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国民年金と厚生年金、その違いや注意点

【保存版】国民年金と厚生年金、その違いや注意点まとめ

国民年金と厚生年金は、国が定めた公的年金制度です。日本では、20歳以上の人が加入する国民年金、または会社員などが加入する厚生年金のどちらかに加入することになっていて、「国民皆年金」のしくみを取っています。ここでは、公的年金制度の役目と国民年金と厚生年金の違い、詳しい保障内容、将来の受け取りの事例、そして切り替え時の手続き方法なども含め、公的年金制度を一からマスターするための情報をお届けします。

目次

公的年金

■公的年金制度(国民年金・厚生年金)加入者の種類
公的年金制度には次の2つの種類があり、20歳以上の人や、会社に勤めている人は、このどちらかへ加入していることになります。

国民年金:日本国内に住む20歳以上60歳未満の人(自営業者や学生も含まれます)

厚生年金:厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する人

※このほかに、各制度の上乗せ年金制度(基金)などもあります。

日本の公的年金制度では加入している人を「被保険者」と呼びますが、この被保険者には3つの分類があります。自分や家族がどれに該当するかを確認してみましょう。

公的年金制度の加入者の分類と保険料

■国民年金と厚生年金、切り替えの必要な時とは
就職、退職、転職、結婚、離婚など、国民年金と厚生年金の切り替え手続きが必要となる事例について紹介していきます。

会社員や公務員になった時
無職や学生、自営業者の人(第1号被保険者)が、会社に就職したり公務員となったりした場合、第1号被保険者から第2号被保険者への変更手続き(国民年金→厚生年金)が必要です。これは勤務先の会社を経由して行いますので、自分自身が手続きをすることはありませんが、勤務先から年金手帳や基礎年金番号通知書を提出するよう求められます。
ただし国民健康保険については、市区町村役場への「国民健康保険の喪失手続き」を自分で行う必要があります。

結婚した際の配偶者の手続き
厚生年金加入者(第2号被保険者)が結婚して、その配偶者の年間収入が130万円未満の場合には「被扶養者」となり、第3号被保険者となるため、被扶養者の分の保険料の支払いが不要となります。
この手続きは勤務先を通じて行います。配偶者の年金手帳または基礎年金番号通知書などの他、収入を証明する書類や続柄確認の書類などを求められる場合もあります。
また、被扶養者がこれまで国民年金加入者(第1号被保険者)だった場合、公的年金は上記の通り配偶者の会社を通じて行いますが、国民健康保険については、市区町村役場への「国民健康保険の喪失手続き」を自分で行う必要があります。

会社を辞めた時、脱サラした時
会社を辞めて無職となる期間があるとき、また脱サラして個人事業主になった時などは、第2号被保険者から第1号被保険者への変更手続き(厚生年金→国民年金)が必要です。この手続きは、自分自身で行わなければならないので注意が必要です。
手続き方法は、被保険者ならびに被扶養者の二人ともに、退職日から14日以内に居住地の市区町村役場にある国民年金担当窓口に出向いて手続きが必要です。年金手帳または基礎年金番号通知書・退職証明や離職票などの退職日の分かる書類・身分証明書が必要となります。
なお、該当者の配偶者が被扶養者(第3号被保険者)の場合には、配偶者の人も第1号被保険者への変更が必要です。これまでは保険料が無かった配偶者でも、第1号被保険者となるので保険料が発生します。
また転職をする場合、脱退から再加入までひと月以上あく場合にはこの手続きが必要です。手続きを行わないと未納期間が発生することになり、後述する障害年金や遺族年金の給付が受けられない事態が起こる可能性もありますので十分注意しましょう。

配偶者の収入が130万円を超えた時
第3号保険者である被扶養者の収入が年間130万円を超えて、扶養対象から外れた場合にも切り替え手続きが必要です。配偶者ご本人による国民年金または厚生年金の場合は勤務先での加入手続きをするほか、扶養者だった側の人も勤務先を通じて被扶養配偶者非該当届を提出します。

手続きを忘れていた時、未納や重複があった時
できるだけ早めに手続きを行いましょう。国民年金の年金保険料を国が徴収できる期間は納付期限(翌月末)から2年です。2年を超えると収めることはできなくなります。時効で未納となった国民年金の被保険者期間に基づく年金給付は行われません。
また重複があった時は、公的年金の保険料の場合は自動的に返納されます。健康保険の保険料重複は、手続きを行わないと返納されませんので気をつけましょう。

■公的年金制度(国民年金・厚生年金)の役目
ここからは日本の公的年金制度の内容について詳しく説明していきます。 日本の公的年金制度には次の3つの役目があります。

◎老後の生活保障(老齢年金)
◎自分が万一死亡した時に残された遺族のための生活保障(遺族年金)
◎自分自身が病気やケガで障害を負ったり働けなくなったりした時の生活保障(障害年金)

ただし各給付を受けるにはそれぞれに各種の条件があります。詳しくは下記に順番に記載していきますので参考にしてください。

老齢年金

■老後に受け取る老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)
老後に受け取る老齢年金には、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類があります。

老齢基礎年金:国民年金に10年以上加入した人が65歳から受ける、全国民に共通した年金

老齢厚生年金:厚生年金に加入していた人が、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしたときに、65歳から老齢基礎年金に上乗せして受ける年金

◎国民年金加入者(第1号・第3号被保険者)は「老齢基礎年金」を受け取ります。
◎厚生年金加入者(第2号被保険者)は「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」を受け取れる、2階建ての構造になっています。

つまり、国民年金加入者と厚生年金加入者とでは受け取る老齢年金に大きな違いがある点に注意が必要です。その理由は、毎月支払う保険料に違いがあるからです。国民年金保険料は一律の金額ですが、厚生年金保険料は報酬月額に規定の比率を掛けた金額となっていて収入が高くなるほど保険料も上がります。また労使折半の仕組となっているため、給与から差し引かれている厚生年金保険料と同額を更に会社がプラスして支払っています。
厚生年金加入者は、国民年金加入者に比べると(会社負担分も含め)高い保険料を支払っていることになります。そのため受け取る年金額にも差が生じるのです。また、厚生年金加入者の配偶者で年収130万未満の人は、保険料の負担がなくても国民年金に自動的に加入となるなど、厚生年金加入者の世帯には利点が多いと言えます。
とくに国民年金加入者の人は、将来受け取る老後の年金額が厚生年金加入者に比べて思った以上に低いということを知っておき、早めの対策を取ることが大切です。

老後に受け取る公的年金の仕組み

■老齢年金はどのぐらい受け取れる?

老齢基礎年金の受給額
20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた場合に、65歳から受け取る老齢基礎年金の年額は次の通りです。

★平成30年4月分からの年金額 77万9300円(満額) ※毎年改定されます。

月額にすると6万4942円となり、仮に夫婦が共に国民年金加入者の場合、夫婦合わせて月額12万9883円ということになります。

ただし保険料の未納期間があると年金額の計算の対象期間にならないため、その分給付額も減ります。また保険料が全額免除された期間がある場合は、その間の年金額は1/2(平成21年3月分までは1/3)となります。参考までに、国民年金受給者の平均年金月額は平成28 年度末現在で約5万5000円(※)となっています。
※厚生労働省「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より

老齢厚生年金の受給額
老齢厚生年金の受給額は報酬月額によって異なります。日本年金機構や金融機関などが提供している「年金見込み額の試算」を行うWEBサイトを活用して計算してみるといいでしょう。

日本年金機構「年金見込み額の試算」 https://www.nenkin.go.jp/n_net/n_net/estimatedamount.html
なお、厚生年金保険受給者の平均年金月額は、平成28年度末現在で約14 万8000円(※)です。
※厚生労働省「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より

夫婦が受け取る老齢年金のイメージは?
夫婦で受け取る老齢年金のイメージは、夫婦が加入している公的年金の種類によって以下のようになっています。

老後に世帯が受け取る公的年金のイメージ

遺族年金

■被保険者が死亡した時に、遺族が受け取る遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)

公的年金加入者が死亡した場合に、残された遺族が受け取る遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。

遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)

また受給するには、下記の条件があります。

つまり、国民年金加入者は、18歳までの子(障害年金の障害等級1級または2級の子の場合は20歳未満まで)がいないと遺族年金は受け取れない、ということです。 実際に、夫の死亡時に18歳までの子(障害年金の障害等級1級または2級の子の場合は20歳未満まで)がいる場合といない場合で、受け取りがどう違うかイメージ図で見てみましょう。

遺族年金を受け取る条件

つまり、国民年金加入者は、18歳までの子(障害年金の障害等級1級または2級の子の場合は20歳未満まで)がいないと遺族年金は受け取れない、ということです。
実際に、夫の死亡時に18歳までの子(障害年金の障害等級1級または2級の子の場合は20歳未満まで)がいる場合といない場合で、受け取りがどう違うかイメージ図で見てみましょう。

夫の死亡時、18歳到達年度末の子がいない妻の場合

夫の死亡時、18歳到達年度末の子がいる妻の場合

このように、国民年金加入者は自分が万一の時の遺族年金が少ないという点に注意をしてください。その分、民間の保険などでカバーする必要があるということです。

障害年金

■病気やケガによる障害状態で受け取れる障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)

近年「働けなくなった時の保障」が注目されていますが、公的年金にもこの保障があります。基本的に現役世代の人が対象で、初診日(障害年金請求の要因になったケガや病気を医療機関で診察してもらった日)から1年6か月後以降から申請できます。
つまり初診日から1年半の間は給付されない、という点に注意しください。
また申請手続きや認定までに数か月を要する点にも注意しましょう。なお、既に老齢年金を受け取っている人は受け取れません。また、障害年金を受け取っている人が65歳になった時は障害年金と老齢年金のどちらかを選ぶことになります。

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)

障害年金を受取れる対象者と4つの要件
ただし、給付を受けるには複数の要件がありますので注意して下さい。

①初診日要件
一番初めに、障害年金請求の要因になったケガや病気を医療機関で診察してもらった日のことで、その病院で証明書を出してもらうことになります。初診はいつどの病院だったのか?案外忘れてしまいがちなので、日頃からメモや日記を残すことをお勧めします。

②制度加入要件
上記①の初診日に、国民年金や厚生年金に加入していなければいけません。また、これに当てはまらない場合であっても、20歳未満もしくは60歳以上65歳未満で、かつ住所が日本国内であれば国民年金に加入しているとみなされます。

③保険料納付要件
下記のどちらかに当てはまっている必要があります。
・初診日の前々月までの年金加入期間の2/3以上が、保険料納付済み、もしくは免除されているとき
・初診日の前々月までの12か月間が、すべて保険料納付済み、もしくは免除されているとき

④障害要件
国民年金加入者は、障害等級表1~2級による障害の状態にある間、障害年金を受け取れます。厚生年金の場合は1~3級のどれかに該当すれば障害年金を受けられるほか、3級に達しない場合でも障害手当金が支払われるケースがあります。

●障害年金の注意点

障害年金を受け取るには、「障害等級」の認定を受ける必要があります。この「障害等級」と身体障害者手帳の「障害者等級」はまったく異なります。これを混同しがちなので、気を付けてください。身体障害者手帳がなくても、公的年金の障害年金の障害等級に該当する場合もあります。

まとめ

・公的年金制度は、国民皆年金となっています。
・公的年金には、以下の三つの保障があります。
◎老後の生活保障(老齢年金)
◎自分が万一死亡した時に残された遺族のための生活保障(遺族年金)
◎自分自身が病気やケガで障害を負ったり働けなくなったりした時の生活保障(障害年金)
・国民年金加入者は、厚生年金加入者に比べて上記3つとも保障は少なくなっています。そのため民間保険でカバーが必要です。
・厚生年金加入者は2階建ての給付になっています。それでも、保障される金額は予想しているよりも低い場合が多くなっています。実際の受取額をシュミレーションしてみて、不足分に対して早めの備えをしましょう。

掲載内容は平成30年8月現在の内容です。公的制度は、制度改正などが行われる場合がありますのでご注意ください。

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森田 直子

保険ジャーナリスト。保険・金融分野専門の執筆家で、庶民感覚のわかりやすい文体に定評がある。保険WEBサイト、保険会社ご契約のしおり、業界紙連載、書籍など執筆実績多数。大学講師や業界内外での講演など幅広く活動。保険業界メールマガジンinswatch発行人。

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