定期預金のメリットは?最大限使いこなす工夫をFPが教えます | リクルートの保険比較サイト【保険チャンネル】

定期預金のメリットは?最大限使いこなす工夫をFPが教えます

多くの人が利用している定期預金。利息が少ないので、このままでいいか迷っている人は多いのではないでしょうか。外貨定期預金の方がメリットがある?1カ月など預入期間を短くすればOK?
そんな迷えるあなたに、定期預金の活用法についてレクチャーします。

目次

■定期預金のメリットや注意点は?

まずは定期預金のメリットや注意点を確認してみましょう。

・定期預金は「貯める」のに適した金融商品
定期預金は「お金の置き場所」として適した商品といえます。
金利が普通預金より高いですし、預け入れもATMでいつでも簡単にできるものが多いですから、気が向いたときにとりあえず定期預金に、という人は結構いらっしゃるでしょう。
基本的には満期まで引き出すことができないことや、解約の手続きがやや面倒という難点もありますが、これはデメリットととらえずにメリットと考えましょう。知らず知らずのうちに使ってしまうことを防ぐことができるからです。

・安全性を重視するなら定期預金
定期預金は、資産運用の視点からみると「安全性」の高い金融商品の代表選手です。安全性が高いというのは、つまり元本割れしないということです。また、預金保険制度の対象となっている点も安全性が高いポイントとなります。
預金保険というのは、金融機関(銀行など)が破綻したときに、預金保険機構が元本1,000万円まで保証してくれる制度です。ただし、日本の金融機関の海外支店や外国銀行の在日支店は対象ではありません。また、定期預金の中でも、外貨建てのものや仕組預金の一部については対象外となりますので注意が必要です。

・総合口座を使えば当座借越が使える
総合口座は、普通預金と定期預金の口座がひとまとめになっています。「ためる」「ふやす」「受け取る」「支払う」「借りる」といった機能がセットになっている便利な口座ですので、多くの方がメインバンクの総合口座を持っていると思います。
総合口座の内訳は金融機関によって違いがありますが、自動定期積立や貯蓄預金、中には国債などの公共債が含まれる金融機関もあります。
総合口座で定期預金を作るメリットは、当座借越が使えることです。当座借越は、クレジットカードの決済や公共料金の引き落としのときに残高不足になってしまったとき、定期預金を担保に自動借入れができる仕組みです。普通預金の残高が足りなくなって定期預金を解約したり、カードローンを組んだりすることに比べれば、手間がかかりませんから、万一のときのために総合口座で定期預金を作っておくと便利です。ただし、当然ですが利息の支払いが必要ですから、返済はできるだけ速やかにしましょう。
筆者もまだ学生で一人暮らしをしていたときは、毎月の収支残高がギリギリの生活をしていましたので、当座借越に何度かお世話になったことがあります。引き落としができなかったことで、知らないうちにブラックリストに載ってしまったり、サービスが使えなくなってしまったりするのは困りますから、大変助かりました…。

・銀行独自のサービスを受けることができる
定期預金の残高などの条件を満たすことで、ATM利用料や他行への振込手数料がオトクになったり、住宅ローンの金利が安くなるなどのサービスを受けたりすることができる場合があります。

・定期預金は障害者等のマル優制度が使えます
預貯金の利息には、通常、税金(2019年6月現在の利率は20.315%)がかかります。
通帳に載っている受取利息の金額は、税額が源泉徴収されたあとのものとなっていますので、意識しないと分からないかもしれません。
これが障害者等の場合は預貯金など元本350万円までの利子について、税額が免除される制度があります。これを通称、「障害者等のマル優」と呼びます。

■定期預金の選び方:種類と預入期間をみてみよう

定期預金にも色々と種類があります。特徴を知って、ご自身に合ったものを選びましょう。

・預入期間や金利のいろいろ
定期預金の預入期間は、一般的には長ければ長いほど金利が高くなる傾向にありますが、ここ最近は低金利が続いており、期間での金利差がついていないのが実情です。
大手都市銀行の2019年6月現在の預入期間は1ヶ月から10年まで幅広く選択できますが、金利はいずれも0.01%となっています。普通預金は0.001%ですからそれと比べたら10倍ですが、たとえば100万円を定期預金に1年預けてもその利息は100円です。
注目したいのはネット銀行です。1年定期の金利は0.02%からあり、キャンペーン中の定期預金では0.35%というものもあります(※条件あり)。
現在のような金利が低い局面では、期間が短いものを選び、満期がきたときに金利が高いものに乗り換えられるようにしておくのがよいでしょう。逆に、金利が高めでこれから下がっていくと予想される場合は、預入期間を長めにしておくほうがオトクです。
変わり種もあります。地方銀行などで、地元のスポーツチームが勝利すると金利が上乗せされたり無料観戦チケット抽選に参加できたりするものや、災害復興支援のための資金を集めるために一定期間のみ金利が上乗せされるものなどです。

・積立定期預金でコツコツ貯める!
手間をかけずにコツコツとお金を貯めたい人におすすめなのは、積立定期預金です。「貯金」を目的にするのであれば、毎月の給与振込のタイミングに合わせて積立を使い、先取り貯金をすれば、毎月あまり意識せずにお金を貯めることができますね。
積立定期預金は、一般的には毎月一定の金額を、普通預金からの自動振替で積み立てることができます。金利は、積立ごとに決まります。もちろん、資金に余裕があるときは、追加で入金することも可能です。

・外貨定期預金は為替の変動に注意
外貨定期預金は、預け入れる金額や期間、通貨にもよりますが、金利が高いので興味を持っている人も多いでしょう。基本的な仕組みは日本円の定期預金と同じですが、円を外貨に交換することが必要です。
円と外貨を交換するときには、一般的に、為替手数料がかかります。為替手数料は、金融機関によって異なります。外貨定期預金を作るとき、つまり日本円を外貨に換えるときは、キャンペーンなどで手数料が安くなっていることがありますが、外貨から日本円に戻す際にも所定の手数料がかかることを忘れてはいけません。
満期が来ても日本円には戻さずに、外貨のまま運用を続けたり、外貨で現金化したりすることも可能です。 外貨定期預金で一番気を付けなければならないのは、為替が変動するリスクです。為替レートの動き次第で損することも得することもありますので、利息がついたとしても最終的に元本割れしてしまう可能性もあります。また、逆に為替差益が出た場合は、雑所得として確定申告が必要になる場合があります。
また、外貨定期預金は預金保険や障害者等のマル優制度の対象外ということにも注意が必要です。

・仕組預金は要注意
預金と名のついたものの中でも、期間延長特約付預金などのいわゆる「仕組預金(デリバティブを組み込んだ預金商品)」は、金利が一般の預金よりも高い一方、内容が複雑で、元本割れのリスクがある場合などがあります。内容をよく理解できない場合は、手を出さないほうが無難でしょう。

■満期がきたとき・解約するときは

定期預金に満期がきたときにどうするか、というのは、基本的には預け入れるタイミングで決めます。一般的には、以下の3つのパターンから選びます。

(1) 元利自動継続:当初の元金と利息を合算した金額を元金として、同期間の定期に継続
(2) 元金自動継続:利息を普通預金に入金し、当初の元金で同期間の定期に継続
(3) 自動解約:当初の元金と利息を合算した金額を解約(通常は普通預金に入金)

自動継続の場合は、満期が来た時点の金利で、継続されます。(1)の元利自動継続は、満期がくるとそれまでの利息が元本に含まれますので、複利の効果があります。少しでも増やしたい、という方は(1)を選ぶとよいでしょう。また、満期時の資金の使い道が明確に決まっている場合は(3)を選べば、解約の手続きをしなくて済みます。
満期時の取り扱いを途中で変更することは、満期前であればほとんどの金融機関で可能です。

・中途解約しても元本割れはしない
定期預金は、原則として期間中の中途解約はできません。
でも、どうしても中途解約が必要になることはありますよね。結論から言いますと、定期預金の中途解約は可能です。金利のペナルティがありますが、元本への影響はありません。

・定期預金の放置には注意
2009年1月1日以降の取引で10年以上放置されているものは、「休眠預金」となってしまいます。休眠預金というのは、2018年1月1日に施行された休眠預金等活用法という制度の対象になる預金のことで、休眠預金は預金保険機構に移管され、民間公益活動のために活用されます。
定期預金も10年以上放置すると休眠預金となってしまいますが、いったん休眠預金となってしまうともう戻ってこない、ということではありません。もし休眠預金があったら、その金融機関で手続きをすれば、引き出すことは可能です。

■定期預金以外の金融資産も検討してみよう

さて、本記事を読んでくださっている方の中には、「定期預金ではお金が増えないから、他の金融商品にもちょっと興味がある」という方もいらっしゃるでしょう。当面使う予定のない余裕資金があれば、将来に向けて定期預金以外の運用方法にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。初めての場合は、比較的リスクが低く、手間がかからないものがおすすめです。いくつかお教えしますね。

・公共債
公共債には、国が発行する「国債」、地方自治体が発行する「地方債」などがあります。預金保険の対象外なのですが、国や地方自治体が発行しているので安全性が高く、定期預金より金利が高い場合が多いです。 例えば国債の場合、固定3年・固定5年・変動10年の3種類があります。金利は経済環境などによって変化しますが、年率0.05%の最低金利保証があるのが魅力です(税金は差し引かれます)。
国債や地方債の取り扱いの有無は、金融機関によって違いますので、興味のある方はまずは問い合わせてみましょう。

・投資信託
投資信託はお金を「投資」する金融商品のひとつです。投資信託にはいろいろな種類がありますが、初めての場合は日経平均株価やTOPIX(東京株価指数)など、特定の指数(これをインデックスといいます)の動きに連動するように運用される「インデックス型」が分かりやすく、手数料も低めなのでおすすめです。
ただし、元本割れのリスクがありますので、リスクを抑えるためにも、購入する場合は最低限の知識を持っておくことが理想的です。逆に、きちんと勉強すれば、少ない労力で有利な運用ができる可能性が大きくなります。
投資信託にはたくさんの種類があり、取り扱っている商品も、金融機関によって大きく異なります。

・iDeCoで節税しながら定期預金ができる!
最後に、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を見ていきます。
iDeCoは自分の年金を作るために、自分で申し込み、自分で掛金を拠出し、自らが運用方法を選ぶ制度なのですが、この「自らが運用方法を選ぶ」というところで「定期預金」という選択ができます。
どういうことなのか、なぜiDeCoなのか、概要を説明します。

iDeCoのメリット
iDeCoは毎月コツコツと自分用の年金を積み立てていく制度なのですが、大きなメリットは「節税の効果が大きい」という点です。
節税できるポイントは3つあります。

(1) 毎月拠出する掛け金
(2) 運用益・利息
(3) 受け取る年金や一時金

分かりやすいのが(1)と(2)です。
(1)の掛け金は、全額が所得から控除できます。
iDeCoは毎月5,000円から始めることができるのですが、5,000円(年間60,000円)を積み立てたとすると、その全額の60,000円が、年末調整などで所得控除することができるのです。年末調整でおなじみの生命保険料や損害保険料の控除に上限があることをご存知の方は多いと思いますが、それと比べてみても、効果が大きいことは納得できるのではないでしょうか。
また、(2)ですが、運用益・利息に税金がかかりません。定期預金の利息は税金が引かれることはすでにご説明しました。金額は少ないですが、この利息にかかる税金もかかりません。もちろん、定期預金以外の金融商品で運用して、運用益がでた場合も税金がかからないのは大きなメリットと言えます。

iDeCoの注意点
iDeCoは自分年金を作る制度ですので、原則として60歳まで引き出すことができません。また、職業やご自身・お勤めの会社の年金制度の状況によって、掛け金の上限や制度活用の可否が異なりますので、確認が必要です。
iDeCoの運用商品は、自分で選ぶことになりますが、ここで「定期預金」を選択した場合の注意点も理解しておきましょう。

「とりあえず貯めておく」は定期預金、「ちょっと運用してみたい」は投資信託など、そして「節税しながら長期的に貯めたり増やしたりしたい」はiDeCo、と使い分けてみてはいかがでしょうか。
そもそも余裕資金はどのくらいあるのか、運用する場合はどうしていくのが自身にとってベストなのか、迷ってしまった場合は、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談してみることをおすすめします。

※本ページに記載されている情報は2019年6月1日時点のものです

【参考文献】
・国税庁 タックスアンサー
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1313.htm
利用規約: https://www.nta.go.jp/chuijiko/riyokiyaku.htm
・休眠預金活用法 Q&A (金融庁)
https://www.fsa.go.jp/policy/kyuminyokin/kyuminyokinQA.pdf
利用ルール: https://www.fsa.go.jp/rules/
・全国銀行協会
https://www.zenginkyo.or.jp/article/keywords/5199/
https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-b/5152/
https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-b/10117/
・預金保険機構 HP
https://www.dic.go.jp/yokinsha/page_000105.html
・財務省HP
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/
・iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)
https://www.ideco-koushiki.jp/guide/

岡田 のりか(おかだ のりか)

FPオフィス ナチュール代表

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、米国公認会計士 会計事務所勤務・フリーの翻訳者(金融分野)を経て、2016年ファイナンシャル・プランナーとして独立。コラム執筆や個人相談を中心に活動中。 FPオフィス ナチュール代表