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FPが教えます!「一人暮らしの家賃」相場と決め方

「自分の家賃って高すぎ?」「みんなはいくら払ってるの?」などと気になる一人暮らしの家賃。一人暮らしは気楽だけど、経済的にもう少し楽になりたいと考える人は多いようです。家賃相場を知り、なるべく家計に負担の少ない家賃の決め方を考えてみましょう。

目次

一人暮らしの家賃、みんないくら払ってる?

公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が毎年実施している「一人暮らしに関する意識調(2018年)」によると、現在一人暮らしをしている人が支払っている家賃平均額は5万8,800円。年齢層を「18歳~20歳代」「30歳以上」に分けた年齢層ごとの平均額は、前者が5万4,800円で、後者は6万400円と、年齢層が高い方が家賃も高めの様子です。

とはいえ、実際に支払っている家賃の金額は、2万円未満~10万円台と幅広いのが実情です。一人暮らし全体では、4万円台(19.5%)、5万円台(19.5%)が最も多く、次いで6万円台(18.8%)、それぞれ2割近くの人が支払っている家賃価格帯となっています。

年齢層別に見てみても、これらの3つの家賃価格帯が多くなっているようです。「18歳~20歳代」では、4万円台(21.6%)、6万円台(19.2%)、5万円台(18.6%)の順序。「30歳以上」では、5万円台(19.9%)、6万円台と4万円台(18.7%)という順序です。

ちなみに住居のタイプを見てみると、一人暮らし全体では、1K(25.1%)が最も多く、次いでワンルーム(15.7%)、1DK(10.3%)の順になっていて、これら3種の間取りで全体の半数を占めています。

「18歳~20歳代」では、最も多いのは1K(34%)。次いでワンルーム(26.5%)、1DK(11.2%)という順ですが、1Kとワンルームを合わせて全体の6割を占めています。

一方「30歳以上」を見ると、1K(22.1%)、ワンルーム(12.1%)に住む人が多めであるものの、間取りの幅がより広く、2DK、3LDKといった複数人で住めるような間取りに一人で住んでいる人も少なくないことがわかります。5万円台(19.9%)、6万円台と4万円台(18.7%)という順序です。


 

・家賃はさまざまな条件で変動する
これから一人暮らしを始めるという人や、家賃を見直したいと考えている人は、このようなデータを参考にするのもいいですね。とはいえ、家賃は地域・物件タイプ・間取り・設備・築年数等々によってさまざまに変動するものです。公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が提供している不動産に関する全国統計データを利用して、東京都内3地域、地方都市3地域の家賃相場をピックアップし、まとめたのが次の表です。

これらはいずれも駅徒歩10分以内の賃貸アパートを間取り別に算出した平均賃料です。間取りが同じでも地域が異なれば家賃相場は異なりますし、同じ地域で同じ間取りでも設備が異なれば家賃相場に差が出ます。ここでは6地域だけ、かつ、物件はアパート、設備はオートロックの有無だけで確認しましたが、他の条件次第ではさらに相場の幅は広がることが想像できます。

これは筆者がずいぶん昔に実際に経験したことですが、新築間もない小型マンションの6階にワンルームの部屋を借りて住んでいたことがあります。このときの家賃は6万円。立地・外観・内装・設備ともに気に入り、とても住みたい物件だったので6万円という家賃にも納得していました。ところが数年後に実妹が同じマンションの4階に引越してきました。間取りはキッチンの向きが違うだけで、あとはまったく同じです。しかし妹が払う家賃は4万円。階層の違いと入居時の築年数により2万円の差が出たのだろうと想像しますが、それを知ってしまうとあまり良い感じがするものではありません。

同じ建物や同じような間取り物件に住む場合でも、このように家賃金額に差があることを筆者は経験から学びましたが、一人暮らしをする際には重視する優先順位を付けておけば家賃に差があることがわかっても納得して払えるのではないかと思います。

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家賃=収入の1/3とは限らない

とはいえ、家賃は一旦契約したら毎月支払う家計の固定費。固定費のなかでも大きな部分を占めるのが通常ですから、家計に負担をかけないような決め方をしたいものです。

家賃は収入の1/3が理想的とよく言われますが、住む地域や物件によっては1/3になることも、1/3以下に収まることもあり得ます。人それぞれに沿線や駅からの距離、セキュリティなど譲れない条件はあるはずで、それによっても家賃相場が変わるのは先に見たとおりです。

最も大切なのは家計全体のバランスが無理なく保てること。物件を探すときには相場を知ることはもちろん大切なことですが、まずは自分の収入および家計バランスを考えて家賃を検討するようにしましょう。

総務省の家計調査で一人暮らしにかかる生活費の平均(家賃を除く)を確認してみましょう。

これらの数値を見ると、一人暮らしでも男女間で生活費に差があることがわかります。とくに男女間の差が大きいのは、「食費」「被服・履物代」および「理・美容費」。食費については、女性は自炊で食費を抑える一方、男性は外食で食費が膨らむ傾向があることが想像できます。また、「被服・履物代」および「理・美容費」は、女性は男性の倍以上かけていることがわかります。

これから一人暮らしを検討する人は、どういう費目が必要になるか、すでに一人暮らしをしている人も年齢の経過と共にどういう費目が変動しそうかを把握して、自分の場合はどうなのかを予測しながら全体の生活費を見積もってから家賃に充てられる予算を検討するようにしましょう。

・地域が違えば生活費相場も変わる
地域が違えば家賃相場が変わるように、生活費の金額も変わってくるものです。先に見た総務省の家計調査で、今度は一人暮らし世帯のデータを地域別に、地域差が出やすい費目をピックアップして見てみましょう。


 

住む地域によって生活費の平均額が違っているのがわかります。自分自身の状況に照らし合わせながら家賃を検討することは前述したとおりですが、このようなデータも参考にしておくといいでしょう。

・安い物件が良いとは限らない場合も
家計のことを考えると、固定支出である家賃は少ないに越したことはありません。しかし、仕事や生活スタイルによっても支出の内容や金額は人それぞれに異なるものです。

たとえば、正社員だと給料とともに通勤交通費が支給される場合がほとんどですが、派遣社員の場合は交通費が支給されないことは珍しくありません。派遣の場合、数カ月~数年ごとに勤務先が変わることがありますが、できるだけどんな派遣先にもアクセスしやすい沿線・駅近などの物件を選ぶのが時間や労力の面で助かりますね。

一般的にこのような物件は家賃相場も上がる傾向にありますが、自身で負担すべき交通費を考えると、家賃が多少高めでも家計全体では支出が抑えられる場合もあります。

このように、いまの自分自身の状況に照らし合わせながら検討するようにしてください。

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引越し費用や緊急事態に備えて貯金することも大事

将来的な引越しやいざという時のために備えて貯金をしていくことも大切です。先に見た生活費相場のなかには預貯金や保険料は含まれていないことにお気づきでしょうか。単純に、これらの生活費の金額と自分が希望する地域・物件の家賃相場を合計し、自分の給料と比べてみて払えるかどうかと検討するのはおすすめできません。

前述した筆者の例ではないですが、最初は納得して家賃を払っていても、後々他者のようにもっと安い家賃を希望して引越しを考えるようになる可能性もあります。また、派遣社員など勤務先が変わりやすいなどの事情で引越しを余儀なくされることもあるでしょう。

また、一人暮らしの人は「病気の時の不安」や「空き巣や強盗などの防犯面」などの不安を抱える人が多いようですが、いざという時のために緊急予備資金をきちんと貯金しておくことで経済的な面では不安が和らぎます。このようなことを考慮して、毎月きちんと貯金ができるように家賃を決めることも大切です。

・住み替えにかかる費用は?
賃貸住宅へ入居する場合、敷金や礼金などの初期費用がかかります。地域や慣習によっても異なりますが、一般的には家賃の5~7カ月分が目安です。内訳は次の通りです。
・敷金(保証金):家賃の1~3カ月分
・礼金:0~2カ月分
・不動産業者への仲介手数料:家賃の1カ月分
・前家賃:家賃の1カ月間分


たとえば、月額家賃が6万円の物件なら、初期費用として6万円×5~7カ月分=30万円~42万円が目安です。それに加えて火災保険料が1~2万円かかります。

また、いまの一人暮らし物件を退去する際にも「ハウスクリーニング費用」が徴収される場合もありますし、引越し代もかかることを忘れてはいけません。

・緊急予備資金はいくら?
緊急予備資金は病気やケガで休業したり、万一の失業などで収入が途絶えてしまう場合や家電製品が壊れたときなどの非常事態に備えておくお金です。生活費6カ月分程度を目安に貯金を確保しておくようにしたいものです。

緊急予備資金はすぐに必要ではないものの、いつ起こるかわからない事態に備えるお金です。のんびりせずにできるだけ早めに貯めることを目標に、毎月定期的に貯金していきましょう。

・貯金は先取りが鉄則
確実に貯金していくためには「使うより先に貯める」習慣を身につけること
です。一人暮らしの人は家賃や光熱費を払ったり、自分で食材を買いに行ったりしなければいけないため、給与をもらったら先に生活費分を確保して余れば貯金をするように考える人も多いようですが、結局お金が余らない……ということになりかねません。

あらかじめ月々貯金に回す金額を決めておいて、給料が入ればまず貯金する先取り貯金の仕組みを作っておきましょう。一度手続きをしておけば、その後は毎月一定金額が自動的に貯まっていきます。

たとえば、勤務先に財形制度がある人は、給与天引きで財形貯蓄をするのがおすすめです。給与天引きできる制度がない人は、銀行の自動積立などでもいいでしょう。その際は、引落し日を給料日から限りなく近い日に設定しておき、残高が消えないうちに貯金に振り替えてしまう方法がおすすめです。

・家計管理を怠らず、節約に努める
先に貯金分を取り除いてしまうため、使えるお金が少なくなりますから節約に努めなければいけません。家賃以外にも光熱費・水道代・通信費などの固定費を節約するように工夫してみましょう。

前述、「一人暮らしに関する意識調査」によると、一人暮らしに欠かせないツール・グッズは「スマートフォン」「テレビ」「パソコン」が三種の神器と言えるほど群を抜いています。一人でいる気楽さと寂しさからスマートフォンやパソコンでゲームをしたりアプリを使用する時間が長くなることが考えられますから、通信費が上がりすぎないように契約内容を工夫したり、余計なアプリやオプションを契約しないように心がけましょう。

また、帰省や出張、旅行などでしばらく留守にする際には、コンセントを抜くだけでなく、ブレーカーを落とすことで節電につながります。小さなことの積み重ねも節約のコツと知りましょう。

きっちり記帳する必要はありませんが、表計算ソフトやアプリなどの自分に合う方法で家計簿をつけ、毎月の収支をきちんと管理するように努めましょう。

一人暮らしの家賃を抑えるコツを知っておく

階層が違ったり、入居時の築年数など少しのズレで2万円の差がつくこともあるのが家賃です。物件探しに譲れない条件は人それぞれにあると思いますが、なかには譲歩できるものもあるかもしれません。一人暮らしの家賃を抑えるコツも知っておきましょう。

・駅徒歩を気にせず選ぶ
駅から近ければ近いほど家賃が高くなるのが通常です。譲れる範囲で駅からの距離範囲を広げてみましょう。

・築年数を気にせず選ぶ
同様に、築年数が浅ければ浅いほど家賃が高くなっていきます。築年数が長くてもキレイで住み心地の良い物件はたくさんありますし、最近ではリフォームで使い勝手が良くなっている物件も多いようです。築年数へのこだわりをなくすことで家賃が抑えられる可能性は充分にあります。

・最寄り駅を変えて選ぶ
同じ路線でも最寄り駅によって家賃の高低は大きく変わります。通勤時間など許容範囲のなかで、1駅~2駅ずらして平均家賃相場が安めの駅を見つけるようにしてみましょう。

さまざまな条件で実際の家賃が変わるため、「こういう物件ならいくら」と明確に言えないのが家賃の悩ましいところです。まずは自分の収入と生活費・貯金の状況から拠出可能な家賃金額を決めておき、不動産業者に相談してみましょう。

その際には事前に平均家賃相場をチェックしておくことも重要です。平均家賃相場は公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会のサイトのほか、さまざまな民間不動産業者のサイトなどで調べることが可能です。複数のサイトを見比べてみることも大切です。


※本ページに記載されている情報は2019年7月11日時点のものです

【参考文献】
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会:2018年一人暮らしに関する意識調査(別冊)
https://www.zentaku.or.jp/wp-content/uploads/2016/08/%E4%B8%80%E4%BA%BA%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%84%8F%E8%AD%98%E8%AA%BF%E6%9F%BB_%E5%88%A5%E5%86%8A.pdf
ほか

續 恵美子

生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。 エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/)