知っておきたい結婚の費用、貯め方のコツと新婚生活に必要なお金
結婚にまつわるお金はどれくらいかかるのか、結婚費用をどのように貯金していけばいいのか、結婚を約束した二人は気になるところでしょう。ここでは、結婚資金の相場と新婚生活にかかるお金など、結婚費用を貯金するコツについて解説します。
目次
結婚にまつわる費用はどれくらい必要なの?
結婚を約束した二人にとって、気になるのが結婚にまつわる費用です。婚約して結婚式を挙げ、新婚旅行へ行くまでには、どんなことに、どれくらいの費用がかかるのか、一例をみていきましょう。
●どんなことにお金が必要?
結婚式にまつわる費用の相場を知っておくと、お金の準備に役立ちます。そして、結婚費用の相場と同じく参考になるのが、すでに結婚した人が支払った費用の平均額です。
ここで、首都圏における結納・婚約から新婚旅行にまつわる金額の平均額を見てみましょう。
結婚が決まると、正式に婚約するために、両家の顔合わせを行います。その際、料亭やホテル、実家などで結納品や結納金などを両家の間で取り交わす結納式を行うこともあります。
しかし、最近ではホテルやレストランなどで両家が食事会を開いて顔合わせをするケースも増えています。正式な結納式を行う際の平均額は19.5万円、両家が食事を含めた顔合わせをする場合の平均額は8.4万円です。(いずれも、ゼクシィ結婚トレンド調査2019調べより)これらは両家の親も関わる行事のため、どのような形で行うかは、家族と十分に話し合って決めましょう。
婚約指輪は、以前は給料3ヶ月分といわれた時期もありました。しかし、最近の調査(ゼクシィ結婚トレンド調査2019調べ)では、婚約指輪にかける費用の平均額は36.8万円 でした。主に選ばれるのはダイヤモンドリングですが、高価でなければいけないと考える人は少なくなってきたのでしょう。
結婚指輪は二人が着けるものなので、一般的に二人で一緒に選ぶことが多いようです。結婚指輪は日常生活で着けるものなので、着けやすさや普段使いでも大丈夫なデザインで選ぶとよいでしょう。
結婚指輪の費用は二人のものなので、共通で貯める結婚費用から工面することになりますね。結婚指輪にかける費用の平均額は二人分で24.8万円 なので、参考にするとよいでしょう。
結婚のメインイベントとなるのが、挙式・披露宴の費用です。挙式・披露宴・披露パーティにかかった総額を調べた調査(ゼクシィ結婚トレンド調査2019調べ)では、首都圏での平均額は377.9万円 でした。
主に、挙式料、料理・飲み物代、新婦の衣装、新郎の衣装、ブライダルエステ、引き出物、花嫁のブーケ、会場の装花、ウエルカムアイテム、スナップ撮影、ビデオ撮影などの費用が発生します。
また、挙式や披露宴にかかる費用は、会場やスタイルによっても異なります。挙式に関わる一式がパックプランになっていたり、着付けやビデオ撮影、ブライダルエステなど一部を自前で行い費用を節約したり、結婚式を二人だけで行って後日披露宴だけを開いたりと、結婚式のスタイルはさまざまです。
どのような結婚式にするのかは二人でじっくり話し合い、お互いの希望スタイルを擦り合わせたうえで会場を決めましょう。
また、忘れてはならないのが、式当日に支払うお金です。これは、主賓や乾杯の発声をしてくれた人へのお車代、遠方から来てくれたゲストへの交通費や宿泊代、受付や司会などをお願いした人へのお礼などです。どれくらいの額を支払うかは、両家で話し合って決めるとよいでしょう。
新婚旅行も結婚の大事なイベントのひとつ。行き先によって費用が大きく変わってきます。どこへ行くか二人でじっくり話し合ってみましょう。
また、新婚旅行では、家族や親戚、披露宴の主賓など結婚式でお世話になった人にお土産を渡すことが多いです。「ゼクシィ結婚トレンド調査2019調べ」の調査結果でも、新婚旅行土産の平均額は8.2万円 となっています。
結婚式へ来てくれたゲストへは内祝いを贈るので、新婚旅行のお土産は絶対に贈らなければいけないというわけではありません。もし贈りたい場合、たとえば海外なら現地のスーパーマーケットへ行くと、現地ならではのお土産にぴったりなものに出合えるかもしれないのでおすすめです。
●親の援助を受けるカップルは多い
挙式・披露宴を開く際に必要な費用は平均額で見ると377.9万円とかなり高額です。二人の貯金でまかなうのは大変かもしれません。
しかし、結婚費用の準備について、次のような調査があります。「ゼクシィ結婚トレンド調査2019調べ」によると、結婚費用(結納、挙式、披露宴・披露パーティー、二次会、新婚旅行)に対する親・親族からの援助有無を首都圏に住む人に聞いたところ、 79.1%の人が親・親族からの援助を受けていたとのことでした。その援助額の平均は191.2万円 とのこと。
同調査によると結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用の総額は487.6万円(推計値)であることから、多くのカップルが結婚費用の一部を親や親族に出してもらっていることがわかります。大事な息子や娘の晴れ舞台を祝うために、資金援助をしたいというのも親心なのかもしれません。結婚は親も関わることです。そんな親から資金を援助したいと申し出があれば、親孝行の1つとして受けてはいかがでしょうか。
●できるだけ費用を抑えるためにできること
結婚が決まってから、婚約から新婚旅行まで一連の行事を行うまでには、かなりの費用がかかります。そこで、少しでも費用を節約したいというカップルもいるでしょう。
すべてを式場にお任せするプランは高額になりがちですが、できる範囲のことを自分たちでやることで費用を抑えられます。
たとえば、披露宴の招待状や席札などのペーパーアイテムを自分たちでつくったり、花嫁のブーケをフラワーアレンジメントの得意な知人に頼んだりする方法もあります。あるいは、披露宴の司会を友人にお願いしたり、ビデオ撮影も得意な友人に頼んだりすることもできるでしょう。
また、結婚式のハイシーズンになる春や秋に比べて、オフシーズンとなる夏や冬の料金を低めに設定している式場は多いです。このような人があまり選ばない日程にすることで、費用を抑えるのもひとつの方法です。
ただし、料理や引き出物は、過度に節約したことがわかってしまうと、ゲストをがっかりさせてしまいます。ゲストへのおもてなしの部分は節約し過ぎないよう、よく考えたほうがよいでしょう。費用を抑える部分とおもてなしの部分のバランスを考えて、素敵な結婚式を演出してください。
ご祝儀はどうすればいいの?
挙式や披露宴のときに、ゲストからいただくご祝儀。これはどう使えばいいのでしょうか。実は結婚式が終わった後、お金が必要になることがあります。それは、結婚報告ハガキの発送とゲストへの内祝いです。
結婚報告ハガキは、式場で撮影した写真を使うことが多いでしょう。または、新婚旅行で撮った写真を選んでもいいかもしれません。ハガキの印刷業者に頼めば、文面のサンプルも多く楽につくることができます。もし結婚式が年末に近い場合は、年賀状を兼ねて送ってもよいでしょう。
また、ご祝儀をいただいた人に対しては、「内祝い」を送ります。贈る品物の金額はご祝儀の半返しといわれていますが、いただいたご祝儀や結婚祝いの品にあわせて、臨機応変に選ぶとよいでしょう。
これらの結婚式後にかかる費用は、ご祝儀を利用してはいかがでしょうか。ある程度まとまった金額が必要になるので、ご祝儀はとても助かります。
そのほか、挙式や披露宴にかかった費用を支払う際、後払いができたり、クレジットカードが使えたりするととても助かります。なぜなら、その費用の一部をご祝儀から支払えばいいからです。式場を選ぶときに、費用を後払いできる、あるいはクレジットカードが使えるところを候補に選ぶのもいいかもしれませんね。
忘れないで!新婚生活にかかる費用
結婚にまつわるお金というと、婚約、結婚式、披露宴、新婚旅行と考える人も少なくありません。でも、これは結婚のほんの入り口のお金です。このほか、二人で新生活を始めるためのお金が必要になります。ここでは、新婚生活にかかる費用について解説しましょう。
●新居と引越し代
まず、新婚生活で住む家の契約が必要です。その際、敷金、礼金、賃貸料の支払いがあります。住みたいエリアや間取りから、どれくらいの家賃がかかるか、敷金・礼金はどれくらい必要か不動産会社で情報を集めておきましょう。
また、会社によっては福利厚生の一環として、結婚することで社宅に入居できたり、借り上げ社宅として安い賃料で家を借りることができたり、住宅手当が出たりする場合があります。借り上げ社宅の場合、会社が家を借りるので、敷金や礼金は会社が負担してくれます。また、住宅手当がある場合は、住みたいエリアで自由に家を選べ、実質負担する家賃を抑えることができます。
ただ、敷金・礼金は自分たちで負担することになります。ここでいえることは、会社の福利厚生を利用すれば、住宅にかかる費用を抑えられるということです。お勤めの会社で利用できる住宅関連の福利厚生を確認してみましょう。
●家電・家具などの購入費
新生活を始めるのに欠かせないのは、家電や家具です。独身時代に使っていたものをそのまま利用するのもいいですが、二人での生活を始めることで、家電や家具、インテリアを新たに購入するカップルも少なくありません。
新婚生活を送るカップルへの調査「新婚生活実態調査2018(リクルートブライダル総研調べ)」によると、結婚を機に「インテリア・家具」を購入したカップルは全体の59.4%でした。同様に「家電製品」を購入したカップルは全体の59.9%です。約6割のカップルが、新婚生活に向けて新居で使用する家電や家具、インテリアを購入しているのです。
では、新婚カップルは家電や家具、インテリアに対し、どれくらいの費用をかけているのか見てみましょう。
「インテリア・家具」の購入にかかった費用の平均額:28.4万円
【主な購入品】
カーテン類・ラグ・カーペット・じゅうたん・自分たち用の布団・ソファ・食器棚など
「家電製品」の購入にかかった費用の平均額:33.4万円
【主な購入品】
冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・電子レンジ・掃除機・照明器具など
※出典:「新婚生活実態調査2018(リクルートブライダル総研調べ)」
上記はあくまでも平均額で、5万円程度で済ませるカップルもいれば、100万円以上をかけるカップルもいます。
お金のかけ方は自由ですが、できれば結婚費用として準備したお金、あるいはもともと持っていた貯金の使える範囲内で、予算を立ててから購入することをおすすめします。
●その他、新生活を始めるのにかかる費用
新生活を始めるうえで、家具や家電など家の中で使う道具や設備のほかにも、費用のかかるものがあります。
まずは、引越し先での挨拶回りで近所の人に送る品物です。最近は挨拶回りをしない人も増えてきているようですが、近所に住んでいる人の雰囲気や家族構成を知ることができますし、挨拶をしておくことでご近所トラブルを防ぐこともできます。
その地域で気持ちよく暮らしていくためには、挨拶をし合う程度であってもご近所との交流を大切にするのは大事なことです。新居へ引っ越したら、挨拶回りは済ませておいた方がよいでしょう。その際、挨拶用に品物を持参します。
品物はフェイスタオルや日持ちのするお菓子など1,000円以内のものが一般的です。挨拶回りをする範囲は、集合住宅なら両隣と上下の家に伺うとよいでしょう。
また、最近は家の中で通信環境を整える家庭も多いでしょう。電話、インターネット回線や無線LANなどの環境を整えるのに費用が発生します。これらは、これまで利用していたサービスを移転することで継続して使えるかもしれないので、確認しておきたいですね。
ただ、場合によっては利用できるエリアが限定されるものもあるので、新居ではどんなインターネット回線が使えるかをチェックすることをおすすめします。
結婚費用を貯めるコツを教えて
あなたたちが望むスタイルの結婚式は決まっていますか?また新婚旅行先の希望はありますか?どのようなスタイルにするかで、おおよその結婚費用が見えてきます。
また、結婚費用は、お互いの貯金を使ったり、親からの援助を受けたりして準備できればいいのですが、それでも費用が足りないこともあるでしょう。そんなときは、目標の貯金額に向けて二人で協力してコツコツ貯金していく必要があります。
●結婚費用専用口座をつくろう
結婚費用を貯めていくとき、おすすめなのが「結婚費用専用口座」をつくることです。この口座は結婚後に生活費の引き落とし口座に使うことができます。その際、名義は新郎新婦のどちらでも大丈夫です。
しかし、結婚後は姓が変わることが多いので、名義変更の手間を考えると、結婚後の姓になる人の名義にするのがよいかもしれません。そして、挙式や披露宴など結婚のために使うお金は、この口座から支払います。
ここで注意したいのは、結婚前の口座名義人でない人の入金です。年間110万円を超すと贈与税の対象になりますので、よく考えて入金しましょう。ただし、結婚して夫婦になってからは、生活に必要な範囲内の入金であれば贈与税はかかりません。
また、結婚後この口座を生活費のやりくり口座にする際は、キャッシュカードの家族カード(代理人カード)をつくって、お互いがATMから口座の入出金等ができるようにしておくことをお忘れなく。
結婚費用を貯めていくためには、二人とも自分の口座から結婚費用として結婚費用専用口座へ入金していくことになります。その際、振り込みで入金していくと、どちらがいくらお金を入金したのかがわかるのでおすすめです。
ただ、その際の振込手数料が気になりますよね。でも大丈夫。二人の口座と結婚費用専用口座の金融機関を同じにするのです。そして、インターネットバンキングを利用して振り込むと、振込手数料が無料か少ない額で入金することができます。
新婚生活を始めた後共働きになる場合、家計分としてお互いいくらお金を負担するのかを決めるのは重要なポイントです。そんなときでもお互いの負担分を見える化するために、あえて振り込みで家計管理用口座(結婚費用専用口座)へ入金していくことで、家計管理がしやすくなるだけでなく、お金のもめ事を防ぐことができるでしょう。
●貯金の目標額はどう設定する?
二人でどれくらいのお金を貯めていくかは、望む結婚式のスタイルや新婚旅行先で決めることができます。希望のスタイルが決まれば、式場の候補が見えてくるでしょう。その際、かかる費用の目安を調べておきましょう。
また、新婚旅行先も旅行会社のサイトを参考に、目安となる料金を調べておきます。そのうえで、お互いの貯金分と親からの援助分を使っても足りない分を試算します。その額が二人の結婚費用としての貯金目標額になります。どうですか?貯められそうですか?くれぐれもお互いの給与から無理のないように貯金額を設定しましょう。
結婚費用について、何にどれくらいの費用がかかるのか、また新婚生活にかかる費用についてイメージはつきましたか?また、結婚費用を二人で貯める際のコツもお知らせしました。結婚費用を貯めるためにつくる口座は、結婚生活を送る際の家計口座にも使えるので、ぜひ活用していただきたいです。
もし、結婚費用の貯め方、あるいは、実際に新婚生活が始まってからの家計管理など何か心配なことがある場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。お二人の立場に立って、最適なお金の貯め方や管理方法を教えてもらえますよ。
※本ページに記載されている情報は2020年3月3日時点のものです。
【参考文献】
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ結婚トレンド調査2019調べ(首都圏)
https://souken.zexy.net/data/trend2019/XY_MT19_report_06shutoken.pdf
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「新婚生活実態調査2018(リクルートブライダル総研調べ)」
https://souken.zexy.net/data/trend2018/XY_ML18_release.pdf
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ファイナンシャルプランナー (CFP(R)認定者)、ライター、整理収納アドバイザー
10年超ライターとしてメルマガやWebコラムなどを執筆。自分の専門分野を持とうとファイナンシャル・プランーの資格を取得。お金とモノの持ち方にはつながりがあることに気づき、整理収納アドバイザー1級を取得。お金だけでなく暮らし全体の整え方を伝授するべく活動中。お金や暮らしの整理、家計見直し、ライフプランのほか、自らの経験から遠距離介護の相談も行う。