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初心者が失敗しない資産運用「小額投資」から始めよう

「資産運用でお金が増えた!」と、テレビや本、ブログなどで見聞きした人は少なくないことでしょう。投資は怖いと思っている初心者の人でも、少額からなら気軽に始めることができます。ここでは資産運用のキホンや制度について丁寧に解説していきます。

目次

初心者でも資産運用でお金は増える?

「資産運用」と聞くと、「うまくいけば億万長者になるけど、失敗するとすっからかんになる」といったギャンブルに近いイメージを持っているかもしれません。しかし、たとえ初心者でもポイントを押さえて取り組めば、資産運用でお金を増やすことは十分可能です。
まずは、初心者が持ちがちな資産運用に対する恐怖心や不安を減らすため、資産運用でなぜお金が増えるのかを説明します。

・資産運用をしたほうがお金は増えると期待できる
これまでの資産運用に関する過去のデータから、資産運用をしたほうがお金は増えることが期待できます。
例えば、平成28事務年度(2016事務年度)の金融庁レポートによると、過去20年間(1995年から2016年末まで)の家計金融資産は、株式や投資信託などに多く資金を回していたアメリカのほうが、日本に比べて家計の金融資産が増えています。
家計金融資産の日米比較
アメリカは金融資産が3.32倍に増えているのに対し、日本は1.54倍なので、かなりの差があることが分かります。株式や投資信託は元本が保証されていませんが、代わりに預貯金に比べて大きくお金が増えることがあるため、投資にお金を回したほうが家計の金融資産が増えると期待できるのです。

・私たちの年金も資産運用によって増えている
もう少し具体的な例を挙げるなら、私たちが老後に受け取る公的年金の積立金も、資産運用によって増えています。公的年金の運用を任されている、年金積立金管理運用独立行政法人の発表によると、直近10年間 (2009~2018年度)の収益率(運用手数料控除前)は年率5.05%です。

しかし、毎年収益率がプラスであったわけではありません。直近10年間では、下は-3.81%の年もあり、上は+12.27%の年もありました。このように、資産運用は一時的にお金が減ることもありますが、長い期間で平均してみれば、お金は増えていくというイメージを持つと良いでしょう。

・投資をするとお金が増えたり減ったりするのはなぜ?
代表的な投資としては、株式投資や債券投資が挙げられます。

株式投資…株価が安いときに購入して、値上がりしたあとに売却することで利益を得ることができる。銘柄によっては保有株数に応じた配当金や株主優待を受け取れる。
債券投資…予め約束された利息を受け取ることができ、満期まで持てば発行元が破綻しない限り元本も戻ってくる。
株式や債券などに投資をすると、そのお金は投資先で事業拡大などの資金として活用されため、投資した金額よりもお金が増えて返ってくることが期待できます。
しかし実際には、投資によってお金がふえるかどうかは多くの要因に左右されます。例えば、投資先の業績等によって受け取れる配当金の金額は変わりますし、株式や債券の価格は人気があれば上がり、反対に人気が下がれば下がります。投資先が外国なら、為替の影響も受けることになります。

そのため、できるだけ業績の良い企業に投資して人気のあるうちに売却するなど、投資先や投資期間などを慎重に判断する必要があるのです。

初心者にとって、いつどこに投資をしたら資産が増えるのかを予想することは、簡単なことではありません。ある程度の予想がたてられるようになるためには、それなりの勉強が必要です。
しかし、初めから完璧に勉強してから始めようと思っていては、いつまでも始められません。資産運用を始めるのが遅くなれば、その分資産運用によって資産を増やすチャンスを逃すことになります。そのため、初心者はたとえ失敗しても、精神的にも経済的もダメージが小さくてすむように、「少額からとりあえず始める」ことが大切です。

・少額なら失敗も怖くない
元本保証のない資産運用をするときは、普段の生活に影響しない「少額」にすることが大切です。金額が小さければ、もし損失が出ても小さくてすみます。例えば、1,000円を投資した場合、5%の利益が出ても50円しか増えませんが、反対に5%の損失が出ても50円しか減りません。

投資では、一時的に大きく損失が発生しているように見えることも少なくありません。例えば2008年にはリーマンショックにより日経平均株価も急落しましが、約5年後には復活しています。相場が下がったときに嫌になって資産運用を辞めてしまった人は損をしたでしょうが、そのまま様子をうかがって現在まで続けた人は資産が増えたことでしょう。
このような相場の急落時にも、投資金額が生活に影響しない少額であれば、比較的冷静に判断することができます。資産運用を長く続けるためにも、投資金額は自分にとって無理のない金額に抑えておくことが大切なのです。

・投資に回せる無理のない金額とは?
では、自分にとっての無理のない投資金額とはいくらなのでしょうか。自分の金融資産を「緊急予備費用」「近い将来に使うお金」「遠い将来に使うお金」の3つに分類してみると目安となる金額が見えてきます。

・緊急予備費用
冠婚葬祭や家電の故障などの臨時出費や、病気やリストラなどの緊急事態に備えて、いつでも引き出せるように預貯金で確保しておきたいお金です。生活費の3カ月から6カ月ほどの金額を目安に確保しておきましょう。

・近い将来使う予定のお金
旅行や引っ越し、結婚資金、マイホームの頭金など、近い将来使う予定が決まっているお金は、預貯金などの元本保証がされている定期預金などで確保しておきましょう。目安としては、数年から10年以内程度のものです。

・遠い将来に使う予定のお金
教育費や老後費用など、10年以上先などの未来に使うお金です。これは積極的に投資に回して増やしていきましょう。使う時期が近付いたら、少しずつ元本保証がされているものに移すようにすると安心です。

・貯金が100万円あったら?
現時点で貯金が100万円あるケースを想定して、下の図表で3つの用途に分類した例を挙げました。緊急予備費用として60万円、近い将来使う予定のお金が30万円となると、元本保証のない資産運用に回すお金は10万円ほどとなります。 このようにまとまった貯金があっても、緊急時用の生活費や近い将来使う予定のお金を差し引いていくと、投資に回せるお金はそう多くはないことが分かるでしょう。

もしも資産運用に回せるお金がもっと多くあったとしても、全額を投資に回す必要はありません。仕事も安定していて年齢も若く、ちょっとくらい資産が減っても気にしない性格であれば、投資に回す金額は多くても良いでしょうが、反対であれば無理に投資に回す金額は増やさないほうが無難と言えます。資産運用に慣れてきてから、徐々に投資金額を増やしていくのも良いでしょう。

また、毎月収入の一部を投資に充てる「積立投資」を始めるのもおすすめです。今はまとまった貯金がない人でも、無理なく投資を始めることができます。投資に回すお金は”最初から無かったもの”として生活をすれば、少ないストレスで資産を増やしていけるでしょう。

資産運用の悩みをファイナンシャルプランナーに相談する

「つみたてNISA」で手間なし資産運用

資産運用の良さや、自分が投資に回せるお金についてイメージが固まってきたら、いよいよ具体的に行う資産運用の方法を決めましょう。

資産運用の初心者には、「つみたてNISA」という運用益が非課税になる制度を使い、毎月自動で投資信託を購入していく方法がおすすめです。
通常なら資産運用により発生した分配金や値上がり益には約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAの制度を利用すると、年間40万円までの投資金額に対して運用益が非課税となります。そのため、効率よく資産を増やすことができるのです。

・つみたてNISAが初心者に向いている理由とは?
つみたてNISAは、資産運用の初心者をはじめとした、幅広い年代の人にとって利用しやすい仕組みとなるように金融庁が作成した制度です。そのため、非課税の恩恵のほかにも、安定的に資産を増やしやすい要素が多く含まれています。

・分散投資ができる
つみたてNISAで購入する対象となる「投資信託」とは、資産運用のプロが投資信託を購入した人から預かったお金をまとめて運用する金融商品です。1つの投資信託を購入するだけでも、複数の株式や債券などに分散投資をすることができるため、運用結果が安定しやすくなります。

・少額から、貯めながら増やせる
毎月1,000円などの少額からでも購入することができるので、少額から始めたい人でも無理なく始めることができます。また、今現在はまとまった貯金がなくても、毎月給料などの一部を投資信託の購入に充てることで、貯めながら増やすことができます。

・手間が少なく、長期間続けやすい
購入する商品や積立額の設定などが終われば、そのあとはほったらかしにしておいても自動で定期的に投資信託が購入されるため、普段の生活が忙しい人でも無理なく続けることができます。
また、投資してから最長20年間は非課税で運用ができるため、長い期間をかけてじっくり資産形成ができます。

・金融商品が絞られているので選びやすい
つみたてNISAの対象となる商品は手数料が低水準であるなど、長期間の積立投資に適した商品に絞られています。国内には何千本もの投資信託があり、初心者が購入する商品を選ぶのはなかなか難しい面がありますが、つみたてNISAなら対象商品が絞られていることで選びやすくなっています。

「つみたてNISA」(積立NISA)をマスターしよう!

老後資金作りなら「個人型確定拠出年金(iDeCo)」

資産運用で老後資金を作ることが目的なら、税金の優遇制度がある「個人型確定拠出年金(iDeCo)」を利用するのもおすすめです。

iDeCoは私的年金制度のひとつで、国民年金や厚生年金と組み合わせることでより豊かな老後生活を送るための資産形成の方法として、厚生労働省が作った制度です。
制度の加入者は掛け金を拠出して定期預金・保険・投資信託などの金融商品を自分で選んで資産運用を行い、そのお金は老後に受け取ることになります。

・iDeCoの魅力とは?
iDeCoは、税制上の優遇措置があるのが大きな魅力です。

・掛け金が全額「所得控除」
iDeCoへの掛け金は全額が所得控除となるため、収入がある人は所得税・住民税の負担を減らすことができます。例えば、所得税と住民税がそれぞれ10%の人が毎月1万円掛け金を拠出した場合、年間拠出額12万円に対して最大で2.4万円(所得税1.2万円と住民税1.2万円)の税金が軽減されます。

・運用益が非課税
資産運用で得た定期預金の利息や投資信託の運用益が非課税になるため、効率よく資産を増やすことができます。通常なら運用益には約20%の税金が課されます。

掛け金が全額所得控除となる点が大きな魅力となるため、働いていて一定以上の収入がある人にとっては有利な制度となっています。掛け金は月々5,000円から1,000円単位で設定することができるので、少額から無理なく続けていきやすい点も魅力です。

・iDeCoの注意点とは?
ただし、iDeCoには良い点ばかりではありません。注意点がいくつかあるので、制度の内容をよく理解してから始めることが大切です。

・誰でも加入できるわけではない
制度に加入できるのは日本在住の20歳以上60歳未満の人です。ただし、勤務先が企業型確定拠出年金を導入している場合には拠出できないことがあります。また、拠出できる金額も最高で月額6万8,000円までに制限されていて、働き方や勤務先の規定などによってその金額は大きく異なります。

・手数料がかかる
制度への加入時や運用期間中、そして受取時にも一定額の手数料が発生します。そのため、所得控除の恩恵を受けられない人や、運用金額が少なくて大きな運用益が期待できない人にとっては負担となります。

・原則60歳までやめられない
拠出したお金を受け取れるのは基本的には60歳以降となります。60歳より前に引き出すためには高度障害になるなどの厳しい条件がつきます。掛け金の拠出を停止することはできますが、拠出していない期間も口座管理のための手数料はかかり続けます。

このように、iDeCoは全員が利用できる制度ではありませんし、手数料の負担や途中で辞められないというデメリットもあるため、始めるときは慎重な判断が必要です。
しかし、所得税を支払っている人であれば、運用期間中に支払う手数料よりも税負担の軽減額のほうが大きくなるのが一般的です。働いている人は検討してみると良いでしょう。

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初心者が資産運用を始めるときの心得

最後に、初心者が資産運用を始めるときの大切なポイントをお伝えします。

・資産運用に対するやる気を出そう
元本割れの可能性があるなどの不安があると、なかなか最初の一歩が踏み出せないかもしれません。しかし、現在の金利では銀行に預けていてもお金はほとんど増えません。そこで一度、資産運用によってお金が増えたときのことをシミュレーションし、資産運用を始めるモチベーションを上げてみましょう。

下記の表に、毎月1万円ずつ資産運用にお金を回し続けたものが年利3%で増え続けた場合の例を示しています。5年後の運用結果は約65万円(そのうち運用収益は約5万円)ですが、30年後には約583万円(そのうち運用収益は約223万円)にもなります。毎月の投資金額は少額だったとしても、長期間続けることで大きな金額になることを忘れずに、資産運用に積極的に取り組みましょう。

・少額投資は続けることが大事
ひと月あたりの投資金額が少額である場合、短期間で大きな収益を得るのは難しいものです。そのため、長期間続けることで時間を味方につけて、こつこつ収益を増やすことが大切です。
人生100年時代と言われているなか、資産運用をできる期間はこれから何十年もあることでしょう。一時的な相場暴落により運用結果が悪くなる時期もあるかもしれませんが、そのときにあわてて損を確定させてやめてしまうのはもったいないことです。10年、20年先を見据えて、落ち着いて取り組みましょう。

・資産運用の本やブログで知識を増やそう
知識がないと不安に陥りやすいものです。資産運用を始めたら、少しずつ知識を増やしていくと良いでしょう。
資産運用に関する書籍は多く販売されています。まずは資産運用の初心者向けに書かれたものを手に取ると良いでしょう。
個人投資家によるブログから学ぶこともおすすめです。投資家の体験談や本音が赤裸々に描かれていることもあり、気軽に楽しむことができるでしょう。ただし、ブログは本に比べて信ぴょう性は低いので、内容が間違っている可能性や、嘘が含まれている可能性なども想定して、あくまでも参考程度にとらえておくのが賢明です。

・独学が不安ならお金のプロに相談しよう
誰かに直接相談して教えてもらいたいという場合には、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談をすると良いでしょう。資産運用に関する知識を持っているだけでなく、ファイナンシャルプランナー自身も資産運用に取り組んでいることが多いので、リアルな生の声を直接聞けるかもしれません。

※本ページに記載されている情報は2019年7月26日時点のものです。

【参考文献】
・金融庁「平成28事務年度(2016事務年度) 金融レポート」
https://www.fsa.go.jp/news/29/20171025.html
・年金積立金管理運用独立行政法人ホームページ
https://www.gpif.go.jp/
ほか

張替 愛(はりかえ あい)

株式会社プラチナ・コンシェルジュ

ファイナンシャルプランナー 大学で心理学を学んだ後、国内損害保険会社に就職。夫の海外赴任を機に退職して独立。教育費・老後資金・女性の働き方・資産運用・海外赴任など、ひとつひとつの家庭の状況とその想いを大切にした家計相談を行う。同時に、マネー講座や執筆など、幅広く活動する。