海外旅行保険と税金
海外旅行保険の保険料は所得控除の対象にはなりません。では、海外旅行保険から給付金を受け取ると、どのような税金がかかるのでしょうか?死亡保険金にかかる税金と、治療費用を受け取った場合の注意点について解説します。
目次
海外旅行保険の保険料は控除対象にならない
保険に入り、保険料を支払った場合には、年末調整や確定申告で所得控除ができて、所得税が戻ってくるものがありますが、残念ながら海外旅行保険は控除対象になっていません。現在、損害保険で保険料が所得の控除対象になっているのは、以下のものです。
・地震保険の保険料
・平成18年12月31日までに締結した契約で、満期返戻金などのあるもので保険期間または共済期間が契約10年以上の損害保険の保険料
保険金を受け取った場合の税金
海外旅行保険は死亡、後遺障害、治療費用、救援費用など、いろいろな補償が組み合わされています。このなかで、保険金を受け取ったときに課税対象となるのは死亡保険金です。そのほかの保険金には税金はかかりません。
死亡保険金にかかる税金は、契約者、被保険者、死亡保険金受取人によって税金の種類が異なります。
契約者(保険料を負担した人)と保険の対象である被保険者が同じ場合、相続人が死亡保険金を受け取れば、相続税の対象になります。ただし、<500万円×法定相続人の数>が非課税となります。相続人以外の人が受け取ると、遺贈となり、相続税がかかります。遺贈の場合には非課税枠はありません。
契約者と被保険者が異なる場合は、保険金受取人が契約者の場合、一時所得となり、ほかの所得と合算して所得税を算出します。契約者以外の人が受け取った場合には、贈与を受けたことになり、贈与税が課されます。
海外で治療費がかかった場合
1月〜12月の1年の間で、医療費の自己負担分が10万円(昨年の総所得が200万円未満の人は総所得の5%)を超えた場合、翌年に申告することで所得額から一定額が控除される「医療費控除」があります。病院に支払った医療費だけでなく、治療を目的に薬局などで購入した薬代、通院のための公共交通機関の交通費も対象になります。
海外旅行中に病気やけがで病院に行った場合には、その治療費も医療費控除の対象になります。海外での治療費は全額自己負担なので、金額が大きくなりがちです。医療費控除できる可能性が高くなりますから、領収証は必ず保管しておきましょう。海外でかかった医療費は、支払った時点の為替レートで円に換算して申告することになります。
なお、入院などをしたことにより、生命保険や損害保険から給付金を受けた場合には、医療費の自己負担分から差し引きます。海外旅行保険に入っていて、治療費用の給付を受けた場合も差し引く必要がありますので注意しましょう。