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貯金を中央値で読み解く!気になるみんなのリアルな貯金額

貯金額を知るなら中央値をチェックしましょう。平均値よりも中央値のほうがよりリアルな貯金額を知ることができます。どうして中央値を見るのがいいのか、その理由と、貯金額の考え方やすぐにでも活用したい貯まるしくみをお教えします。

目次

貯金額を比較するときリアルな数値として目安になるものは?

「先輩、貯金が少な過ぎますよ!」これは筆者が会社員時代に後輩から言われたことです。
私は毎月の収入とボーナスをコツコツ自分なりに貯金してきたつもりでした。「これくらいあれば十分かな?」と自分では納得していたつもりでしたが、どうやら人よりは少なかったようです。
「みんな、どれくらいの額を貯金しているのだろう?」そんな疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、みんながリアルにどれくらい貯金しているのか、その目安となる数値をお伝えするとともに、効率よく貯金する方法も見ていきます。

「ほかの人はどれくらいの額を貯金しているのだろう?」こんなとき、参考になるのが統計資料です。総務省では家計調査を行っており、その統計結果の中で「貯蓄額の平均値」を公表しています。
同じくらいの年代の人と自分の貯金額を比較したいとき、この平均値が目安となりそうですが、もう1つ、よりリアルな貯金額を知ることができる数値があります。それは、全体のちょうど中央に位置する値を示す「中央値」です。
この「平均値」と「中央値」ですが、両方の値を比べてみると、実際はズレが生じています。「平均値」とは全体の数値をすべて足して総数で割ったもののこと。この場合、極端に大きな額に引っ張られるため、平均値は押し上げられてしまいます。つまり、平均値は本当の意味で中央に位置する値とはいえないのです。
では、よりリアルな値を知る方法はないのでしょうか?このとき、目安となるものが「中央値」です。中央値とは、少ない値から順番に並べていき、ちょうど真ん中に位置する値を指します。今回貯金額を比較するうえで、「中央値」は対象となる人たちのちょうど中央になる金額を表すため、平均値に比べてよりリアルな貯金額を表しているといえるでしょう。

年齢別にリアルな貯金額をチェックしてみよう

上記の表は、金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2018年)」でわかった、年齢別の金融資産保有額を表したものです。つまり年齢別に見た、貯金として持っている金額になります。ここで平均値と中央値の差を見てみましょう。たとえば、30歳代の二人以上の世帯では、平均値が810万円のところ、中央値では500万円となっています。2つの数値を比較すると、かなり開きがありますね。平均値は30歳代の中でも極めて貯金額の多い人の値を含んでの平均となるため、どうしても大きな金額に引っ張られてしまうためです。けれども中央値の場合、貯金額の少ない人の額から順に並べていき、ちょうど中央に当たる額になっているため、貯金額が極端に多い人がいたとしても、その数値の影響を受けることはありません。つまり、中央値はよりリアルな貯金額を表していることになります。あなたの年代の数値を比べていかがしょうか? もし表の数値よりも貯金額が少ないようであれば、もう少し貯金に回すことはできるか、家計を見直してみるとよいでしょう。

ただし、中央値よりも自分の貯金額は多いから安心、というわけではありません。これはあくまでも同年代の人が持っている貯金との比較です。実際には、人はそれぞれ理想とする暮らしがあり、必要になるお金の額も変わってきます。また、毎月の収入額も異なってくるため、貯金に回せる額も人によって異なります。
そこで、次の章では貯金額を考える際のポイントについてお伝えします。

長続きする貯金方法とは?FPが教える賢い貯金方法

どれくらい貯金するのがベストなの?貯金額を考える2つのポイント

同年代の人がどれくらいの額を貯金しているのかは、統計の中央値を見ることでわかりましたね。でもここで、ある疑問が浮かびます。
「どれくらい貯金するのがベストなの?」ベストな貯金額は、皆同じというわけではありません。では、自分にとってベストな貯金額はどのように考えればいいのでしょうか。その考え方には2つのポイントがあります。

【ポイント1】毎月の収入から一定額を貯金する
貯金はコツコツとコンスタントに積み上げていくことが理想です。収入の中から、一定額を貯金するように決めておくのがよいでしょう。
その際、毎月の収入からどれくらいの割合を貯金に充てればいいでしょうか。この場合、同年代の人が毎月どれくらいの貯金をしているのかを表す平均的な数値が参考になります。

ではここで、総務省が行った2018年の家計調査から、年齢別で見た貯蓄の割合を見てみましょう。

○可処分所得:
実収入から税金や社会保険料などを差し引いたもの。いわゆる手取り収入のこと。
○預貯金純増:
1ヶ月の預貯金から口座から引き出した額を差し引いた額。ここでは預貯金額とみなす。および、可処分所得のうち預貯金に回した分を%で表したもの。

この表は、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄状況を表しています。これによると、1ヶ月の収入から20歳代は35.1%、30歳代は28.0%、40歳代は22.4%、50歳代は22.0%を貯金に充てていることがわかります。少なくとも収入の約2割以上は貯金に回しているということです。
では、単身世帯の場合はどうなのでしょうか?金融広報中央委員会が「家計の金融行動に関する世論調査」において、単身世帯の「年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合」を調査しています。これによると、20歳代は15%、30歳代は14%、40歳代は13%、50歳代は11%を年収から貯金に回しています。最低でも収入の約1割以上は貯金しているということですね。
あなたの貯蓄割合はどうでしょうか?貯金額は家計の状況にもよりますが、毎月収入の15~20%を目安に貯金できるのが理想です。
支出が多い月は理想の貯蓄割合にするのが難しいかもしれませんが、最低でも収入の10%は貯金として確保しておきたいところです。毎月コンスタントに貯金を続けられるようチャレンジしてみましょう。

【ポイント2】ライフイベントから逆算して貯金額を決める
月々の収入から15~20%を目安に貯金するといいとお伝えしましたが、ご家庭によっては住宅ローンの返済中だったり、子どもの教育費が必要だったりで、コンスタントな貯金ができないときもあるでしょう。住居費や教育費は人生において欠かせない費用。一時的に貯金額が減ったとしても、支払いが滞らないように工面していきたいものです。

このように大きな出費が予想されることを踏まえて、貯金額をライフイベントから逆算して考えるのも1つの方法です。
ライフイベントとは、進学、就職、結婚、旅行、出産、子育て、教育資金、車の購入、家の購入、退職、老後の暮らしなど、人生の節目となる大きなイベントのこと。
これらのイベントがあるときは、まとまったお金が必要になります。そのため、事前にどれくらいのお金が必要になるのかを知り、貯金によってお金を準備しておく必要があるのです。
そこで、現時点で想定できるライフイベントをピックアップして、どれくらいのお金がいつまでに必要になるのかを書き出してみましょう。そこから逆算して、1年間で貯めておきたい額、毎月貯金しておきたい額を割り出します。
こうすることで、貯蓄計画が立てられますね。もし毎月の収入だけでは目標額に届かないときは、ボーナスからも貯金したり、目標額を見直したりして調整するとよいでしょう。

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貯金習慣が身に付く「貯まるしくみ」を実践しよう

これまでお伝えしたことを参考に、同年代の人たちがどれくらい貯金しているのかリアルな数値がわかる中央値と比較。そのうえで自分の貯金ペースを見直し、月々の貯金額を決めてみてくださいね。
その次にやっておきたいことは、貯金をコンスタントに続けていけるようなしくみ作りです。貯金の原則は「先取り貯蓄」です。収入を得たら、最初に貯金額を取り分けておくのです。そうすることでコンスタントに貯めていくことができます。
では、「貯まるしくみ」をどのような形で作っていくのがいいのでしょうか。その際、やっておきたいのは、貯金専用の口座を持つことです。貯金を生活費とは別に管理することで、使い込みをなくすことができます。
また、どれくらいの額が貯まっているのかがひと目でわかるので、達成感があります。ただ、貯金専用口座にお金を移す作業は面倒だと感じるかもしれませんね。そんなときは、口座から口座へ自動的にお金を貯められるようなしくみを利用するとよいでしょう。
ではここで、自動的に貯まるしくみとして活用できる貯金方法を見ていきましょう。

・積立定期預金
各銀行が実施している積立定期預金(ゆうちょ銀行は積立定期貯金)は、指定口座から毎月指定した日に一定額が自動的に積み立てられるものです。多くの銀行では1,000円以上から始めることができます。口座を持っている銀行でこの積立定期預金を実施しているのであれば、手続きすればすぐに始めることができ、自動的に貯まっていくので便利です。

・社内預金制度
社内預金制度は、労働基準法で認められているものです。毎月の給与から、あるいはボーナスからの天引きで貯めることができ、いつでも引き出し可能なのがうれしいところ。もし、お勤めの会社で社内預金制度を実施しているのであれば、利用をおすすめします。なぜなら、この社内預金制度は一般の金融機関での利率と比べると格段に高いからです。
その利率は0.5%。2019年7月時点での大手都市銀行における普通預金の利率は0.001%なので、社内預金制度の利率は格段に高いことがわかります。また、厚生労働省は2019年4月以降も社内預金制度の下限利率を0.5%に定めているので、この金利メリットはまだまだ続きそうです。
しかし、1つだけ注意する点があります。それは、社内預金制度はペイオフ(預金保護制度)の対象外だということ。
通常、預金している金融機関が破綻してしまった場合、ペイオフによって元本1,000万円までとその利息等が保護されることになっています。けれども、社内預金制度はペイオフの対象外となるため、もしお勤めの会社が倒産してしまった場合、預けている預金が保護されないというリスクがあります。
そんなリスクを避けるためにも、他の貯金方法と分散しておいたほうがいいかもしれません。

・財形貯蓄制度
財形貯蓄の正式名称は、勤労者財産形成促進制度。これは会社が金融機関と連携し、社員の財産づくりを支援する制度です。
これは国が援助している制度のため、貯蓄方法によっては税的に優遇されます。また、これはペイオフの対象となるため、万一会社が倒産しても、元本1,000万円までとその利息等は保護されます。
財形貯蓄制度には「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類があり、どれも給与やボーナスから天引きで自動的に貯まっていきます。

ではそれぞれの財形貯蓄について見ていきましょう。

<一般財形貯蓄>
一般財形貯蓄は使い道が自由な貯蓄。定期的に3年以上積み立てを続けていくもので、始めてから1年経てば自由に払い出しができます。
貯蓄する商品は金融機関の預貯金や生命保険、有価証券などから選べます。一般財形貯蓄の用途は自由で利用しやすいのですが、残念ながら税的な優遇措置はありません。

<財形住宅貯蓄>
財形住宅貯蓄は、マイホームの購入や建築、リフォームのために必要な資金を貯めるための貯蓄制度です。貯蓄する商品は金融機関の預貯金や生命保険、有価証券などから選べます。
これを利用するには55歳未満であること、5年以上積み立てることなどの要件がありますが、財形年金貯蓄と合わせて貯蓄元本550万円までの利子が非課税になるメリットはうれしいところです。
ただし、住宅以外の用途で払い出しをする場合は、非課税措置がなくなり、過去5年間に支払われた全利息が課税されることになるので注意が必要です。

<財形年金貯蓄>
財形年金貯蓄は、60歳以降に年金として受け取るもので、老後の生活資金を貯めるために利用できる貯蓄です。積立金は、60歳以降に5年以上20年以内の期間で年金として受け取れます。 積み立てを終了してから年金として受け取るまでは5年以内の据え置き期間を設定することができるため、ライフプランに応じて受け取り方をアレンジできます。貯蓄する商品には金融機関の預貯金や生命保険、有価証券などがあります。
財形年金貯蓄を始めるには55歳未満であること、5年以上積み立てることなどの要件がありますが、財形住宅貯蓄と合わせて貯蓄元本550万円までの利子(保険などの商品を利用する場合は払込額の累計が385万円までの利子差益)が非課税になるというメリットは助かります。
ただし、年金以外の用途で払い出すと非課税措置がなくなります。60歳になる前に年金以外で払い出した場合は、過去5年間に生じた全利息に対して課税されるので注意が必要です。
用途以外の払い出しをすると非課税措置がなくなる財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄ですが、場合によっては非課税になる場合があります。たとえば、災害に遭った、年間の医療費が200万円を超えたなど指定となる事情の場合は、非課税措置が受けられる場合もあるので、税務署に確認してみるとよいでしょう。

<つみたてNISA>
2018年1月から始まった「つみたてNISA」は、一定の投資信託を毎月積み立てていく少額投資非課税制度です。少額から始められ、毎年40万円までは収益や分配金が非課税になります。
投資期間は最長20年で、2037年まで非課税で購入することが可能です。つみたてNISA口座へ毎月コツコツと自動的に積み立てられていくので、老後資金など、先に予定されているライフイベントのための資金をつくるのに役立ちます。
また、つみたてNISAで購入できる投資信託は販売手数料がかからず、投資している間にかかる信託報酬は一定水準以下に設定されたものに限定されているため、低コストで投資できるのはうれしいところです。
引き出しは自由なので、いざというときの資金にも利用できるでしょう。つみたてNISAは投資がはじめてという人でも気軽に始めやすい方法といえます。投資できるのは年間40万円までなので、月々に換算したら最大33,000円程度です。
投資信託は元本割れする可能性もあることから、毎月の貯金額の一部だけをつみたてNISAにするのもいいのではないでしょうか。
今回、見てきた貯金方法はほんの一部になりますが、「貯まるしくみ」として続けやすいものばかりです。ぜひこれを参考に、貯金習慣をつけていきましょう。

いかがでしたか? 自分の貯金額は多いのか少ないのかを比較するとき、中央値がリアルな貯金額に近いことと、貯金額の考え方を見てきましたが、参考になったでしょうか。実際の貯金額が決まったら、貯金を続けるための「貯まるしくみ」を実践してみてください。
また、どうしても貯金が捻出できない、または家計のやりくりに不安があるときは、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談してみるのもいいかもしれません。貯金習慣を身に付けるポイントを教えてもらえますよ。

※本ページに記載されている情報は2019年7月21日時点のものです。

【参考文献】 金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(2018年) 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]
https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/futari/2018/
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(2018年) 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]
https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/tanshin/2018/
ほか

前佛 朋子 (ぜんぶつ ともこ)

ファイナンシャル・プランナー <AFP>、ライター、整理収納アドバイザー 10年超ライターとしてメルマガやWebコラムなどを執筆。自分の専門分野を持とうとファイナンシャル・プランーの資格を取得。お金とモノの持ち方にはつながりがあることに気づき、整理収納アドバイザー1級を取得。お金だけでなく暮らし全体の整え方を伝授するべく活動中。お金や暮らしの整理、家計見直し、ライフプランのほか、自らの経験から遠距離介護の相談も行う。