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年金っていくらもらえるの?金額の確認方法や賢くもらうポイント

長期間にわたり年金の保険料を納めてきたけれど、将来もらえる年金は一体、いくらなのだろう。老後のことを考えぼんやりとした疑問を抱く人は少なくありません。そこで、「ねんきん定期便」を活用した年金の計算方法や年金を賢くもらうポイントを解説します。

目次

年金の受給資格と仕組み

年金は原則65歳になったらもらえますが、誰でももらえるわけではありません。年金をもらうには受給資格が必要です。自分に受給資格があるかどうかを知るには、まずは受給資格とは何かを知ることからはじまります。さらに、年金を賢くもらうには、受給の仕組みについての正しい理解も欠かせません。受給資格と仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

年金の受給資格期間は原則10年

20歳になると、日本に住んでいる人は、国民年金に加入します。日本国籍であるかどうかは関係ありません。そして、老齢年金を受け取るためには、原則10年以上の加入期間が必要です。この10年には以下の3つの期間が含まれます。

1. 保険料納付済み期間
第1号被保険者から第3号被保険者として、保険料を納付した期間です。産休や育休で保険料が免除されていた期間があったとしても、保険料は納付済みとして扱われますから、この期間に含まれます。

2. 免除期間
保険料を納付することが経済的な事情により困難な人が保険料を免除された期間です。学生納付特例を利用していた期間は、この免除期間に該当します。この期間分の年金は、年金額には反映されませんが、加入期間としては年金額の計算対象となります。

3. 合算期間(カラ期間)
国民年金への加入が任意だった1961年4月~1986年3月に任意加入しなかった専業主婦などの、国民年金に加入できたのに加入しなかった期間をいいます。加入しなかったために、年金を受け取れないという人を救済するための合算対象期間です。

上記、3つの期間が10年以上であれば、老齢年金を受け取ることができますが、満額を受け取るためには40年の加入期間が必要です。

年金制度は賦課方式

毎月、年金の保険料を納めていますが、この保険料は自分の老後のために積み立てているわけではありません。現在の高齢者の年金の財源となっています。現役世代が高齢者を支えるこの形式を賦課方式と言います。

年金制度は長期間運営していかなければいけません。賦課方式を採用することで、インフレが進んだとしても、その時点の物価水準で年金を支給することができます。しかし、一方で少子高齢化が急速に進むことで現役世代への負担が大きくなるという課題もあります。そのため、年金制度に対する不安をいだいてしまうのかもしれません。

年金は貯蓄ではありませんが、もらえる年金の金額は、現役時代の収入をもとに計算されます。保険料においても、上限はあるものの、収入が多い人ほど高くなります。よって、基本的にはたくさん納めた人ほどたくさん年金がもらえる仕組みになっています。

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「ねんきん定期便」を活用した年金額の計算方法

では、どのような仕組みになっているのか、「ねんきん定期便」で確認しましょう。「ねんきん定期便」は、50歳以上の人と50歳未満の人では様式が異なります。まずは、50歳未満の人の「ねんきん定期便」を見ていきましょう。夫婦でいくらもらえるのか知りたい場合は、夫婦分の「ねんきん定期便」を準備してください。

50歳未満の人

まず、受給資格をみたしているかどうかを確認します。Aの「受給資格期間」を見てください。老齢年金を受け取るためには、原則、受給資格期間が120ヵ月以上必要です。

次に、B「これまでの加入実績に応じた年金額」を見てください。ここは、「ねんきん定期便」発行時点で計算された年金額が表示されています。そのため、これだけしかもらえないの?と、思うような少ない金額が表示されているかと思います。しかし、この金額は今後増やしていけますから、安心してください。

もらえる年金は、Bの金額に今後の働き方を加味した金額をプラスすることで求めることができます。「今後の働き方を加味した金額」とは、自営業か会社員か、会社員なら給料はいくらかという点を考慮して求めます。

なお、専業主婦など会社員に扶養される場合は、自営業と同じ計算式になります。

では、計算していきましょう。まず、今後の働き方が自営業の場合、もらえる年金は国民年金のみです。国民年金は、1年保険料を納めるごとに約2万円もらえる年金が増えます。よって、60歳までの年数に2万円をかけた金額をBに加えます。

たとえば、45歳の人なら、60歳まであと15年ですから、

 15年×2万円=30万円

となり、Bの金額に30万円をプラスした金額が、もらえる年金になります。なお国民年金の満額は78万100円(2019年)です。

次に、会社員のケースです。会社員がもらえる年金は、国民年金と厚生年金です。国民年金については、自営業のケースと計算方法は同じです。厚生年金については、以下の計算式で求めることができます。

平均標準報酬額×0.55%×厚生年金加入見込み月数

さて、ここで「平均標準報酬額」という聞き慣れない言葉が出てきました。これは、「ねんきん定期便」の表、「標準報酬月額」を参考にすると良いでしょう。標準報酬月額とは、通勤手当や住宅手当、残業代などを含んだ月収に近い金額です。ただし、上限と下限があり、上限は62万円、下限は8万8,000円です。上限を超えたり、下限を下回ったりする場合は、上限と下限の金額が表示されています。

【アセットアドバンテージ】201907_年金いくらもらえる_03 平均標準報酬額とは、標準報酬月額と賞与額の総額を厚生年金加入期間で割ったものです。言い換えると、今後昇給などで年収が増えると予想されるなら、昇給も加味して、現在から60歳までの平均年収を12で割った月収ということになります。

たとえば、現在45歳の人が、今後15年間の平均年収が600万円なら、月収は50万円ですから、

 50万円×0.55%×180ヵ月=49万5,000円

となります。Bに国民年金の金額30万円と厚生年金の49万5,000円を足した金額が20年後にもらえる年金です。

50歳以上の人

次に、50歳以上の人の「ねんきん定期便」を見ていきます。まず、A「受給資格期間」を確認しましょう。年金をもらうためには、Aの受給資格期間が120ヵ月以上必要です。Bには、「年金見込額」が表示されています。

この見込額は、現在の給与が60歳まで続くと仮定した場合の見込額です。大企業を中心に導入されている役職定年制度がある企業に勤める人は、役職定年によって収入が減少し、年金も減る可能性がありますから、注意が必要です。

【アセットアドバンテージ】201907_年金いくらもらえる_04

また、厚生年金基金の金額や厚生年金の家族手当である加給年金も見込額には含まれていません。加給年金とは、生計維持関係にある65歳未満の配偶者や18歳未満の子(障害等級1・2級の場合は20歳)がいる場合に支給される、厚生年金独自の制度です。

なお、厚生年金基金の金額は、次にお伝えする「ねんきんネット」で概算を知ることができます。

「ねんきんネット」で確認する

「ねんきんネット」では、過去の納付記録をもとに、さまざまなケースで年金受け取り額のシミュレーションができます。
また、年金に未納期間があり納付可能であれば、納付できる金額や期間を確認することができ、未納の年金を納付した場合、どれだけ年金が増えるのかもシミュレーションできます。「ねんきんネット」に登録しておけば、もらえる年金がすぐに計算できるのです。

ただ、「ねんきんネット」は最初の登録にやや手間がかかります。登録方法は、「ねんきん定期便」に記載されたアクセスキーを使って登録する方法と「ねんきんネット」から新規登録する方法があります。「ねんきんネット」を利用するには、ユーザーIDが必要ですが、アクセスキーがあれば、即座にユーザーIDが発行されます。

しかし、アクセスキーの有効期限は、「ねんきん定期便」到着後3ヵ月のため、3ヵ月を過ぎていると、アクセスキーは使えません。アクセスキーがない、あるいは、有効期限が切れている場合は、ユーザーIDを即時発行できず、郵送対応になります。この場合、ユーザーIDが到着するまで5営業日ほどかかります。そのため、「ねんきん定期便」が届いたら、すぐに「ねんきんネット」に登録することをおすすめします。最初の登録さえしてしまえば、いつでも年金状況がわかりますから、非常に便利です。

年金を増やす方法

年金を増やす方法は、大きく2種類です。まず、1つ目は、納める金額を増やすことです。そして、2つ目は、受け取り方を工夫して増やす方法です。それぞれについて、どのような方法があるか、確認しましょう。

納める金額を増やす

1. 免除期間の保険料を追納する
過去に年金を免除されていた期間があるなら、その期間分の年金を納めることで年金を増やすことができます。学生納付特例制度や納付猶予制度を利用していたなら、10年以内であれば、あとから保険料を納めることができます。

これらの制度は保険料の支払いを「猶予」されただけなので、猶予された期間の保険料を納めない限り、もらえる年金額には反映されません。なお、3年以上前の保険料を納める場合は、当時の保険料に「加算額」が上乗せされます。

2. 未納期間の保険料を納める
未納の場合でも、2年前までならさかのぼって保険料を納めることができます。未納期間は年金の金額に反映されないだけでなく、受給資格期間にも反映されませんから、未納の保険料を納めることで受給資格期間と年金の金額を増やすことができます。

3. 付加保険料を納める
付加保険料とは、第1号被保険者が加入できる国民年金の上乗せ制度です。保険料は月額400円で、それに対して、もらえる年金は「200円×付加保険料納付月数」分です。

例えば、付加保険料を20年間納付したとします。トータルの納付額は

 400円×12ヵ月×20年=9万6,000円

となります。一方、受け取る付加年金額は、

 200円×12ヵ月×20年=4万8,000円

です。9万6,000円を納めると、1年間で4万8,000円分の年金が増えることになります。つまり、2年で9万6,000円を回収できるということです。日本年金機構のホームページにも「付加保険料を納めた分は、2年間でモトが取れます!」との記載があり、おすすめの制度です。月400円ですから、気楽に始められるのもおすすめできる点です。

4. 国民年金の任意加入制度を利用する
任意加入制度とは、60歳までに受給資格を満たしていない場合や、満額を受給できない場合に60歳以降も国民年金に加入することで、年金を増額することができる制度です。

5. iDeCoを利用する
iDeCoは自分で積み立てをしながら、自分の年金を作る制度です。大きな税制優遇を受けられますから老後の生活資金をつくるには、非常に効果的な手段です。

年金の受け取り方を工夫する

年金は、基本的に65歳から受け取れますが、受け取る年齢を早める(繰り上げ)ことも、遅らせる(繰り下げ)こともできます。繰り上げた場合は、1年ごとに6%年金が減額されますが、繰り下げた場合は、1年毎に8.4%増額されます。そして、この増減額率は、一生続きます。

寿命が伸びていることを考えると、繰り下げをして、増額したほうが安心です。
繰り下げは最大70歳まで可能で、その場合42%年金が増えることになります。ただし、繰り下げた年齢まで年金収入がありませんから、その期間の収入を別途確保する必要があります。この期間については、iDeCoで積み立てた資産を受け取るという選択肢が考えられるでしょう。そうすることで、節税制度を有効活用することもできます。

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どういうことかというと、老齢年金を受け取ったときは、公的年金等控除という所得控除が適用されます。公的年金等控除とは、公的年金を受け取った場合に、一定の金額を収入から差し引き税の負担を軽くする制度です。繰り下げ期間中は、そもそも年金を受け取っていませんから、この控除は使えません。

ただし「公的年金」と名前がついていますが、iDeCoの資産を分割で受け取れば、公的年金等控除が適用されます。繰り下げをして年金では公的年金等控除を使えない分、iDeCoで使えば、節税手段を有効活用することができます。

iDeCoは分割で受け取ることも一括で受け取ることもできますが、一括で受け取るなら、退職所得控除が適用されます。退職所得控除とは、勤務年数に応じて一定額を退職金から差し引くことにより税の負担を軽くする制度です。

会社を退職するときに、退職金があるなら、会社の退職金にも退職所得控除が適用されます。そのため、退職金とiDeCo両方を同じ年に一時金で受け取ってしまうと、その合計額に対して退職所得控除が適用され、税控除のメリットが小さくなってしまう可能性があります。

よって、iDeCoを分割で受け取ることにより、iDeCoには公的年金等控除を適用させ、退職金には退職所得控除を適用させれば、2つの税制を効果的に使うことができます。

税制面から考えたシンプルな受け取り方法をお伝えしましたが、実際は、退職金の金額やiDeCoの資産額によって、どのような受け取り方が良いかは異なります。受け取り時にさまざまなケースをシミュレーションした上で決定すると賢い受け取り方が見つかるでしょう。

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実は重要!いくらもらえるのかを知ること

そろそろ老後のために資金作りをはじめたいと思った時に、年金はいくらもらえるのか、夫婦世帯なら、夫婦合わせていくらもらえるのか考えることは非常に大切なプロセスです。年金をもらうのが10年後であれ、20年後であれ、準備するのに早すぎることはありません。いくらもらえるのか確認し、老後の生活を見据えた上で、今からすべきことを考えてみましょう。

とはいえ、年金制度は複雑ですし、税制についても専門知識が必要です。考え方がわからなくなったら、FPに相談するという選択肢もあります。相談することによって、「自分」の老後対策が具体化することでしょう。

※本ページに記載されている情報は2019年7月23日時点のものです

【参考文献】
日本年金機構ホームページ

前田 菜緒(まえだ なお)

7年間の保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なマネーオンラインスクールを毎月開催。老後の資産形成方法について和気あいあいとした講座を開催している。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子育て中でも参加できるよう、マネースクールや相談は夜も行っている。