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【2019】FP解説!共働き夫婦の年金はどうなる?貯金は必要?

働き方もさまざまな共働き夫婦が増えています。多様な働き方をする妻にとって、厚生年金に加入するか、扶養の範囲で働くかも悩みどころです。年金の受取額は違うの?本当はどっちがいいの?働き方によって、老後の年金がどう違うか、FPが解説します。

目次

老後や年金に不安がある人ほど、意外と年金のことを知らない?

公的年金のこと知っていますか?
一昔前は「老後は年金で安泰」と思われており、実際悠々自適の年金生活の人も多くいました。
ですが、今では年金に対する不安や不信感が強く、「私は本当に年金がもらえるの?」という疑問を持つ人が大勢います。

そんな不安を持つ人に詳しく話を聞いてみると、「年金がいつからもらえるのか?」「どのくらいもらえるのか?」といった基本的なことを知らない人がほとんどです。公的年金制度自体も自分の年金額も知らずに不安だけ膨らんでいます。これでは老後資金の対策は取れません。

まず、公的年金の基本を知ることから、はじめましょう。

公的年金の基本的な仕組み
日本の公的年金は、よく「二階建て」の建物にたとえられます。日本在住の20歳以上60歳未満の人がすべて加入する「国民年金」が1階部分、会社員や公務員が加入する「厚生年金」が2階部分。

第1号被保険者は、国民年金保険料として毎月1万6,410円を支払っています。

第2号被保険者は、厚生年金保険料を給与から天引きされています。給与に対して定率になっており、保険料は給与によって違ってきます。ちなみに、厚生年金保険料には国民年金保険料が含まれています。

第3号被保険者は、第2号被保険者(たいていは、サラリーマンの夫)全体で保険料を賄っているので、保険料の支払いはありません。

年金は、いったいいくら戻ってくるのでしょう?国民年金と厚生年金の支給が始まるのは、基本的に65歳からです。1961年4月1日以前に生まれた人は、65歳以前に特別支給の厚生年金が支給されます。ですが、1961年4月2日以後生まれの人は、65歳まで年金の支給はありません。

国民年金は40年間保険料を納付して、満額78万100円(2019年度価額)です。月額にすると約6万5,000円になります。厚生年金の月々の平均受給額は、男性の平均支給額が16万5,668円、女性の平均額が10万2,026円、全体の平均では14万7,051円となっています(厚生労働省の「2017年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より)。

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共働き夫婦の働き方によって、老後格差につながる?

共働き夫婦の働き方によって、年金額が違う?
共働き夫婦の働き方によって、年金額がどのくらい違うかをざっくりと試算してみました。
共働き夫婦の2人が将来もらえる年金額(あくまでも予想です)について、解説したいと思います。

1. 会社員の夫と会社員の妻
40歳の共働き夫婦、夫の年収が500万円、妻が500万円です。お互い60歳までこの年収で働く予定の場合。

夫:月額約15.5万円
妻:月額約15.5万円
夫婦の合計:月額約31万円

2. 会社員の夫と契約社員や派遣社員の妻
40歳の共働き夫婦で、夫の年収が500万円、妻が300万円です。お互い60歳までこの年収で働く予定の場合。

夫:月額約15.5万円
妻:月額約12万円
夫婦の合計:月額約27.5万円

3. 会社員の夫とパートの妻
40歳の共働き夫婦で、夫の年収が500万円、妻が100万円です。お互い60歳までこの年収で働く予定の場合。

夫:月額約15.5万円
妻:月額約6.5万円
夫婦の合計:月額約22万円

※あくまでも現在の年金制度に基づく予想値です。また年金額は、各個人の加入状況や今後の経済状況により決まるもので、正確な数値を表したものではありません。

共働き夫婦であっても、妻の働き方によって、年金額が違うということは理解していただけたと思います。

1.正社員の妻と2.契約社員や派遣社員の妻は厚生年金に加入しています。厚生年金は給与によって保険料や年金額が違います。年収の違いによる年金額の差はありますが、2人とも老後、国民年金+厚生年金を受給しています。
3.パートの妻はずっと第3号被保険者でいたため、厚生年金に加入していません。ですから、老後、国民年金のみ受給することになります。厚生年金がないため、1.正社員の妻や2.契約社員や派遣社員の妻との年金額の差は一目瞭然です。

妻の働き方によって、夫婦の年金額に大きな違いが見られました。やはり2人分の厚生年金は老後の生活にゆとりをもたらすことがわかります。

共働き夫婦の働き方によって、退職金が違う?
会社員の多くは会社から退職金をもらいます。つまり、1.会社員夫婦の場合、2人分の厚生年金に加えて、2人分の退職金をもらえるということです。
退職金は会社ごとに水準が違います。会社の規模、最終学歴、職種、勤続年数などを基に計算されます。

女性は給与水準が男性より少なく、産休・育休期間中の上積みを受けられないことが多いため、男性よりも少なくなりがちです。一概には言えませんが、それでも夫婦2人分の退職金となれば、1,500万円から3,000万円以上になることも期待できます。2人分の退職金は2人分の厚生年金に加え、老後の大きなゆとりとなるでしょう。

年金だけで生活できる共働き夫婦は?
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)によると、高齢夫婦無職世帯の収入と支出は実収入約21万円、実支出約26万円です。つまり、多くの年金生活者の夫婦は、毎月5万円の赤字を出しながら暮らしているのですね。

これを、前述三組の共働き夫婦の年金と見比べてみましょう。

1. 会社員の夫と会社員の妻
夫婦の年金月額31万円-支出26万円=毎月5万円の黒字

生命保険文化センターの調査で、ゆとりのある老後生活費は平均月額35万円という結果がでています。ゆとりのある老後生活費まではありませんが、なんとかなる収入になります。2人分の退職金が出れば、老後資金としては少し安心できる金額です。

2.会社員の夫と契約社員や派遣社員の妻
夫婦の年金月額27.5万円-支出26万円=毎月1.5万円の黒字

なんとか年金で生活できるようです。
ただ、ゆとりのある老後生活には7.5万円足りません。

3. 会社員の夫とパートの妻
夫婦の年金月額22万円-支出26万円=毎月4万円の赤字

毎月4万円の赤字なので、その分老後資金を貯める必要があります。
人生100年時代と言われています。できれば、30年分の赤字額を貯めておきたいところですが…

4万円×12か月×30年=1,440万円
老後資金の目標額は1,500万円です。

仮に定年後も再雇用などで働き続けることができ、65歳で受け取る年金を70歳まで繰り下げ受給すると、42%増額されます。パートの妻も60歳以降働けるだけ働き続ければ、その分貯めるべき老後資金が少なくなります。

3組の共働き夫婦の老後生活と年金を見比べてみました。結論から言うと、老後資金対策は夫婦ともに会社員の共働きが最強の組み合わせです。
2人分の厚生年金と2人分の退職金があれば、老後資金を貯めるために、過度に生活費を切り詰める必要はありません。
もちろん、会社員の共働きを実践するのは容易なことではありません。夫婦共に多忙を極めると、一般的には子育てや介護に困難があります。夫婦共に正社員の共働きは、現代においてもなかなかのレアケースと言えそうです。

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共働き夫婦が年金で損をするケース

専業主婦や扶養内パートの妻の場合、妻の年金が国民年金のみの月額6万5,008円(2019年度価額)しかもらえないので、夫婦で厚生年金に加入している共働きのほうがお得に感じるかもしれません。しかし、「配偶者加給年金」というものがあり、場合によっては夫婦で厚生年金に加入している共働きが損をしてしまうこともあります。

もし妻が夫より年下の場合、妻が65歳になるまで配偶者加給年金として年間22万4,500円がもらえます。1943年4月2日以後に生まれた方は16万5,600円がプラスされ、年間計39万100円、夫の年金として受給できます。10歳差なら400万円近くプラスになります。

しかし配偶者加給年金の条件として、夫の厚生年金加入歴が20年以上で、妻の加入歴が20年未満となっています。配偶者加給年金を受給したい歳の差夫婦の妻は、厚生年金加入する会社員などの共働き期間を20年未満に抑える必要があります。

配偶者にもしものことがあったとき

夫婦二人の老後生活に訪れる配偶者の死。経済的にも精神的にもこたえるものです。経済的なダメージとなる年金がどのくらい減額されるか、前述の3組の共働き夫婦の夫が死亡したケースでみていきます。

受け取り方は上図A~Cの3パターンあり、この内、最も金額が高いものが支給されることになります。

夫の遺族厚生年金(上図B)は夫の厚生年金部分の4分の3となります。
今回のケースでは、夫の厚生年金部分は年金額15.5万円から国民年金部分6.5万円を引いた9万円になりますので、遺族厚生年金は、厚生年金9万円の4分の3ですから、6万7,500円となります。

1. 会社員の夫と会社員の妻
夫と妻の平均年収がともに500万円と、夫婦で年収が変わらない共働き夫婦の場合、当然ながら、年金額もほとんど同じです。夫の遺族厚生年金はありますが、夫の遺族厚生年金は前述の通り、夫の厚生年金部分の4分の3です。

A・・・妻の老齢厚生年金=9万円
B・・・夫の遺族厚生年金=6万7,500円
C ・・・夫の遺族厚生年金の3分の2+妻の老齢厚生年金の2分の1=4万5,000円+4万5,000円=9万円

この場合、Aが選択されます。
A,B,Cの中で1番高い年金額が支給されますが、優先されるのはAだからです。つまり、残念ながら、夫が受け取っていた老齢基礎年金と老齢厚生年金がなくなってしまうということです。

1.の妻が受け取る年金は妻自身の老齢基礎年金6.5万円と厚生年金9万円の15.5万円だけになります。

2. 会社員の夫と契約社員や派遣社員の妻
夫婦ともに老齢厚生年金を受給しています。平均年収の違いから、夫の老齢厚生年金が多いケースです。

A・・・妻の老齢厚生年金=5万5,000円
B・・・夫の遺族厚生年金=6万7,500円
C ・・・夫の遺族厚生年金の3分の2+妻の老齢厚生年金の2分の1=4万5,000円+2万7,500円=7万2,500円

この場合、C 7万2,500円が選択されます。
その内訳は、妻の老齢厚生年金が優先的に支給されるため、妻の老齢厚生年金5万5,000円+夫の遺族厚生年金1万7,500円です。つまり、2.の妻が受け取る年金は、妻自身の年金12万円+1万7,500円=13万7,500円となります。

3. 会社員の夫とパートの妻
妻は老齢厚生年金を受給していないので、夫の遺族厚生年金が上乗せされます。夫の遺族厚生年金6万7,500円が妻の年金に上乗せされるので、13万2,500円となります。

二人暮らしが一人暮らしになったからと言って、食費や生活費、住居費が半分で暮らせるものではありません。たとえば、夫婦あわせて月額30万円の年金を受け取っていたとすると、それが月額15万円になってしまうのです。こうなると生活が厳しくなります。この場合には、支出の見直しが必要かもしれません。

一人になると生活は厳しくなります。
配偶者の死亡による収入減への備えはどんな働き方の夫婦にも必要です。

※上記の試算した年金額は、あくまでも現在の年金制度に基づく予想値です。また年金額は、各個人の加入状況や今後の経済状況により決まるもので、正確な数値を表したものではありません。

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ファイナンシャルプランナー(FP)はお金の専門家です。家計の見直しや資産形成などのプロフェッショナルとして、お金のことで困った時に相談に乗る仕事です。
夫婦の働き方によって、年金や老後資金の必要額も違うことがご理解いただけたと思います。夫婦で話し合っても、年金のこと、老後資金のことがわからないときには、「FPに相談する」という選択肢があることをお伝えしたいです。FPはお金の悩みを解決するプロとして、あなたの年金や老後資金に関する悩みに寄り添います。

「年金は当てにならない!」「老後は心配!」ということで、年間500万円以上の貯蓄をしている人がいました。もちろん、老後に備えたお金はあればあるほど良いには違いありません。けれども、老後のお金のことを心配し過ぎて、現役時代の生活費を大幅に削り、やみくもに老後のための貯蓄をするのは、もったいないですよね。

受給できる年金額をしっかり計算に入れて、足りない分を貯金で賄えば良いということを知れば、少し気分が楽になりませんか? 自分たちの年金についてしっかり理解を深め、老後の資金計画を行い、今も老後も2人で楽しく暮らす、より豊かな人生を歩んでくださいね。

※ 本ページに記載されている情報は2019年8月19日時点のものです

【参考文献】
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/index.html
日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/index.html
生命保険文化センター
https://www.jili.or.jp/
ほか

黒木 留美(くろき るみ)

ファイナンシャルプランナー AFP 保険も投資信託も売らない独立系のファイナンシャルプランナー。カフェでランチ会を主催、「ねんきん定期便」セミナー・「iDeCo」スタートセミナーなど個人で老後資金を増やしたい方に向けて、セミナーを開催。企業向けでは「企業型確定拠出年金」セミナーを開催して、「大企業だけではなく、中小零細企業でも企業型DC導入可能、大企業に劣らない退職金制度導入を!」と発信。また、4月から地元専門学校にて、FP2・3級対策講座の講師としても活動中。大人のお金の教養としてFP 3級の勉強を推進。試験合格を目指しつつ、生活に役に立つFP勉強会を自主開催しています。

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