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FPが解説。一人暮らしの電気代、平均と理想は?

電気代はライフスタイルや季節によって変動が大きいものですが、一人暮らしの平均額はいくらくらいなのでしょうか?電気代がかかりやすいのは夏?冬?また、一人暮らしの電気代の理想はいくらなのでしょうか?電気代の平均と上手な節約方法を解説します。

目次

一人暮らしの電気代平均額はいくら?

一人暮らしだと、電気代を自分で払っている人が多いはず。毎月送られてくる電気代の請求額が急に高くなっているとびっくりするのではないでしょうか。

ところで一人暮らしの電気代は、どれくらいが平均なのでしょうか?東京都の「平成26年(2014年)度東京と家庭のエネルギー消費動向実態調査報告書」によると、1カ月の平均額は戸建て住宅の場合は5,827円、集合住宅の場合は5,024円だそうです。

●34歳までの一人暮らしの電気代平均額は月3,362円

ただし電気代はライフスタイルによって異なると考えられますから、年代や性別による違いがあるかもしれません。そこで総務省の「家計調査(2018年)」で年代別、性別での電気代の平均値を見てみると、若年層で低いことがわかります。

34歳までの単身世帯の電気代の平均は、男性が3,395円、女性は3,315円です。図表1を見ると、全年齢で比較しても若い世代がとりわけ低いことがわかります。学生や若手社会人が多い若い世代では外出時間が長く、自宅で電力を使うことが少ないのかもしれません。

●35歳以降の一人暮らしの電気代平均額は若年層の約1.8倍
これに対して、同じく一人暮らしの世帯でも35歳~59歳までの電気代平均額をみると、男性で6,038円、女性で5,879円です。35歳未満のおよそ1.8倍に上ることがわかります。

この年代では学生よりも社会人が中心と考えられます。経済的な余裕があり、学生の一人暮らしよりも広い部屋に住んでいて、多くの照明や家電製品を使っているのかもしれません。

また、女性よりも男性の一人暮らしの方が、電気代が高い傾向があります。

●60歳以降の一人暮らしの電気代は男性より女性が高い
60歳以降の電気代平均額は、男性で6,375円、女性で6,721円です。他の世代と違って女性の平均額が男性よりも約400円高い結果になっています。

また、男女ともに34歳以下と比べて電気代の平均額は2倍近く高い水準です。60歳以降では定年退職をして日中に自宅にいるなど、在宅時間が長いことで電気の使用量が多いのかもしれません。

一人暮らしの理想的な電気代はいくら?

では、一人暮らしの電気代はいくらくらいが理想なのでしょうか? 東京都環境局の「家庭のエネルギー消費動向実態調査」では、家庭でのエネルギーの使用量データをもとに算出したベンチマークを公表しています。これによると、一人暮らしで電力の使用量が標準的な家庭の場合、戸建て住宅なら1カ月に218kWh、集合住宅なら184kWhが目安です。

電力料金は契約している電力会社によって異なりますが、かりに基本料金が300円、電力量に応じた料金が1kWhあたり120kWhまで20円、121kWh~300kWhまで25円だとすると、1カ月当たりの電気代は戸建て住宅(218kWh)なら5,150円、集合住宅(184kWh)なら4,300円ということになります(契約している電力会社、プランによって計算方法が異なります)。

年代にもよりますが、一人暮らしの電気代はおおむね4,000~5,000円台を目安にするとよいのではないでしょうか。

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電気代が高いのは夏?冬?電気代がかかりやすい季節

しかし電気代は、電器製品を使う頻度によって大きく左右されるため季節変動があります。図表2は、東京都環境局の「家庭のエネルギー消費動向実態調査」をもとに、一人暮らしの月ごとの電気使用量の平均を表したものです。

●電気代が最も高いのは冬
戸建て、集合住宅ともに、電力の使用量は暖房器具を使う冬の時期が最も多いことがわかります。気温が低くなる11月あたりから1月にかけて上昇しています。つまり、冬の時期は電気代も高いということです。

この時期には、室内を温めるためにエアコンや電気カーペット・こたつなどをひんぱんにかつ長時間使用する人が多いでしょう。資源エネルギー庁のデータを見ても、冬の夕方の消費電力で最も多いのはエアコンによるものです。続く照明、冷蔵庫、テレビは季節を問わず日常的に使う電気製品ですが、ほかに電気カーペット、温水洗浄便座、電気こたつのように寒い時期ならではの器具による電力が消費されていることがわかります。



なお、暖房器具は電気を使うものだけでなく、ガスや石油ストーブもあります。これらのエネルギーを中心に使う場合には電気代にはそれほど影響ないかもしれませんが、その分ガス代などの負担が重くなっているかもしれません。光熱費の節約を考えるときには、電気代だけではなくガス代などと合わせて、何を多く消費しているかを確認するとよいでしょう。

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●夏場の電気代も高くなりがち
過ごしやすい気候が続く4月~6月や10月は、夏や冬に比べて電力の消費量が低い傾向があります。この時期には電気代が高額になることはまれでしょう。

しかし冬の次に夏の時期も、電力の消費量は高くなります。こちらも冬と同様にエアコンがおもな原因です。夏の日中の消費電力のうち、最も多くを占めているのはエアコン(58%)です。また、冷蔵庫(17%)による消費電力も多くを占めています。これは暑い室内を冷やし、食品や飲料を冷やしておくために多くの電力が必要になるためです。

このように、電力の消費量は季節によって大きく変動します。夏や冬にはどうしても電気代が高くなりがちであることをあらかじめ知っておくと、請求書が届いたときに驚かずに済むかもしれません。

電気代を節約する方法5ステップ

電気代が年齢や季節により違いがあることはわかりましたが、自分の家の電気代を節約するためにはどうすればよいのでしょうか?

ここからは、電気代を節約する方法を解説します。

●ステップ1:消費電力の大きさに応じて家電製品を使い分ける
資源エネルギー庁によると、家庭内でエネルギーを多く使うのはおもに冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコンです。これら4つの機器だけで、1世帯の年間電気使用量の4割以上を占めています。

しかしこれらは現代の私たちの生活にはなくてはならないものばかりではないでしょうか。一人暮らしの世帯でも、これらがなければ生活に支障が出ると感じるでしょう。

そこで、自分の家の中にあるあらゆる家電製品がどれくらい電力を消費するのかを知って、使い方を工夫してみましょう。同じ時間動かしても、消費する電力量は電気製品によって異なります。また必ずしも大きな家電製品が大きな電力を消費するわけではなく、小型なもので電力消費が大きいものもあります。

資源エネルギー庁などによると、消費電力が最も大きい家電製品はIHクッキングヒーター(3,000W)、電子レンジ(1,400W)、アイロン(1,400W)、ジャー炊飯器(1,300W)、電気式浴室乾燥機(1,290W)、温水洗浄便座(瞬間式、使用時1,200W)などです。

また、洗濯乾燥機(乾燥時、1,100W)、ドライヤー(1,000W)、オーブントースター(1,000W)、掃除機(1,000W)なども比較的大きな電力を消費します。

ただ、消費電力が大きいからといってすなわち電気代が高くなるわけではありません。これらの家電をどれくらいの頻度、どれくらいの時間にわたって使うかが重要です。たとえばIHクッキングヒーター(3,000W)は使用時の消費電力は多くなりますが、ずっと料理をするわけでなければ電気代が高くなる要因にはならないかもしれません。逆に、温水洗浄便座(瞬間式、使用時1,200W)は、1日中スイッチを入れたままで便座を温かくしていると、1カ月の電力消費量が多くなる可能性があります。

同様の理由で、製品としての消費電力はそれほど大きくなくても、冷蔵庫(200W~300W)、蛍光灯照明(100W)なども、ずっと電源が入ったままにしていると電気代に影響するほどの電力を消費するかもしれません。

個別の製品の電力消費量は製品の仕様や年式によって異なりますが、消費電力が大きい家電製品は必要なときだけ使う、また消費電力が小さい家電製品も、長時間使わないときにはきちんと電源を切っておくなどを工夫するとよいのではないでしょうか。

また、日頃使う電気機器の使い方を少し工夫すると省エネになり、電気代を抑える効果も期待できます。省エネになる取り組みはさまざまありますが、図表5にはおもな例を挙げています。参考にしてみてください。

●ステップ2.省エネ家電に買い替える
使い方を工夫するだけでなく、電気製品そのものを買い替えてしまう方法もあります。電気製品は年々新しいものが開発されており、新たに発売されるものほど省エネ性能に優れていることがあります。

特に、長時間使って電力を消費しやすいエアコン、冷蔵庫、テレビは、新しいものの省エネ性能は数年前に発売されたものに比べて格段に改善していることが少なくありません。たとえば、2007年に製造された冷蔵庫と2016年に製造された冷蔵庫では、同じように使っても年間の電気代は15,228円から9,531円と、5,697円も低くなっています。

ほかにも、2007年製と2016年製のものを比べると、8~12畳用のエアコン(2.8kWh)は29,052円から24,354円で約4,700円、40V型の液晶テレビは5,832円から2,214円と約3,600円低くなっています。製品の代金はかかりますが、この3つを買い替えるだけでも、年間の電気代は約14,000円節約できることになります。

●ステップ3.照明を蛍光灯やLEDに変える

上述のように、照明は家庭内で大きな電力を消費しますが、照明の種類を替えるのも効果的です。

照明にはいろいろな種類がありますが、最も電力を消費するのは白熱電球です。これを蛍光ランプやLEDランプに替えると電気代の節約効果を期待できます。

資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2017年夏版」によると、1日に5.5時間点灯して1年間使った場合の年間の電気代は、白熱電球60W相当でおよそ2,920円。これに対して電球型蛍光ランプなら650円、電球型LEDランプなら510円ですみます。

白熱電球は1つ100円程度と、ランプの製品価格は電球型蛍光ランプ(700~1,200円程度)、電球型LEDランプ(1,000~2,000円程度)に比べて安価ですが、寿命が短いうえに消費電力が大きいため、長期間使うなら電球型蛍光ランプや電球型LEDランプのほうが、合計でかかるコストは抑えられるはずです。

●ステップ4. 電気料金の契約プランを変える

ここまでは自分の家の中にある家電製品を見直す方法をみてきましたが、電気料金の課金のしくみ自体を変えてしまう方法もあります。そのひとつが、電気料金の契約のしかたを変えることです。

まず、電気の契約容量を変える方法があります。これは「契約アンペア(A)数」を変えることで、おもな電力会社では10A~60Aの中から選べます。

契約アンペア(A)とは一度に流す電気の量のことです。契約アンペア数が高いほど、同時に多くの電気を使ってたくさんの家電製品を動かすことができますが、その分電気の基本料金は高くなります。逆に契約アンペア数を低くすれば基本料金は低くなりますが、一度に流せる電気の量が少ないので、同時にたくさんの家電製品を動かすとブレーカーが落ちてしまいます。

契約アンペア数は、最も電気を使う夕方から夜の時間帯にどのくらいの電気が必要かに応じて検討します。多くの電力会社では、一人暮らしの場合は一般的に20A~30Aが目安とされているようです。もし、一人暮らしでそれほど家電製品を一度に使うことはないのに、契約アンペア数が高ければ、下げることを検討してもよいですね。

もうひとつ、契約プランを変える方法もあります。電力会社では複数の契約プランを揃えており、電気の使い方やライフスタイルに適したプランを選ぶことで、同じ使い方をしていても電気代が低くなることがあります。標準的なプランは「従量電灯B」や「従量電灯C」などがありますが、このほか夜間の電気代が割安になるプラン、朝に割安になるプラン、土日に割安になるプランなどを提供している電力会社があります。

契約プランは、契約アンペア数に応じて選べるラインナップが異なります。多くの電力会社のウェブサイトでは、「日中に家にいることが多い」「夜の時間帯に電気を使うことが多い」など、日頃の電気の使い方に応じて適した電力プランを探せるシミュレーションができます。自分のライフスタイルに合った契約プランを選ぶと節約できるかもしれません。

●ステップ5.電力会社を変える
いま契約している電力会社から、他の電力会社に変えることで電気代が安くなることもあります。2016年に家庭向けの電力が自由化されたことにより、これまでは地域によって契約先が決まっていた電力会社を自由に選べるようになりました。

自由化に合わせて新しい電力会社が増え、独自のプランやサービス、料金形態を提供しているところもあります。たとえば電気とガス、電気とインターネット、電気と携帯電話など、他のものと一緒に契約することで割引になるところや、電気代に応じて貯めたポイントをネットショッピングや鉄道で使えるサービスを提供しているところなどさまざまです。

電力会社を変えるために切り替え工事などは不要です。スマートメーターを交換する必要がありますが、契約の切り替え手続きをすれば新しい契約先の電力会社が交換してくれます。賃貸アパートやマンションに住んでいても、自分で電気の契約をしていれば原則としては特に大家さんに許可を取らなくても切替できることがほとんどです。切り替えることで、年間で数千円の節約になるケースは少なくありません。自分のライフスタイルに合わせて、電気代だけでなくインターネットや携帯電話などほかのサービスと合わせたコストで検討したいですね。


一人暮らしでは、毎月の家計のやりくりで電気代が負担に感じることは珍しくありません。まずは自分の電気代が平均や目安と比べて高すぎないか、高すぎる場合は、何が原因かを確認してみましょう。そのうえで、できそうな節約を試してみましょう。契約するアンペア数やプランを自分に適切なものに変えるだけでも、毎月の電気代を節約できるかもしれません。

電気の契約プランや電力会社の切り替えを検討しているときは、電気だけでなくほかのサービスも一緒に見直すと、より節約効果を高められる場合があります。プロのファイナンシャル・プランナー(FP)に相談して、自身のライフスタイルを総合的に確認しながら見直すとよいのではないでしょうか。

※本ページに記載されている情報は2019年6月26日時点のものです


【参考文献】
■東京都環境局「平成26年度 東京と家庭のエネルギー消費動向実態調査 報告書」
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/home/energy.files/syouhidoukouzittaityousa26honpen_3.pdf
■資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/what/
■東京都「家庭の省エネハンドブック2018」
https://www.tokyo-co2down.jp/file/HB2018_all.pdf
■資源エネルギー庁『省エネ性能カタログ2017年夏版』
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/more/pdf/summer2017.pdf
ほか

マネーステップオフィス株式会社

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