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水道代を節約!風呂・トイレの節水術やエコ家電活用術、平均使用量の目安も解説

毎日使う水道代が高いと感じたときには、毎日の使い方の工夫で節約できます。家庭での水道の利用が多い風呂・トイレの使い方、節水グッズの活用方法など、水道代の節約方法を解説します。平均的な水道の使用料とともに、使い過ぎもチェックしましょう。

最終更新日:2021年4月7日

この記事の早わかり要約 読了目安時間:

水道代の請求は2カ月ごと。平均額は1カ月あたり約5,000円

水道代の節約は節水グッズや支払方法の変更、節水タイプの家電などが有効

節水トイレなどのリフォームには地域の補助制度を使えることも

目次

水道代の計算方法。水道料金はどう決まる?

水道料金の請求書を見たとき、思いのほか水道代が高くて驚いたことはありませんか?でも、まず知っておきたいのは、請求されている水道代は2カ月分であるということ。ほとんどの水道局では、水道の検針は2カ月に1回行っているためです。1カ月の水道代は、検針票にかかれている金額のおよそ半分です。

それでも高い、もっと節約したいときには、水道代の内訳をみてみましょう。水道局から発行される検針票には、上水道と下水道それぞれの使用量と請求金額が記載されています。下水道はおもにトイレ、それ以外の用途は上水道から使っていると考えられます。

ほとんどの家庭では、下水道よりも上水道の使用量、請求額が多いはずです。水道代の節約をするときには、使用料、請求額が多いところから見直してみるのがよいです。

【地域別】水道料金の違い

上水道の料金は、地域の水道局によって決められています。家庭用か工業用かなどの用途や口径別に、従量制になっている地域が一般的ですが、地域によっては使用量が多いと単価が高額になるところもあります。

大阪市の調査によると、口径20mmの20立方メートルあたり水道料金の全国平均は約2,900円ですが、もっとも単価が低い地域と高い地域では、2倍以上の差があります。

■主要都市の家庭用水道料金(20立方メートルあたり)

※出典:大阪市「大阪市の水道料金水準について」より転載

また、1カ月あたりの水道代への支出額も地域別にみると、地域で設定されている水道料金の違いも影響しているのか、高い地域と低い地域では約2倍の差があるようです。

※出典:総務省「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」より筆者作成

【世帯人数別】1カ月の平均的な水の使用量は?

自分の家の水道代が使い過ぎなのかどうか、もっと節約したほうが良いかどうかを検討してみましょう。

東京都水道局の「平成30年(2018年)度生活用水実態調査」によると、1カ月の水道使用量は2人世帯で平均約16立方メートル、3人世帯なら約20立方メートル、4人世帯なら約25立方メートルだそうです。

自分の検針票と比べてみると、自分の家の水の使い方が標準的かどうかのヒントになるでしょう。

一部の地域では、紙の検針票のほかにインターネットで検針票の内容やこれまでの水道使用量を確認できるところがあります。過去2~4年間などにさかのぼって照会できるところもあります。

なお、検針票に書かれている水道使用量は「立方メートル」単位です。どれくらい使ったかを実感するのは、「リットル」単位のほうがわかりやすいかもしれません。

1立方メートルは1,000リットルです。検針票の使用量がたとえば40立方メートルと書かれていたら、2カ月で4万リットル使ったことになります。1日にすると約667リットルにあたります。

家庭の水道代の平均額

では、家庭の水道代の平均はいくらくらいなのでしょうか?

総務省の「家計調査(2019年)」によると、2人以上の世帯が水道代に支出している平均金額は、上下水道合わせて1カ月あたり5,044円。2カ月に1回の請求額が1万円程度というのが、平均的な水道代ということになります。

もちろん、家族の人数が多いほど使う水の量は多いため、水道代の支出は高いようです。2人家族なら約4,000円、6人家族なら8,000円近くを支出しています。

※出典:総務省「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」より筆者作成

この金額は、生活費全体でみるとそれほど大きい金額ではありません。2人世帯の1カ月の生活費(消費支出)の平均は25万6,632円ですから、水道代への支出4,000円はわずか1.5%ほどにすぎません。

世帯の人数が多いほど水道代のウェイトが少々高い傾向はありますが、それでも家計全体でみるとごく一部です。もしほかに節約できそうな費目があれば、水道代より優先して節約に取り組んでも良いかもしれません。

1か月の生活費の内訳って? 年齢や家族の状況から見えてくる、平均的な生活費とは

家庭で多く水を使うのはどこ?

とはいえ、水をムダなく上手に使いながら節約できたらうれしいですね。水道代の節約に取り組むために、はじめに自分がどこでどれくらい水を使っているのかを把握してみましょう。

国土交通省によると、家庭で多く水を使うのはトイレ、お風呂、炊事、洗濯、洗面です。水道代の節約のためには、これらの使い方や機器を見直すとよさそうです。

※出典:国土交通省「日本の水資源(平成22年における我が国の水使用実績)」を元に筆者作成

すぐできる!水道料金のカンタン節約術

では、ここからは水道代を節約するためにできる節約方法を具体的にみてみましょう。

節約方法1.水を使う時間・回数を減らす

まずできるのが、水を使う量を減らすことです。

東京都水道局のまとめによると、水道を1分間流した時に出る水の量は約12リットル※です(※13ミリメートルの胴長水栓で水圧0.1メガパスカル、ハンドル開度が90度の場合)。水を使うときにできるだけ流しっぱなしにしないように意識すると、節水できるのではないでしょうか。

水を使う日常生活のシーンで、それぞれ次のような意識をしてみてはいかがでしょうか。

●お風呂・シャワー
お風呂やシャワーは家族が毎日使うと水の使用量も多くなりがちです。シャワー3分間で流れる水の量は36リットル。夏など温かい季節には、シャンプーの間はシャワーを止める、洗面器にためてから洗うなどで、水を流す時間を短くできそうです。
顔を洗うときや歯を磨くときも、洗っている最中には一度水を止めて、流すときだけ水栓をひねるのもいいかもしれません。できれば一人で意識するよりは、節水のために家族でルールを作って皆で意識するとよいですね。

●台所
台所で水を使う大半は食器洗いでしょう。食器洗いをするときには、水を流す前に食器の汚れを落とし、その後に洗剤をつけて洗い、最後にすすぐ時だけ水を使うと、流しっぱなしにせずに済みます。
5分間の食器洗いで流れる水の量は60リットル。特に、家族が多いと使う食器の数が多く、水を流す時間が長くなりがちです。毎食後の意識で、水の使用量を減らしたいですね。

●洗車
意外と使う水の量が多いのが、洗車です。1回の洗車で使う水の量は90リットル。愛車をキレイにするときには、まずは表面の汚れをふき取ってから流す、汚れがつきにくいコーティング剤を使うなどで、水を使う時間を短縮できるか検討してみましょう。

※出典:東京都水道局 「くらしと水道 節水にご協力を」を元に筆者作成

節約方法2.節水グッズを取り入れる

水を使うたびに節水を意識するのが面倒なときは、取り付けるだけで節水できる道具を使う方法があります。水回りのいろいろな場所に、節水グッズがあります。

●お風呂・シャワー
お風呂で使えるのが、節水効果を期待できるシャワーヘッドです。浴室のシャワーに取り付けるだけで、流れ出るシャワーの水量を減らすことができます。減らせる水の量は商品によって異なり、最大で50%や70%カットできるものもあります。
水の使用量は少なくなりますが、シャワー穴が小さい、数が多いなどにより、使用感はほとんど変わらずに快適にシャワーを浴びられるように設計されています。シャワーの手元にスイッチがついていて、水量を調節したり、一時的に水の放出を止めたりできるものもあります。
賃貸アパートや賃貸マンションに暮らしていると、備え付けのシャワーヘッドを勝手に交換できるの?と心配なことがあるかもしれません。でも、問題ないことが多いです。退去するときにもともと付いているシャワーヘッドに戻しておけば、多くの浴室についているシャワーを自由に付け替えできます。ほとんどは工事などをせずに自分でヘッドをひねるだけで取り外し、取り付けができます。
価格は商品によりますが、ひとつあたり1,000円~3,000円程度で販売されているものが多いです。

●洗面所・台所
洗面所や台所では、ひねって水を出すタイプの蛇口なら、節水コマを取り付ける方法もあります。節水コマは、蛇口の中に取り付けると流れ出る水の量を減らせるものです。東京都水道局によると、最大で50%の節水効果を期待できます。
節水コマを取り付けるには蛇口の上部を一度開いて分解する必要がありますが、工事は不要です。13mmの単水栓用の節水コマは、水道局の営業所で無料でもらえます。
レバー式の水栓には取り付けられないため、築年数の浅い物件などに住んでいると使えませんが、自宅に蛇口があれば気軽に取り付けられるのではないでしょうか。

節約方法3.水道代の支払い方法を変える

水を使うたびに時間を短くするように意識したり、節水グッズを導入するのは面倒というときには、水道代の支払い方法を変えるだけで節約する方法もあります。

●口座振替で支払う
水道代の支払い方法は地域の水道局によって異なりますが、一般的には請求書、銀行の口座振替、クレジットカード払いがあります。このうち口座振替は、地域によっては利用すると水道代が割引されます。たとえば東京都では、口座振替で支払うと毎月50円(税別)が割り引かれます。
水道局からの請求代金は割引されなくても、水道代を預金からの口座振替で払い込むと、銀行の特典を受けられるところもあります。水道だけでなく電気代、ガス代、携帯電話代など公共料金を預金口座から引き落とすように指定すると、ポイントをもらえたり、ATMの時間外手数料が無料になったりするところがあります。水道代以外の出費を節約することで、家計の負担を軽減できます。

●クレジットカードで支払う
住んでいる地域の水道局がクレジットカード払いに対応していれば、水道代をクレジットカードで支払うことができます。クレジットカード払いにすれば、カード会社所定のポイントが貯まります。
ポイントは一般的には利用代金の0.5%分のポイントがつきますが、1%や2%など還元率が高いクレジットカードを選ぶと効果的です。もちろん水道代以外のショッピングにもポイントが付きますから、日常的に使っているクレジットカードで水道代の引き落としを設定するとよいのではないでしょうか。

●インターネットの公共料金払込サービスで支払う
インターネットの公共料金払込サービスを利用するのもよいでしょう。ネット上でクレジットカードを登録しておくと、毎回の水道代がそのクレジットカードから引き落とされるサービスです。対応している地域は限られますが、水道代だけでなく、ガス代や住民税、国民健康保険料、自動車税、固定資産税などにも対応しています。
このサービス上で支払った代金に対しては、クレジットカードのポイントとは別にネットサービス上の共通ポイントが貯まり、次の請求時にはポイントで水道代を支払うこともできます。

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節約方法4.節水タイプの家電や住宅設備を導入する

水回りに、節水性能に優れた家電製品や住宅設備を使うのも、節約に効果的です。まとまった購入代金はかかるものの、販売年が新しいものほど節水効果が高いので、長期的には節約効果を期待できます。
特に古いものを長年使っているなら、買い替えの余地があるかもしれません。洗濯機やトイレ、水栓には節水タイプのものがあります。

●トイレ
トイレの便器は、新しいものほど洗浄時の水の使用量が少ない傾向があります。30年以上前に発売されたものは洗浄するときに1回あたり10リットル以上の水を使いますが、近年のものは5リットル前後のものが多くなっています。節水性能の高いタイプでは、3リットル程で流せるものもあります。

●洗濯機
洗濯機も要チェックです。特に家族が多いと、洗濯で使う水の量も多くなりがちです。洗濯機は一度に100リットル以上の水を使うことが珍しくありませんから、節水性能が優れていると嬉しいですね。トイレと同様に新しく発売されたものほど、節水性能は高い傾向があります。
また、一般的にはドラム式の洗濯機は1回の洗濯で使う水の量が70~80リットル程度と、縦型に比べて少なくすむように設計されています。メーカーによっては、洗濯槽に穴が開いていないなど、独自のスペックで節水を実現しているところもあります。

●水栓
台所や浴室で使う水栓も、近年は節水できるタイプが販売されています。「節湯水栓」という名称で販売されていて、流出する水の量を手元で止められたり、従来品に比べて無駄な水が流れ出ないように設計されていたりするようです。
いずれも、商品のパンフレットには水の使用量や、従来品と比較した節水効果などが書かれていることが多いです。これらの家電製品を買い替えるときにはチェックしてみましょう。

●節水型トイレのリフォームには自治体の補助金も
さまざまな水道代の節約方法のうち、家電を買い替える、住宅設備のリフォームを伴うものには、まとまったお金がかかります。製品によりますが、数万円から数十万円かかるものだと、いくら節水のためとはいえ家計の負担はそれ以上になってしまいます。
そこで活用したいのが、節水できる家電を購入するときに使える補助制度です。省エネや環境改善に関する家電の購入やリフォームには、国や都道府県、市区町村などが公的な補助制度を設けることがあります。地域によって補助の内容や申請できる期間が異なり、電気やガスの省エネにつながるものが中心ですが、節水型のトイレを設置するリフォームなど、水道代の節約につながる補助を行っているところもあります。
補助される金額はトイレ1台につき数万円や、工事代金の10%などのところが多いようです。リフォーム工事費用の自己負担は生じますが、もし住んでいる地域に補助制度があれば、ぜひ活用したいですね。

自分に合った節約方法を見つけるには?

水道代は家計に占めるインパクトは小さいものの、毎日の生活に欠かせないもの。家族が多ければ水道代は意外と侮れません。取り組めそうな節約方法を見つけて、少しずつ試してみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャル・プランナー(FP)に相談すると、家計の収支や今後の見通しを含めてアドバイスをもらえるのではないでしょうか。

※本ページに記載されている情報は2021年1月31日時点のものです

【参考文献】
■総務省「家計調査 年報 家計収支編」2019年
■大阪市「大阪市の水道料金水準について
■国土交通省「日本の水資源
■東京都水道局「平成30年度生活用水実態調査
■東京都水道局「水の上手な使い方
■東京都水道局「くらしと水道 節水にご協力を

加藤 梨里(かとう りり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー マネーステップオフィス株式会社代表取締役 保険会社、信託銀行、ファイナンシャル・プランナー会社を経て独立。 専門は保険、ライフプラン、節約、健康経営など。マネーに関する記事のほか、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方や企業向け健康経営など健康とお金に関する執筆実績も豊富。