためには、通帳に残ったお金を全額自由に使うのではなく、毎月夫・妻ともにお小遣いの額を決めて予算化しましょう。

そして、残ったお金をそのまま通帳においておくのではなく、夫・妻ともに先取り貯蓄をするようにしましょう。

先取り貯蓄の方法としては、会社に財形貯蓄や企業型確定拠出年金などの制度がある場合は利用するのも手です。給与から天引きされるので、通帳に振り込まれるときにはなかったものとして、振り込まれた金額だけで遣り繰りをすればいいので楽です。

また、会社に天引きの制度がない場合は、給与が振り込まれる通帳に自動積立口座を開くだけで自動的に先取り貯蓄をすることができます。

金額分担タイプ

お互いの給与からお金を出し合って家計用の財布を作り、そのお金で遣り繰りするタイプです。

お互いの給与が振り込まれる通帳とは別の口座に夫と妻それぞれが入金し、その口座から家賃や光熱費、携帯電話代などを引き落としたり、生活費などを引き出したりするという方法が一般的です。

お互い負担する金額を決める方法は2つのパターンがあります。

1つ目は、お互い給与の全額をとりあえず1つの口座に入金するパターン。2つ目は、お互いの収入の〇割と割合を決めて負担するパターンです。

2つ目のタイプの場合、先ほどの費用分担タイプと同じように、共同の口座に入金して残ったお金は自由に使ってしまい貯金ができないということがあります。

それを防ぐためには、まず、残るはずのお金は先取り貯蓄をし、共同の口座に入金したお金からそれぞれのお小遣いを予算化するといいでしょう。

それぞれの収入に応じて貯金の額を決めてしまうのもおすすめです。一般的には手取り収入の2割程度が貯金の目安と言われています。

ただし、2人暮らしの間は一番の貯めどきです。2人暮らしの間は、手取り収入3割を目標に貯めていきたいですね。夫・妻それぞれ、自分の収入の3割を先取り貯蓄して確実に貯めていくようにしましょう。

1人の収入で生活するタイプ

例えば夫の収入で生活し、妻の収入はまるまる貯金をするというパターンです。

ただし、貯金を妻の収入に任せてしまい、夫の給与を全額使うクセをつけてしまうと、妻が仕事を辞めたときに困ってしまうので注意が必要です。また、妻名義で貯金をしていくことで夫がどのくらい貯金があるのか把握できていなかったり、夫名義の貯金が増えていかなくなることで、夫のモチベーションが下がったりする可能性もあります。

自分のお小遣いは自分の収入から負担する、それぞれの給与から先取り貯蓄をするなど夫婦で働いて夫婦で一緒に貯金をしているという意識を持つようにしましょう。

それぞれの家庭のパターン別に、貯金をするコツをお伝えしました。

ただ闇雲に貯金をするのではなく、貯金の目的を夫婦でしっかり話し合って共有することが大切です

例えば、
・老後資金や住宅資金、教育資金など、長期的にコツコツ積み立てていく資金や、〇年後に旅行に行きたい、電化製品を買い替えたい、など数年先に必要になる資金は毎月の給与から積み立てていく
・毎年必ず必要な車の税金や帰省費用などの特別支出は、ボーナスで準備をしていく
など、夫婦で貯金の計画をたてましょう。

「いつ」「何のために」「いくら」貯めていくのかを共有し、お互いの収入を見える化をすることで、今まで共働きでもお金を貯めることができなかった世帯も、協力して貯めていこうという目的を持つことができます。

どのようにしたら効率的に貯金ができるのか、目的に合った貯め方はどんな方法があるのか迷ったときは、ファイナンシャルプランナーに相談してみるといいでしょう。そのときは夫婦で一緒に相談することをおすすめします。FPが中立の立場で客観的にアドバイスすることで、夫婦だけでは見えなかったベターな方法が見つかることがありますよ。

※本ページに記載されている情報は2021年2月22日時点のものです

【参考文献】
内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書」2020年版
金融広報中央委員会2019年度「家計の金融行動に関する世論調査」

安部 智香(あべ ちか)

女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター

安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 ファイナンシャルプランニング技能士2級、AFP(日本FP協会認定)、一種外務員資格 短大卒業後、証券会社に勤務。在職中は資産運用のアドバイスを担当。結婚退職後は、証券会社在職中に得た知識を活かし投資による資産形成を行っていたが、周りの主婦の大半は投資の方法を知らないことに気付く。そのため、「もっとお金のこと、家計のこと、資産運用のことを伝えたい」という思いで個人事務所を立ち上げる。個別相談、執筆業務、マネーセミナー講師として活動中。著書は「幸せなお金持ちになるマネーレッスン♪」「今日から始める!誰でも『幸せなお金持ち(R)になる方法』