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教えて!大学生のお小遣い、実家から通う学生と下宿生それぞれの平均は?

大学生に渡すお小遣いの平均額、知りたいですよね。お小遣いはなしという学生や、実家から通う学生と下宿生のお小遣い額の実態も気になります。そこで、大学生のお小遣いとアルバイト収入の平均額、また家計から捻出する際の対処法について解説します。

目次

大学生の生活費、その実態は?

大学生になると、高校生までの生活とは違って自主的に行動することが増えるのではないでしょうか。行動範囲が広がり、使うお金も増えていきそうです。

そんな中、親としては子どもが大学生活を送るうえで、どれくらいの生活費が必要になるのか気になるところです。実家から通う場合、あるいは、アパートなどに下宿する場合では、かかる費用も異なることが多いでしょう。

まずは、大学生の生活費はどれくらいかかるのか見てみましょう。

上記の表は、日本学生支援機構が実施した「2018年度学生生活調査」による、大学生の1年間の生活費を表したものです。

まず特徴的なのが、食費です。

自宅生は年間10万4,900円、1ヶ月に換算すると(12分の1にした額)、約8,741円です。自宅生はたいてい昼食の負担だけで済むので、食費はそれほどかかりません。

けれども、学寮や下宿、アパートなどで生活する学生は、1日3食の食費を生活費の中から負担しなければいけないため、実家から通う学生に比べると食費が多くかかっています。

下宿生の場合は年間で28万4,600円、1ヶ月では約2万3,716円となっています。自宅生に比べると朝食と夕食の負担分が多くかかりますね。

食費は外食が多くなると増え続ける一方です。そのため、食費として1ヶ月間に使える額をあらかじめ決めておき、自炊する機会を増やすなど食費を節約する工夫が必要になってくるかもしれません。

また、学寮や下宿、アパートなどに住んでいる学生は、住居費や光熱費もかかります。この2つは家賃や電気・ガス・水道代にあたります。どれも、生活するうえで欠かせないものであり、毎月必ずかかる費用です。

下宿生の住居・光熱費は、47万1,300円です。これを1ヶ月分に換算すると3万9,275円となり、かなり大きな出費になっています。

家賃が変わることはあまりありませんが、光熱費は節約することで出費を抑えることができるかもしれません。

自宅生、下宿生ともにかかる費用が、娯楽・し好費です。大学生になると、活動範囲が広くなりがちです。ゼミやサークル、クラブ活動、アルバイトなどで人との交流が増え、それがきっかけで娯楽費が増える可能性が高くなります。

自宅生の娯楽費は15万600円で、1ヶ月では1万2,550円です。下宿生の場合は15万6,900円で、1ヶ月では1万3,075円です。自宅生も下宿生も娯楽費にかける費用はほとんど変わりません。

学生生活を楽しむために必要なお金ではありますが、娯楽費の出費が生活費を圧迫しないように注意したいですね。

もう1つ、特徴的な出費といえるのが、通学費です。下宿生は寮や住まいが学校の近くである場合が多く、下宿先を決める際も学校の近くのアパートなどにする学生が多いため、自宅生よりも通学費がかからない傾向にあるようです。

最後に、自宅生と下宿生の生活費全体を比較してみましょう。学費を除いた生活費は、自宅生の場合は43万4,100円で、1ヶ月分に換算すると、3万6,175円。下宿生の場合は111万1,400円で、1ヶ月分は約9万2,616円です。家賃や光熱費の負担が必要な下宿生は、自宅生よりも生活費が多くかかることがわかりますね。

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大学生のお小遣いの平均とアルバイト収入

前章で、大学生の1ヶ月の生活費は、自宅生の場合は3万6,175円、下宿生の場合は約9万2,616円ということがわかりました。

この費用は、いったいどのように捻出しているのでしょうか?調べてみたところ、大学生の収入源として、主に「家族からの給付」「奨学金」「アルバイト」からやりくりしていることがわかりました。

・大学生のお小遣いの平均額

上記の表は、日本学生支援機構が実施した「学生生活調査」の結果としてわかった1年間の大学生の収入平均額です。この「家庭からの給付」の金額には、親が払う大学の学費も含んでいます。

では、親が実際に大学生の子どもへお小遣いとして渡している額の平均はどれくらいなのでしょうか?
これを次の計算式から求めてみました。

●親がお小遣いとして渡す額の平均 =「大学生の収入平均額」-「学費」
※前章の「大学生の平均的な生活費(学費)」と本章の「大学生の収入平均額」を参照

下記は、自宅生と下宿生のお小遣いの平均額を計算した結果です。

●自宅生のお小遣い平均額
収入平均額 181万800円 - 学費 127万9,900円 = 53万900円
1ヶ月分に換算(12分の1の額)すると、約4万4,242円

●下宿生のお小遣い平均額
収入平均額 230万1,200円 - 学費 110万9,600円 = 119万1,600円
1ヶ月分に換算(12分の1の額)すると、9万9,300円

【大学生のお小遣いの平均額(月間)】
自宅生:約4万4,242円
下宿生:9万9,300円

お小遣いの平均額からわかることは、下宿生は生活費がかかるため、親からもらっているお小遣いが多いことがわかります。

奨学金は生活費としても利用できますが、学費以外の生活費までも奨学金で賄おうとすると、借り入れが多くなってしまいます。奨学金は大学卒業後に学生本人が返済していかなければなりません。そのことを考えると、親が家計からお小遣いを捻出できるのであれば、生活費の一部をお小遣いとして渡していくのも1つの方法でしょう。

・大学生のアルバイト収入、平均額はどれくらい?
大学生のアルバイト収入の平均額は次の通りです。

【大学生のアルバイト収入の平均額(年間)】
自宅生:43万8,800円
下宿生:37万200円


夏休みなど長期休暇に多く働き、授業のある月は最小限しかアルバイトできない学生が多いようです。そのため単純に1ヶ月の収入額に換算するのは難しいのですが、単純に12分の1で算出してみると、自宅生の場合は、1ヶ月約3万6,567円、下宿生の場合は、1ヶ月3万850円となります。

日本学生支援機構の学生生活調査(2018年度)によると、アルバイトをしている学生は、全体の86.1%で、アルバイトをしていない学生は13.9%という結果が出ています。また、大学生の4.4%は親からお小遣いをもらっていません。

このことから、大学生にとって、アルバイトは生活費を賄うための重要な手段の1つになっているということがわかります。大学生活に必要な生活費を支払っていくため、あるいは親からのお小遣いでは足りない分を補うために、多くの大学生がアルバイトを活用しているのです。

※出典:日本学生支援機構「学生生活調査」表4-1家庭からの給付程度別・アルバイト従事者の全学生に対する割合(大学昼間部)(平均の数値)

・アルバイト収入の注意点
ここで、大学生のアルバイトについて、1つ注意点をお伝えします。

大学生でもアルバイト収入が年間103万円を超えた場合、親の扶養から外れてしまいます。そうなると、親は扶養控除が受けられなくなるため、結果として手取りが減ってしまうのです。

また、いくつかのアルバイト先を掛け持ちしている場合、全部のアルバイト収入を合算して103万円を超えているかどうかをみることになります。

教育費の負担がある時期に手取りが少なくなるのは、家計としては痛手ですよね。子どものアルバイト収入については、親もきちんと把握しておくようにするといいでしょう。

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大学生のお小遣いを家計から捻出するのが厳しいときは?

大学の進学費用は、子どもが小さな頃から準備するべきお金として、家庭でも教育費として積み立て貯金を続けてきたり、学資保険を利用したりと準備をしておく家庭が多いようです。また、大学の学費として準備してきたお金が足りない分は、奨学金を利用する方法もあります。

しかし、子どもに渡すお小遣いは、どれくらい必要なのかがわからないため、事前に準備はしにくいものです。そのため、月々の家計からやりくりしなければいけなくなります。

月々の家計からのやりくりが厳しいとき、お小遣いをどのように捻出したらいいのでしょうか?
また、家計の負担を減らすために子どもと一緒にできることも考えてみましょう。

・基本は子どもにアルバイトをしてもらう
大学生の子どもに渡すお小遣いは、中高生時代に比べると額が大きくなりますね。それを教育費の負担が真っ只中の家計から捻出するのは、並大抵なことではありません。場合によっては、お小遣いが工面できないこともあるでしょう。

そんなときは、親が渡すお小遣いは食費や教材費などを必要最小限にして、子どもにアルバイトをしてもらうのがよいのではないでしょうか。

前述の通り、日本学生支援機構が実施した学生生活調査では、大学生の86.1%がアルバイトをしているという結果が出ています。自分が自由に使えるお金をアルバイトで稼いでいる学生は多いのです。

アルバイトでは自分が働いた対価としてお金をいただくという、自分で稼ぐことの大切さを学ぶことができます。さらに、アルバイトの経験は卒業後、就職してからの人生でも役立つでしょう。

・子ども自身に家計簿アプリを活用してもらう
親が子どもに渡すお小遣いは、家計をやりくりして捻出した貴重なお金です。また、アルバイトをして稼いだお金も、頑張って仕事をした対価。同じく貴重なものです。

ここで子どもに伝えておきたいことは、お金は無駄にしてはいけないことと、限られた範囲内で上手くやりくりしなければいけないものであることです。そのためにも、お小遣いやアルバイトで得たお金を、無駄なく使いこなしてもらいたいですね。

こんなとき、ぜひ子どもに活用してもらいたいのが家計簿アプリです。使ったお金を記録していくのです。スマートフォンで手軽に記録できるので、大学生でも続けやすいのではないでしょうか。

また、今では家計簿アプリとスマホ決済が連携できるものもあります。大学によっては、学食などの支払いでスマホ決済が使えるところもあります。もし、通う大学でスマホ決済が使えるなら、お小遣いも個人間送金を使って渡せば、便利に使えるし、家計簿アプリでの管理もしやすくなるのではないでしょうか。

家計簿アプリを使って、お金のやりくりを見える化すると、「今月あとどれくらいのお金を使えるか」がわかりますし、お金を使い過ぎている部分も見えてきます。これは、社会人になって自分の稼ぐ収入ですべての生活費をやりくりするようになったときに、役立ちます。それを学生のうちから習慣化していくことが大事なのです。

・家計の固定費を見直す
この機会に家計を見直すことでお小遣いの一部が捻出できるかもしれません。

すぐにできることとして挙げられるのは、子どもが高校生時代に通っていた塾や習い事の月謝を、そのままお小遣いに回すことです。これまで使っていた支出をそのままお小遣いに回せばいいので、無理なくできるのではないかと思います。

家計の見直しで、ついついやってしまいがちなのが食費を節約することです。確かに出費を減らすことはできますが、思ったほど大きな額を節約することはできません。大学生のお小遣いは、万単位でのお金が必要です。もっと効果的な部分に目を向けてみましょう。

家計を見直すとき、大きな金額を節約したいなら「固定費」をチェックしてみましょう。チェックしたい固定費は、毎月決まった額を支払っているものです。

たとえば、定額制サービスの会費、光熱費、有料テレビの視聴料、通信費、保険料、住宅ローンの返済額、定期購入の化粧品やサプリメント代などがあります。あまり利用していないのに払い続けている定額制サービス料はありませんか?不要なものは解約しましょう。

また、通信費を節約するなら、家族全員で同じキャリアを使い、家族割を利用するとよいでしょう。もっと大きく節約したいのであれば、格安スマホを利用するのも1つの方法です。

さらに、生命保険に加入しているのなら、必要保障額を確認してみるとよいかもしれません。すでに大学の学費を準備できているのであれば、必要保障額を減らせば、支払う保険料を下げることもできます。

もし光熱費を見直すなら、ガス代と電気代のセットプランにするのがおすすめです。電力会社やガス会社の多くが、電気とガスのセットプランを用意しています。

その他、インターネット接続料とのセット割、ガソリン代とのセット割、携帯電話のキャリアとのセット割など、さまざまな会社が電気やガスのセット割を提供しています。よく車に乗る人ならガソリン代とのセット割にしたり、使っている携帯電話のキャリアとのセット割にしたりと、自分がよく使っているサービスとセットにすれば、さらに大きく節約できるようになるでしょう。

どうですか?見直しできそうな固定費はありますか?ファイナンシャル・プランナーなどお金の専門家に相談して、プロの目で家計を見直してもらうのもおすすめです。

※本ページに記載されている情報は2020年7月13日時点のものです

【参考文献】
日本学生支援機構 2018年度学生生活調査
https://www.jasso.go.jp/about/statistics/gakusei_chosa/2018.html
日本FP協会 学生にもある!!親子で知っておきたいアルバイト収入の壁
https://www.jafp.or.jp/know/info/column/20200214.shtml

前佛 朋子 (ぜんぶつ ともこ)

ファイナンシャル・プランナー (CFP(R)認定者)、ライター、整理収納アドバイザー 2006年よりライターとしてメルマガやWebコラムなどを執筆。自分の専門分野を持とうとファイナンシャル・プランーの資格を取得。お金とモノの持ち方にはつながりがあることに気づき、整理収納アドバイザー1級を取得。お金だけでなく暮らし全体の整え方を伝授するべく活動中。お金や暮らしの整理、家計見直し、ライフプランのほか、自らの経験から遠距離介護の相談も行う。