私の年齢で貯金300万円は多い方?FPが教える貯蓄のコツ | リクルートの保険比較サイト【保険チャンネル】

私の年齢で貯金300万円は多い方?FPが教える貯蓄のコツ

「貯金300万円」は多いのか少ないのか。「貯金するペースはこれで大丈夫?」「運用はするべき?」など、気になりますよね。この記事では「貯金300万円」をデータで検証したうえで、300万円を貯めるための方法と運用の考え方をお伝えします。

目次

データから考える貯金300万円

・シングルの年代別貯蓄額

まずは、シングルの貯金状況について、全体像を見てみます。
<図表1:単身世帯の金融資産保有額別の割合>を見てまずわかることは、世代を問わず、金融資産を持っていない割合が高いということです。

一番その割合が高いのが20代というのは、社会に出ている年数を考えても自然なことですが、40代でも金融資産を持っていない割合が42.6%と、20代の45.4%とわずか3%程度しか変わりません。この背景には、40代前後のシングルの人が、マンションなど不動産を買うケースが増えていることが関係していると考えられますので、全体的な資産でみると20代と40代では状況は違うでしょうが、いざという時にすぐ使えるお金という意味では、保有していない割合はかなり高いといえます。

その他の世代も30代で39.7%、50代で39.5%、60代で26.7%となっています。

このように金融資産の非保有率が高い一方で、年代で大きく違いが出ていることがあります。それは年代があがるにつれて、金融資産を1,000万円以上保有している割合が、他の金額帯に比べて高くなっているということです。
理想的な貯金の割合は何%?貯蓄率の目安を知って家計管理に役立てよう!
言い換えると、保有資産の格差が拡大しているということになります。年収の格差も要因の1つと考えられますが、コツコツ貯めている人と、あるだけ使いきってしまう人の二極化が端的に表れているともいえるのではないでしょうか。
それでは、今貯金を300万円があるという場合、全体のどの辺りに位置するのでしょうか?
上記の<図表1>を基に、金融資産が300万円未満の世帯の割合を計算すると、20代で86.8%、30代で71.1%、40代で64.1%、50代で57.7%、60代で43%となっています
つまり、シングルで貯金が300万円あるということは、
20代の上位15%、30代の上位30%、40代の上位35%、50代の上位45%、と、60代以外では、全体の上位半数の中に入れるという訳です。
参考までに、シングル世帯の貯金額の平均値と中央値をみていきます。<図表2:単身世帯の年代別金融資産保有平均値および中央値>をご覧ください。

平均値は、文字通り、貯金額の平均の金額です。一方で中央値とは、貯金額の少ない(多い)人から順番に並べたときに、ちょうど真ん中の位置にくる人の貯金額ということになります。

ここで平均額だけではなく、中央値を一緒にお伝えしているのには理由があります。それは、先ほど<図表1>でお伝えした通り、年代が上がるにつれて、金融資産の保有額の格差が広がっているということです。
例えば、40代の金融資産の平均保有額が657万円となっており、これだけみると、300万円の貯金額の人が聞いたら、「私は平均の半分以下しか貯金できていない・・・」と考えてしまいがちですが、この数字は先ほどの1,000万円以上保有している層が数字を引き上げてしまっているのです。
一方で中央値を見てみると、なんと25万円。40代の人を金融資産保有額順に並べていって、ちょうど真ん中に当たる人の保有額が25万円なのです。
平均値と中央値でだいぶ変わってくることがお判りいただけたかと思います。ですから、平均値は、気になるところではありますが、あまり「平均」ということに意識を向けすぎないことも必要です。

・ファミリー層の貯蓄額
次にファミリー層での状況はどうでしょうか。
<図表3>にありますように、2016年の国民生活基礎調査によると、全世帯の14.9%が貯蓄なしという結果になりました。シングルに比べると、貯蓄率は高いということがわかります。
それでは、貯金を300万円があるという場合、全体のどの辺りに位置することになるのでしょうか?
各種世帯の貯蓄額別の割合
先ほどと同じように<図表3>を基に、貯蓄額が300万円未満の世帯の割合を計算すると、全世帯の36.9%、児童のいる世帯の41.7%、母子世帯の71.1%、高齢者世帯の33.5%で貯蓄額が300万円未満であるということになります。

母子家庭においては、収入額自体が他の世帯よりも低い傾向にありますので、かなり貯蓄状況が厳しいということがわかりますが、他の60~70%の世帯において300万円以上の貯蓄があるということになりますので、ファミリー層での貯金300万円という金額は、全体的にみると、やや低めの金額となってしまうことがわかります。

・貯金300万円は多いの?少ないの?
一連のデータをご覧になっておわかりになったように、年代ではもちろんのこと、家族の形態や、その状況によっても大きく変わるということがわかりました。
同じ年齢でも独身・既婚者では、ライフスタイルは異なりますし、同じ既婚者でも子どもの数、年齢、住宅を購入しているか、賃貸住宅に住んでいるかなど、その家庭の状況はさまざまです。そもそも貯金とは何のためにするのかを考えると、「将来使う予定のもの(こと)に対して、貯めるお金」です。その「将来に使う予定のもの(こと)」はその人・家庭によっても異なりますし、それが必要になる時期も異なります。

たとえ今300万円の貯金があったとしても、すぐに300万円以上の費用が必要であれば、「今の貯金額300万円では少ない」ということになり、この先数年、まとまったお金は必要ないということであれば、「今の貯金額300万円は多い」ということができるかもしれません。
タイトルにある「私の年齢で貯金300万円は多いのか?」というご質問に対する答えは、「その人の今後のライフプランによります。」ということになります。

・貯金がいつまでにいくら必要なのかが重要
貯金をすることは大事なことでありますが、「貯金すること自体」が目的になると、生活に我慢を強いることになって、ストレスが溜まったり、今の生活を楽しめないということになるのは、本末転倒です。ストレスが溜まった結果、貯めたお金を高額なお買い物に一気に使い果たしてしまうケースもあります。

また、貯めたいといくら思っていても、具体的な目標がなければ、どの位貯めていったらよいのかわからず、少し貯金が貯まってくると、「このくらいなら使っても大丈夫かな」と、せっかく貯めたものが気づいたら、なくなってしまうなんていうことが起こります。

そこで、貯金をしたいと思っているのにうまくいかないという人、あるいは、いくら貯金していても不安が一向になくならない人に、まずやっていただきたいことは、「将来何に、いくら必要か」を書き出していくことです。書き出すことによって、目標に向けてどう貯金していくのか、また貯まったお金を運用に回すのかどうかなどをより具体的に考えることができます。

貯蓄のお悩みをファイナンシャルプランナーに無料相談しませんか

実際300万円貯めるために、有効な方法は?

それでは、実際に貯金300万円を貯められた人は、どのように貯めてきたのでしょうか。なかなか貯金が増えないと、「投資をして運用もはじめれば貯金額が増えるのではないか」と考える人もいるかもしれませんが、300万円を確実に貯めてきた人は、まずは着実に「貯める」ことを実践しています。

・何はともあれ<先取貯金>
何度も聞いた言葉だとは思いますが、貯金を継続していくにあたって、一番強力な効果を発揮するのは、「先取貯金」です。人は「口座にお金が残っている」と思うと、ついつい使いたくなってしまう生き物なのです。「残さなければ」と一生懸命我慢するのは、至難の業。

本来は、今使えるお金を自分のあるいは家族の幸せのために、どう使っていくかを考えるところにエネルギーを注ぎたいところなのに、「お金を残さなきゃ」「これは使ってよいのだろうか」に、とても大きなエネルギーを消耗した上、結果を残せず自己嫌悪という悪循環では、貯金は決して増えることはありません。

先取りした貯金を、普段使わない、あるいは使えない場所にお給料の支給と同時に移してしまえば、自動的にその金額の中でやりくりすることになります。上記で述べた「今使えるお金をどう使っていくか」を考えることに集中できる訳です。

最初は心もとなく、不安かもしれませんが、やりくりのトレーニングにもなる上、貯金できた喜びとやりくりができたことに自信を持つことができ、「もっと先取りしても大丈夫かもしれない」という好循環が生まれます。

また、先取貯金を早いうちから始めることで、一定の額を積み上げることができれば、長期的な資産運用も可能となります。運用といっても、定期預金に預けることも、立派な運用です。

・特別費の管理の徹底
毎月ではないけれど、年に1回~数回あるような出費、いわゆる<特別費>の管理が家計管理の大きなポイントの1つ。確実に貯金を増やしている人は、1年間にかかる<特別費>をしっかり計算して、通常の生活費とは別に貯めておくことができています。

年払いの税金、会費や保険料、家族のお祝い事、子どもの習い事の教材や合宿費、車検費用などは、1年間でどれくらい必要なのかしっかり把握して、事前に準備しておけるようにすると、せっかく貯めたお金がいつのまにかなくなってしまうということはありません。この特別費は生活費とは別に取っておき、必要なときだけ引き出して使うという形にします。

・予備費も確保
生活していく上で、上記の特別費以外に、本当の意味で「急な出費」というのはどうしても出てきてしまいます。例えば、家電が壊れる、冠婚葬祭費、などはいつ起こるかはわかりませんが、逆にいつでも起こり得ることなので、いざというときに慌てないように<予備費>として確保しておくと、急な出費による家計の乱れを防ぐことができます。

貯金ができている人は、そういったリスクに対する準備ができている人が多いです。年に10万円程を<予備費>として備えておいて、使わなければ貯金として積み上げます。翌年は翌年でまた<予備費>を設定します。毎年10万円予備費として確保しておくことで、仮に10万円以上の急な出費が発生したときにも、前年の繰越したものがあれば、心にもお財布にも余裕があるのでストレスにもなりません。<予備費>も<特別費>と同様生活費とは別に保管します。

もっと増やしたい!運用はどう考える?

300万円貯める方法はわかったけれど、ただ銀行や郵便局で預けっぱなしではなく、やはりもっと「増やしていきたい」と考えた際、「今ある資産を運用する」ということになります。

広義では、銀行や郵便局に預けることも、利子を受け取るので、運用の1つではありますが、投資することで、税金の優遇を受けることができるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(確定拠出型年金)などの制度を国が推し進めていることもあり、「貯蓄から投資へ」という世間の風潮が強まりつつあります。

確かに、投資をして運用することで、資産を大きく増やしてくことは可能ですが、デメリットとしては、やはりタイミングによっては、損失を出してしまうリスクがあるということです。ハイリスク・ハイリターンといわれるように、資産を大きく増やせるものほど、その分損失も大きくなる可能性があります。

コツコツ貯めてきた大事な資産なのですから、増やしたいといっても、そんなに大きなリスクを取りたくはありませんよね。その場合は、あまりリスクの高いものに投資をするのではなく、長期的に少しずつ、そして分散投資といわれるように、さまざまな種類の投資先に分散させて投資していくのが、リスクを抑えて大事な資産を増やすポイントとなります。
投資するお金は、すぐに使う予定のないお金、つまり多少の資産の変動があっても、生活に支障のない余剰資金をあてます。また長期的に運用を続けていくためには、自分の精神的な負担にならない程度のリスクを取ることが大切になります。

ここには個人差がだいぶあります。多少大きく変動しても、あまり動揺しない人もいれば、少しの変動でも気になってしまう人もいます。あまり気になるようですと、ストレスになり、日常生活に支障がでることさえあります。自分が運用をするにあたって、どのくらい資産が減っても大丈夫かどうかは事前に考えておくとよいでしょう。

ライフプランから貯金目標を決めましょう

先ほどもお伝えしたように、貯金の目標額やその必要となる時期は「人それぞれ」違います。その目標を達成させるために、どのように貯めていくか、運用をどの程度やっていくのがよいのかを考えていくにあたり、まずはライフプランから貯金額を算出してみましょう。

・簡易キャッシュフロー表を作成する
今回、取り組んでほしいのは「簡易キャッシュフロー表」の作成です。このキャッシュフロー表作成の大きな目的は、将来にやりたいことにかかる費用、子どもにかける費用、住宅や車にかける費用など、通常の生活費、特別費以外に、貯金しておかないと対応できない支出予定を書き出すことで、改めて長期的な貯金の必要性を認識していくということ、そしていつまでにいくら必要か、より具体的に把握することです。

<図表4:簡易キャッシュフロー表>をご覧ください。この表でのポイントは、「家族の名前&年齢」、そして「ライフイベント」の部分です。ライフイベント以下の部分は、家計簿をつけている人は、普段既に把握している部分だと思います。もし、家計簿をつけていないということであれば、今回をよい機会ととらえて、1年の生活費について、振り返ってみましょう。

家族の年齢を書き出すと、子どもの受験・進学などイベントがはっきりしてきます。また車を所有している人であれば、このあたりに買い替えが必要かなと考えることができます。住宅を購入している人は、一定の年数が経てば、メンテンナンス費用が必要になりますし、賃貸の人も更新料や今後引っ越しの予定があれば、引っ越し費用が必要となります。

このように先々のイベントを具体的に書き出してみることで、「何年後にどのくらいの費用が必要になるのか」ということがはっきりしてくるのです。<図表4>では5年後までの表になっていますが、ぜひ10年後、20年後と、未来のお金についてできるだけ具体的にしていくことをおすすめします。

金額を具体的にすることで、貯金に対するモチベーションは確実に変わり、具体的な行動、つまり実際にどのくらい貯金が必要か、貯金だけでは足りない場合、どの運用方法をとっていくと目標に近づけるのか、リスクはどのくらい取れるのかということを、順を追って考えることができるのです。

簡易キャッシュフロー表を自分で作成することで、自分の未来についてより深く考えることになります。その際に、ファイナンシャルプランナーのような専門家に依頼して「ライフプラン」を作成すると、収入・支出・資産運用・年金・保険・退職金など、より多くのデータを組み合わせた、詳細なお金の流れ(キャッシュフロー)を基に、現状を分析し、改善案まで提案してもらうことができます。

人生100年時代と言われる昨今においては、貯金額もさることながら、ライフプランも本当に人それぞれ違ってきます。正解がないからこそ、自分で納得できるライフプランを立てたいものです。

また、運用についても、役立つ情報やアドバイスをもらうこともできます。自分で判断して始めることももちろんできますが、さまざまな投資先、投資スタイルがあり、自分ではなかなか判断しきれないこともあります。ぜひFPなど専門家からのアドバイスを基に、自分に合う運用方法をみつけていただきたいと思います。

将来、「もう少し貯金があれば〇〇ができたのに・・・」という後悔をしないためにも、専門家のアドバイスを基に、じっくり今後のライフプランと向き合った上で、貯金や運用の実行に移してみてはいかがでしょうか。

※本ページに記載されている情報は2019年7月21日時点のものです

【参考文献】
「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)2017年」(金融広報中央委員会)
「2016年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)

山本美紀(やまもと みき)

ファイナンシャルプランナー<CFP(R)>、家計整理アドバイザー認定トレーナー、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー 家計相談を中心とした個人相談や家計整理講座の講師、ママ向けマネーセミナー、執筆活動を行っている。ご相談者の大半が30代~40代の子育て世代であり、同じ母親として気軽に相談できるママFPとして活動している。